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■ 東京ウーマン座談会 東京で働く女性の育児事情


東京で働く女性の育児事情(3)

女性が出産するのに適した環境とは?
谷本: また話を変えまして、例えば、中小企業のほうが融通がきくから出産にはいいよっていう方もいるし、中小企業のほうが即戦力になってしまうから休みづらいよっていう方もいるし、いろんな選択肢があると思うんですけれども、それに関してご意見ある方いらっしゃいますか?大手企業は福利厚生がいっぱいあるから母親にとってはいいよ、とか。

山田:私が勤務している大手メーカーでは制度は整っているといわれていますが、実際周囲にはその制度を利用している方々がいらっしゃらない。制度がある上で運用される職場環境の問題があるのかも知れません。制度を活用できる雰囲気は部署が作りあげていくものかと思います。

谷本:それは文化的に活用できる雰囲気がない?

山田:文化的にないのかと思います。利用している方をあまり聞きませんから。
野田:前にいた会社の友人が男の人で、大手企業のキャリア職なのですが、初めて会社で男性が育休をとったんですよ。ただ半年とっちゃったので、やっぱり彼に対する風当たりが強くなって、彼もとらなきゃよかったって後悔もしてました。でも、育休をとって良かったことも言っていました。私はその会社では契約社員だったんですが、妊娠したのが原因で辞めさせられたんですね。

育休期間中、誰かを採用しなきゃいけないけど、それがもう大変だからと。だから制度があれば活用できるというわけでもないし、周りのサポートや理解がないと無理ですね。もちろん周りだけでなく、部署を束ねる上司がいるわけで、その人がどういった判断をするかどうかは、会社の大小の規模の問題ではないと思います。

谷本:同じ会社に復職された方はどうですか?

六藤:私の会社はアメリカ系外資でそういう男女平等に関して意識が高いと感じます。 また10年前と比べて働くママが増えてきています。私が妊娠した時は、働くママは私の所属する100人くらいの職場に0人でした。

しかし、育児休暇から復帰してみると、現在妊娠してる人や産休・育休中の人が数人でてきました。子どもを産んでもやめないっていう女性が増えて、それが少しずつ当たり前になっていくのかなと感じています。

谷本:育休なり、出産の休むときにどうやって人員を充当するんですか。つまり、プラスワンをもってくるのか、シェアするのか。

小池:シェアしていますね。そこが心苦しく申し訳ないところ。周りの方は突発的に仕事が増えますからね。

吉田:うちは、休んだときには、派遣の人を入れて、充当しています。ただ、戻ったときには、わりと戻りやすい感じだったんですけど。全く他の人がやってて、という感じではなかったです。

谷本:たとえば経営者マインドで言うと、シェアできちゃうものだったらつまりその人がいなくてもできちゃうものだったら、最初から人数減らした方がいいよねって思っちゃいますよね。それに関してはどう思いますか?それともやっぱりある程度の余裕をもってやっておくべきですか?

あるいは出産以外にも介護もありますけど、倫理的に文句言わないで、経営的に合理性を考えないで、シェアして、みんなで頑張っていこうよって感じなのか、実際はどうなんですか?


六藤:過渡期な気がします。正直団塊世代が定年退職して人が減ってますよね。だけど新人は取っていない。マンパワーを増やさずにいかに今いる人員で仕事を回していくか、が課題になっています。
どうすれば、育児と仕事が両立できる環境になるのか?
谷本:また少し経営目線の話を聞きたいんですけど、政治家の方とか企業トップの方々と話すことが多くて、よく聞かれるのが、女性でいわゆる腰掛みたいに入社されてくる人もまだまだ多いですよね、日本には。

で、その人たちが、出産をして、3人も4人も子どもを生んで、ずーっと休んでいる。でもお給料は払い続けないといけない。ほんとにほんとに優秀な女性が実際産めない。というか仕事のほうが忙しくてキャリアのほうを選んでしまっている。

本当は時短だったり今ある制度を、できる女性に使ってもらいたいのに、そうじゃない女性が使っているのをどうしたらいいのかっていうのをよく聞かれるんですよね。それに関してはどう思われますか?


六藤:優秀かどうかはあくまで人が決める評価なので、いわゆる腰掛の女性がそんなにいるとは思いませんが・・・。できる女性に制度を使ってもらいたいというのであれば、できる男性にも、育児関係の制度を積極的に利用してほしいですね。

谷本:男性のほうがそういう機会をとることが少ないですよね。それにはどう思われます?

河口:私たぶんアンケートにも書いたんですけど、償還払いにすればいいと思います。育休取っている間にあげちゃうと、ぷらぷらと遊んでいても、お給料が入っている状態で(笑)。その間にもう一人産んじゃって、戻る気がなくなって、もうそろそろ期間が切れちゃうから、このまま仕事やめようっていう人も本当にいます。

だから償還払いにすればいい。ちゃんと企業に戻った時に、さかのぼってあげますよっていう制度にすれば、戻るべき人が戻る。働きたい人が戻ってくれば、企業も無駄なお金を払わなくて済みますよね。

小池:私はそれくらいの余裕がないと、産める人が出産していかないように思います。夫婦で1人しか子供がいないと確実に人口は減りますし、出産できない人や、産みたくない人もたくさんいるでしょうし。会社は評価の制度に入れてしまって、キャリアプランを考えながら、あなたはここまで勤続があるから、これくらいのキャリアになり、あなたにはこれくらいの育休をあげられますよというわけです。

こっちもプランどおりになかなか産めないんですけど。そしたら仕事もある程度頑張ってここまでもらえるんだったら、ここから子作りしようかなって女性も考えやすいかもしれないですし。でも評価は人がするものなので、すごく難しいですね。

時短活用できていないというのも、それは企業側の努力不足だと思います。子どもを産んでもらえないと消費者は少なくなり、企業としても嬉しくないはず。女性活用にお金がかかると言われますが、お金をかけてでも女性のキャリアアップを助けるのが当たり前なんじゃないでしょうか。
相良:うちの会社は比較的私には優しいんですけど、子どもをもっている男性にも今まで通りの働き方で残業をさせるので、それはやめさせたほうがいいなと思います。深夜残業が続いている男性社員の家庭について、あの家、家庭崩壊寸前だねなんて話も冗談交じりにされています。

自分の夫が深夜残業で全然帰ってこなくて誰も手伝ってくれないんだったら、私も辛いなと思います。うちは夫が残業しない職種をしているので、助かっているんですが。

新妻:うちは二世帯住宅で、昼間はもちろんみてくれるので助かるのですが、母親や妻たるものこうあるべきっていうのがあって・・・。

谷本:サポートも受けているけどそういったプレッシャーもある。

新妻:暗黙の(笑)。

山田:Facebookを時々覗くと落胆してしまいます。旦那さんに子供を預けて今夜は羽を伸ばしてワイン飲みに行きました、等のコメントをみると羨ましく思えて。

谷本:ある程度は我慢されているという前提で、もちろん食事会も行ったほうがいいと思いますよね。ストレス発散も必要ですし。どうすればいいのでしょう?安いベビーシッター制度があればいいのか。何があればいいですか?

小池:経済的なサポート、お金でしょうか(笑)

野田:私も「ファミリーサポート」も契約したけれど、それすらうちの収入だともったいない、となっちゃって。シッターなんてもっともっと高いので無理です。

最初は夫が外国人なので、外国人の友人とかも毎週土曜シッター当たり前って感じだったので、月1位はやろうって言ってたんですよ。でも、もったいないです!必死で稼いできたお金を1時間2000円とかでお願いするのは。自分たちが外出するのも我慢して、っていうふうになっちゃいますね。