自分らしい「リーダー」のあり方。得意技を活かそう。 |
自分関係®改善カウンセラー(臨床心理士)ストレスフリーアドバイザーの髙橋雅美です。
最近、組織におけるリーダーとは、「課長とその部下」のように権限がはっきりしている上司がリーダーとなる構造ではなく、あるプロジェクトを成功させるために様々な部署からメンバーが集められ、その中にプロジェクトリーダーが存在するという構造に変わってきています。実際、A子さんは、そのようなプロジェクトリーダーです。
A子さん:仕事にもだいぶ慣れてきたのですが、自分はメンバーを引っ張っていく「強いリーダー」にはなれないとわかってきました。メンバーは年齢や経験もバラバラですし、何より、このプロジェクトに対するメンバーの想いが様々なので、ゴールを共有してチームとして成果をあげるためには、私がしっかりしないといけないと思ってはいるんですけど。
カウンセラー(以下Co):強いリーダーになりたいけど、なれないと悩んでいるのですね。
A子さん:チームをまとめるためにも、私自身がもっと前に出なければと思うのですが、心理的な抵抗があるんです。出る杭は打たれると思っているというか、積極的になれない。それに以前、とても厳しい上司のもとで働いたことがあるのですが、なんか萎縮してしまっていつも緊張していたんです。ちょっと父に似ていたのかもしれません。
Co: 強くて厳しいリーダーになることに心理的抵抗があるんですね。
A子さん:私はどちらかというと、縁の下の力持ちではないけど、メンバーの能力が活かせるに環境を調整したり、やる気がおきるようサポートしたり、そんな方が得意みたいです。
Co: ならば、その「得意な方」でA子さんらしい「リーダー」になればいいのではないですか?
A子さん:そうすると今度は、メンバーに「なめられるんではないか?」って考えてしまうんですよね。結局、私はまわりの目を気にしすぎているみたいです。
Co: 「リーダーは強くなければならない、そしてなめられてはいけない」という考えが強くあるようですね。でもそれは「自分らしくない」ことにも気が付いている。さらに実際そのような上司のもとで働いていた時、自分は常に緊張して萎縮していたと・・・
A子さん:あ、そうですね。リーダーの理想像がありながら、それが辛い部下がいるということも身を持って体験している。ならば、やはり力を抜いて、自分らしいやり方を貫いた方が良いですよね。メンバーがその気になって頑張ってもらえるようフォローするのが自分スタイルかもしれません。
Co: まさに「育む」っていうスタイルですね。子育て真っ最中のA子さんですから、プライベートでもあなたの良さは活かせそうですね。
A子さん: 子どもだけてなく夫にもね。実はうちの夫はとても器用な人で、特にアイロンがけが上手なんですよ。夫が進んでアイロンがけをやってくれるように、その気になってもらえるようフォローしていきます。そうやって得意なところで助け合うとお互い気分が良いですよね。
<A子さんの気づき>
①まわりの目を気にしすぎていると「自分らしさ」を失ってしまうこともある
②「○○であるべき」という考えを手放して「自分らしく」やってみる
③自分の得意なスタイルは仕事場だけてなく、家庭内でも活かしてみよう