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井上 ゆき
フリーランスライター・編集者・保育士 一般社団法人日本伝統食協会

子どもを野菜好き・お外好き・さんすう好きにしたいママさんへ 育児・子育て 2015-07-22
子どもは野菜がキライでも、 いいのかもしれない

野菜がキライな理由その1

 子どもの野菜嫌い・さんすう嫌いをなくして、子どもの毎日をハッピーにさせたいと、「8313(やさいさん)」として活動している井上ゆきです、こんにちは。

 私は子どもの野菜嫌いをなくしたいと願っているものの、実は「子どもは野菜が嫌いでもいいのかも!」と思って、子どもに向き合っています。今回はこんなお話と、真夏の冷え対策をご紹介したいと思います。最後までどうぞお付き合いくださいね。

 

 私はこれまで数多くの栄養士さんに取材を重ねてきました。そして、その中に2つ、「子どもは野菜嫌いでも、いいのかもしれない」と思える理由を見つけました。

 1つは、“粗食のすすめ”で有名な幕内秀夫先生の『子どもべんとう』(主婦の友社)というレシピ本の中にこうあります。

 

 子どもは生きるために食べています。成長するために食べています。そのためにいちばん必要なのは、カロリー(熱量)をとることだということを子どもたちは本能的に知っています。

 

 つまり、ピーマンやセロリ、ねぎなどのカロリーが低い野菜は、「好き嫌いでも偏食でもなく、まだ自分には必要がないことを知っているから」食べないのだそうです! このように考えると、食事の中でカロリーが低い野菜の優先順位が低くても仕方がないのかな、と思えますよね。何が何でも、「子どもに野菜を食べさせなければ!!」というプレッシャーを感じていらっしゃるお母さんはとても多いと思いますが、この考え方を知っておくと、ちょっと肩の荷が下りる気がしませんか(^-^)?

(なお同書では、野菜は食べなくても子どもは成長に必要な主食であるごはんはしっかり食べているはずです、と書かれています。皆さんのお子様はいかがでしょうか?)

 

 

野菜がキライな理由その2

 そして、もう1つ。

 ちなみに皆さんは、野菜料理というと何をイメージしますか?

 

 働く女性約1000名の健康測定をした「まるのうち保健室」での食事記録調査によると、多くの女性が「よく食べる野菜料理=サラダ」と答えたそうです。皆さんも、やはり野菜料理と言えばサラダでしょうか!?

 サラダ、つまり生野菜は、子どもの小さな歯や子どもの噛む力では繊維質を断ち切ることが難しく、子どもにとっては食べづらい料理の1つです。ですから、食事にサラダを出して、「食べなさい!」と何度言っても子どもが食べないのは、好き嫌いではなくて、“食べにくさ”が原因と考えられるのです。

 

 先日、保育士さんが集まるセミナーを取材し、子どもの野菜摂取に関する研究発表を聞いたのですが、子どもが野菜料理を1日に何皿食べているかという問いに、「5~7皿以上」と答えた保護者がたった4%だったのに対して、「0~2皿」と答えた保護者が74%もいたということです。その限られた1~2皿がサラダ(生野菜)だったとすると……、子どもが「野菜を食べたくない(食べられない)」と言うのは当然のことなのかもしれません!

 

 以上2つの点から考えると、子どもの野菜嫌いはそんなに怒らなくてもいいのかな、なんて思います。この心持ちでいれば、ママも少し気がラクなはず。子どもが野菜を食べたら、うんと褒めてあげたくなります(笑)。ちなみにわが家の息子は、マヨネーズやケチャップで野菜を味つけするよりも、昆布だしや塩こうじで煮たり、味噌炒めにすると野菜をよく食べています。野菜の切り方や味つけを変えたり、親戚のおうちやキャンプなどのアウトドアといった場所を変えたりしながら、ニガテな野菜が食べられるときを気長に待つのも、子育ての楽しみと思えるといいですね!

 

あのポカポカ野菜、実は夏のもの!

 今月に入り、東京駅の自動販売機で「常温ドリンク揃えました」と書かれたコーナーを見つけました。お茶、水、清涼飲料水、カフェラテなどのペットボトルが常温で売られており、「ついに、常温の時代が来た!」と喜びました(笑)。

 

 私は、中国医学にくわしい鍼灸師さんのアドバイスから、夏でも飲み物はホットもしくは常温で飲むことにしていて、この夏で5年目になります。自宅ではもちろん、外出先にもいつも水筒を持ち歩き、温かい紅茶や麦茶を入れています。この暑いのに「ホット?」と半信半疑に思う方もいるかもしれませんね。

 夏でもホット生活にして変わったことと言えば、夏も冬も、カラダ(特に手足の指先)に冷えを感じることがなくなり、夏は汗がじわじわとよく出るようになりました。普通に過ごしているのに、岩盤浴をしているような感じです。

 

 「汗が出るなんて、なおさらイヤ!!」と嫌悪感を抱かれた方もいることでしょう。でも、夏にしっかりと汗をかかないと、毛穴が開かないために体内の老廃物が出ていかず、実りの秋にしっかりと新たな栄養を吸収することができないのです。冬の寒さに負けないカラダづくりは、夏にあるのです!

 

 冬にポカポカ食材としてもてはやされている「しょうが」は、実は夏の野菜です。しょうがには確かに発散作用があるので、夏に食べるのが最適! 冬に食べすぎると身体の大事な熱を発散させてしまい、かえって身体が冷えてしまう原因になるのだそうです。ご存知でしたか?

 

 だまされたと思って今年の夏はぜひ、ホットドリンクとしょうが料理を試してみてください♪ 東京ウーマンの読者の皆さんの勢いがあれば、、、来年の夏には自販機にホットドリンクが並んでいることでしょう! 

 

 

【参考文献】

幕内秀夫「じょうぶな子どもをつくる基本食 子どもべんとう」(主婦の友社)

「生活習慣アンケート調査報告 園児の野菜摂取状況と食・生活および体力との関連」

(熊本県立大学・松添直隆教授の調査)

「中国医学に学ぶ夏バテ予防・解消法」ヘルストゥデイ2013年7月号(日本医療企画)

 


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