セラピストは、探偵であり助産師である? |
こんにちは。一年の半分が過ぎました。なんとなく、(おそらくとても忙しい)日々の流れの中で、時間ばかりが過ぎていくことを感じている人も多いのではないでしょうか。そろそろ、自分が流れの主体であることを取り戻すタイミングかもしれません。
それには、自身の何かが変わることが求められます。
さて先月、私が関わっているカラーで内側からケアするオーラソーマ(R)のイギリスのシニア・ティーチャーをお迎えし、カウンセリングスキルの講座を行いました。そこでその講師が、カウンセリングで私たちは「探偵や助産師になる」とおっしゃっていたのです。
オーラソーマは、セラピーの要素を持っていますが、治療行為と区別するため、セラピーとは呼んでいません。でも、カウンセリング、セラピーという視点では同じです。
私がよく聞かれるのは、「人の悩みや愚痴ばかり聞いて、いやにならない?ストレスになるでしょう。」という問い。おっしゃる意図はわかりますが、少なくても私は、一度もそんなことを感じたことはありません。
なぜなら、ご相談を聴く時、「悩み」でも「愚痴」でも、友達の話を聞くようには聞いていないからです。
聴くときには共感はもちろんですが、捉えるのは、どうしてその方は、そのように悩む状態になったのか、愚痴っているなら、どうだったら愚痴らないで済むのか…?など。
その時、探偵のように、聴くことを通して、その方の背後にあるものを探しているのです。それは、解決のためだけではなく、その人がそんな状況にならざるを得なかった必然性まで、理解したいからです。
その際、理解を助けるツールに、オーラソーマの場合なら、ご自身が選んだ色があります。自分で選んだ色は、その人の内面の反映ですから。
フラワーフォトセラピーの場合なら、その状況に至った内側の感情が何なのかをストレートに表現してくれる花の写真を使えるので、その方がそうなった状況を速く理解し、さらに解放まで進みます。
探偵のようになってする「理解」とは、実はその方への思いやりであり、愛なのです。
だって、この世界に自分のことをわかってくれる人がいれば、それほど心の支えとなるものはありません。
自分のことをわかってもらえただけで、「癒された」と感じる人は少なくありません。
でも「癒される」ことが当面の目的なら、それでセラピーは完了なのでしょうか。
実はここで「助産師」が登場となるのです。
セラピストは、その方自身で「産み出す」ことを助けるのです。産み出すのは、何でしょうか?
それは「ご自身の答え」なのです。
例えば、よくあるお悩みに「自分はこれからの仕事をどうすればいいのか、選択肢が2つ以上あって迷っている」とします。会社員として、このままやっていくのか、自分がこれまでにやりたいと思ったことのため、退職するのか。
その時、人から「こっちがいいから、こっちにしなさい」と指示をされて選ぶのと、
悩みぬいて苦しんでも自分で答えを出した答えで選ぶのと、どちらが自分自身に嘘がないものでしょう。
答えは明らかですね。
だから、セラピストは「助産師」。
色の場合は、色にその人の答えを見つける可能性があります。セラピストは、質問をなげかけたりしながら、その人が自分で答えを生み出すのを待ちます。
フラワーフォトセラピーの場合なら、その人の真の答えを導くのを妨げている感情を写真で明らかにし、その解放を行うことで、その答えが自然に起こってくることを待ちます。
そうして得たのは、世間常識や親の期待などにとらわれていない、自分の望む真の答え。
人の変化の要素は、3つあると2014年6月の「紫の声を聴く」のコラムで書きました。
1つはライフサイクルに伴う変化、2つ目は さなぎが蝶に生まれかわるような変化、3つ目は、今までの囚われていた思考や信念を破壊して、自由になる変化です。
それがどの変化であれ、自分を変えるというのは、けっこう骨の折れる作業。ましてや最初に書いた「流れ」を取り戻すこと、これは、自分が主役となる人生の流れを取り戻すことです。
おそらく何をどう変えたらいいのかも気付けにくい。だから、セラピストは、寄り添ってその方の変化を促進する触媒。
そこに化学反応が起こせれば、人は自ずと変われるのですから。
*お花はつる性のクレマチスの一種。つるは、何かにつかまらないと自立できません。でも、支え手は、つかまれるものとは限りません。側にいてくれるだけでもいいのかもしれません。淡い紫はさなぎから蝶に生まれ変わる変容のイメージです。