本当にやりたいこと、ハッピーキャリアを見つけるヒント3つ |
自分関係®改善カウンセラー(臨床心理士)ストレスフリーアドバイザーの髙橋雅美です。
A子さんのプロジェクトは、無事Webサイトの立ちあげも終わり、順調に進んでいるようです。A子さんは今回、リーダーとして関わることにより、責任のある仕事を任されました。最初は戸惑っていましたが、様々な経験とチームメンバーとのコミュニケーションにより、次第にリーダーシップを発揮し始めました。
今日のカウンセリングでは、A子さんは何を語るのでしょうか。
A子さん:お蔭様でプロジェクトも順調で、今振り返ってみると、自分はリーダーに抜擢されたお蔭でいろんな経験をさせてもらいました。最初は自信もなく、ストレスばかりが感じられたんですけど、今は本当に貴重な体験だったと感謝しています。少しずつ自信もついてきました。
それで、これからはもっと責任ある仕事に就けるようキャリアのことをあらためて考えてみたいと思うようになったんです。
カウンセラー(以下Co):そうなんですね。自信もついて、もっとキャリアアップしようと考えているのですね。
A子さん:はい、そうなんです。それで今、自分がどんなことをやりたいのか?って考え始めています。ですが、いざ、何がやりたいのか、自分はどんなことが得意なのかって考えていくと、どうもモヤモヤしてはっきりしないんですよね。
Co:なるほどね。では、逆にやりたくないことはどんなこと?そんな風に考えみるのも手ですよ。例えば、好きな食べ物は?と聞かれるとたくさん浮かんできて迷ってしまうけど、嫌いな食べ物は?と聞かれると、案外、「これっ!」というのがすぐに浮かんでくるようにね。
A子さん:あ~、言われてみればそうですね。私の場合は、何かコツコツと数字に関わることが苦手という意識があるから、それが答えかな。ということは、アイディアを出したり、企画を作ったりするのが好きなのかもしれないです。
Co:そうそう、その調子ですよね。では、その仕事をどんな環境で、どんな仲間とやるのが理想なのかしら。今のA子さんが置かれている立場というのを一度取り払って、理想像から考えてみるんです。どんな人とどんなところで、どんな仕事をしていたいのか?ってね。
A子さん:え、今の立場を一旦脇に置いておくんですね。
Co: それってとても重要なんですよ。というのは、A子さんが今置かれている立場、会社だったり、仕事内容だったり、上司や同僚だったりを思い浮かべて考えると、結局はその延長線上でしか自分のキャリアが見えてこなかったり、考えられなかったりするんですよね。でも本当にそれで良いの?ってことです。
今後はキャリアを変えてみたり、職場を変えてみる選択肢もあるんですよね。だったら、延長線上ではなく、様々な選択肢があることを前提に考えてみるんです。その場合は、今の立場ではなく、もっと未来目線で考えてみるんです。
面白い方法をお伝えしますね。今、貴女が座っている椅子があるとしましょう。その椅子から立ち上がって、少し離れたところに別の椅子を置いてみて。その椅子は未来の貴女が座っている椅子。そこではどんな景色が見えるかしら?って考えみるんです。
A子さん:それ、面白そうですね。やってみようと思います。
Co:最後に、その椅子に座ってみて、今あなたが座っていた椅子に貴女がいると想像して、その貴女に向かって語りかけてみて下さい。「ここまで来るために、今何ができる?」って。
A子さん:なるほど、そして今の自分が何ができるかという「行動」を考えてみるってことですね。そしてそれを文字通り、今日から実行するっていうこと。
Co:そうそう、その調子です。A子さん、初めてカウンセリングルームに来た時とは表情が全く違いますね。自信と希望に溢れている感じですよ。
A子さん:そうですか、嬉しいです。カウンセリングも今回でいったん終了にしようと思ってきました。何だかプロジェクトリーダーとしての任務を全うするというひと山越えたので。もう次の山が見えてきたけど、その課題はまず自分でいろいろとやってみようと思います。
<A子さんの気づき>
- やりたいことがわからない時は、やりたくないことから考えてみる。
- 今の延長ではなく、理想から考えてみる。どんな人、場所、仕事が理想?
- では、その理想に向かって今日から出来ることは何?と自問自答してみる。
筆者より一言:
1年に渡り続けてきたA子さんの成長ストーリー、いかがでしたか。「しなやかに、したたかに、幸せに仕事しよう!」は今回で終了となります。長い間お読みいただき有難うございました。これまでのコラムの中で、何かひとつでも皆さんが日常に取り入れて実践してくださったら嬉しいです。