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■ 東京ウーマン座談会 東京で働く女性の育児事情


東京で働く女性の育児事情(1)

東京ウーマン緊急座談会
「東京で働く女性の育児事情」
女性の社会進出と育児
待機児童が大きな社会問題としてクローズアップされる中、今年の春も認可保育園に入れなかった保護者が数多くいます。そんな中、東京ウーマンではこの待機児童問題をはじめ、様々な保育問題で頭を悩ませる働く女性たちに緊急座談会を開きました。

制度の狭間で容易に見つからない保育園事情や、具体的な仕事と育児の両立の仕方やキャリア観に関して、今まさに認証保育園にお子様を預けていらっしゃる12名のお母様方にヒアリングを行いました。東京ウーマンではこれら結果を受けて、行政へ提言活動を行ったり、新サービスを開発し、これから出産・育児を控えている多くの女性に少しでもお役に立てられればと考えております。

ファシリテーターは、自身も2歳のお子さんを保育園に預け、精力的に働き続ける、谷本有香氏です。(文中敬称略)
事前アンケートの結果はこちら
出産時期に、メリットデメリットはあるのか?
谷本: 本日は11名のお母様方にお集まりいただきました。ありがとうございます。まず最初に、事前にお願いしましたアンケート結果(※1)より、12名中11名の方が高齢出産だったということでしたが、皆さま、キャリアの面や子育ての面において、遅く生んでよかったという方はいらっしゃいますか?

六藤: 精神的な安定性があります。ちょうど仕事が自分の中で一段落して達成感が得られたポイントで出産できたことで、あせりは少なかったですね。出産により職場を一時的に離れなければならないという点で、仕事上の不安が少なかったのがよかったと思います。

あとは、もしこれが若かったら、子育てもしなければいけないなど、あれもしたいこれもしたいと思っていたでしょうし、そういったいろんな意味であせりは少なかったかと思います。精神的に落ち着いていて、安定した時期という点で、遅く出産してよかったのかな。

谷本: 反対に、遅く出産して辛かったなと思う方や、デメリットだったと思うところなどありますか?
相良:うちは31歳くらいで結婚して、そこでできれば、すぐに子どもが欲しかったんですけれども、30歳を超えると子供ができにくくて。できないできないって言っている間に、3年経ってしまいました。スタートがもっと早ければちょうど30とか31歳で出産できたのかなあという後悔もあります。結果的にできれば2人目は欲しいけど無理じゃないかなという思いもありますね。

野田:私は、キャリアを積んで、ある程度何があっても継続して仕事ができるものをやろうと思っていたときもあったのですが、結果としては出産後、いちから仕事を探さなくてはいけず、大変でした。よっぽど何か軸や確立したものがあればよいのでしょうが。キャリアをうまく確立できた人はうらやましいなと思います。ひと段落して、場所を確保してから次っていう良いタイミングで出産ができればベストかもしれないんですけど。

求職活動は子どももいるうえに、年もいいとしで、一応それなりに経験があったり、何かしらやりがいも求めていると難しいです。そんなこと言ってもなかなかみつからないので自分でも何か捨てる覚悟はしているんだけど、常に葛藤や後悔があります。これでもうちょっと10歳若ければ、子どもがいてもまだましだったと思うんですよ。あとは日々こなすのに、体力的にもきついですね・・・笑

谷本:そう言った意味では、唯一若いタイミングで子どもを出産なさった中野さんは?

中野:私は大学院を出てからすぐ結婚して出産だったので、同期で同じ年に入社した子に比べると、戻ってみるとみんなはそれなりに仕事ができて、下に指示ができるようになってるのに、私はまだそれもできる仕事にはなってなくて、だからちょっと早かったのかなと感じます。

谷本:メリットは感じますか?

中野:メリットは、地元に帰るとみんなもっと若く出産しているんですよね。それを考えると親にもいろいろ言われるし、早くてよかったのかなと考えます。

谷本:キャリアを重ねても女性の場合、現職の職場に戻りづらいという意味で、キャリア確立は難しいのでしょうか。そういった意味で女性は資格をとったほうがいいという意見がありますが、医師、税理士、歯科衛生士のお三方はどうですか?他の人に比べたら、やはり得していますか?

新妻:確かに、仕事を再開するにあたっては、自分の希望する条件で探しやすいように思います。自分がやりたい内容の仕事ができるわけではなくても、時間や収入、場所という点では自分の希望に沿った形で探しやすいと思います。
谷本:高瀬さんは税理士さんで、皆さんの中で最も満足度のたかいアンケート結果でした。やっぱり資格があったほうが女性は働きやすかったりするものでしょうか?

高瀬:そうですね。就職活動に関しては、自分ができることで、かつやりたいことをはっきり伝えるだけなので、あとは合うか合わないかだけですね。以前は会社に勤め、経理を担当していたのですが、そのときに働きながら資格をとりました。

谷本:途中変換型ですね。それは家庭をもつことを前提とせず、ただキャリアアップの延長上に資格取得を目指したのでしょうか?

高瀬:そうですね、田舎育ちで母親が専業主婦なので、女性が仕事をし、家庭と両立するためには、何らか資格をとってというか、何か武器をもってというのは、昔から考えていました。

河口:私は歯科衛生士ですが、私の職種も同じように自分の条件で探すことができますね。ただ一般的に医療系は、勤務時間が夜遅くまでの時間を求められる職業ですので、午前中勤務だけという条件で希望の職場につくのは難しいです。

とはいえその中で、キャリアをある程度積んでいて、「キャリアを生かせる、ほしい」といってくださる医院で働いている衛生士がたくさんいるので、良い職業かなと思っています。ただ資格があっても、あるだけじゃなくそれぞれ勉強を重ねて技術や知識を身につけていた方のほうが、条件付きで就職できていると思います。
谷本:みなさんは、遅めだったほうがいいということなんですけど、もし後輩から早く出産したほうがいいか遅く出産したほうがいいかと質問されたら、どちらを勧めますか?

まずは早めに出産して、それから戻ってキャリアを積んだほうがいいというのか、ある程度キャリアは積んで達成感を得てから出産したほうがいいというのか。最終的に幸せと感じるために、早めの出産をお勧めする方はいらっしゃいますか?

山田:環境次第。周囲にママさんも多く、理解のある職場環境があれば早くに出産しても良いですよね。

谷本:早めをお勧めする方いますか?早めをお勧めする方いますね。ほぼ半数ちょっとの6名いらっしゃいます。ご自身が早く出産された中野さんもですね。