「べき」思考を手放そう |
こんにちは。自分関係®改善カウンセラー(臨床心理士)の髙橋雅美です。
何か出来事が起きた時に、瞬間的に思い浮かぶ考えのことを「自動思考」と言います。
マイナスの自動思考を持っている方は、「自分は何か相手に悪いことをしただろうか?」「どうせ自分は何をやってもダメなんだ」「なんで私ばかりいつも貧乏くじを引くのか?」と思考が出てきて、不安や落ち込み、怒りなどの感情に囚われてしまいます。
例えば上司から、新しい仕事を任されたとします。「なんでいつも自分にばかり押し付けるのか?」と感じますか。それとも、「また仕事を任された。私は期待されているんだ。」と希望を持ちますか?この場合は上司とあなたの関係性も影響しますが、あなたはどちらのタイプでしょうね。
何か出来事が起きた時、瞬間的にどんなココロの声が聞こえてきますか。少し意識して生活していると、あなたの考え方のクセに気づけるようになります。
さて、その考え方のクセのひとつに「べき」思考があります。
男は○○すべき。
女は○○であるべき。
母親なら○○でなければならない。
部下は○○するのが当然だ。
そんな考え方のことですね。
この「べき」思考を持っている方は、人間関係でも苦労が多いとも言えます。相手に「こうあるべき」を常に、しかも無意識に求めてしまって、相手がその通りに発言したり、行動しないと、「課長なんだから○○であるべき」や、物事に対して「この問題は、こう進むべき」なのに、どうしてそうではないのか?とイライラや怒りを募らせることになるからです。
相手に期待しているからとはいえ、相手は思う通りにならないのです。結局は、この「すべき」思考であなた自身ががんじがらめになり、振り回され、苦しくなってしまうのです。
ただ、このすべき思考を持っている本人は、幼少時の頃から、「あなたはお兄ちゃんなんだからしっかりしなさい」「女の子らしくしなさい」などと枠の中にいないと親から厳しく言われ、認めてもらえなかったという経験をしている方も少なくありません。
そして枠の中にいると、まわりから可愛がられたり、愛されたり、認められたというのであれば、そうせざるを得なかったわけです。
ですが、この考え方をすることで苦しくなったり、相手にイライラしてしまうということであれば、やはり手放していきましょう。
その際には、まず、「私は○○であるべきと思うが、そうでないこともある。」とか、相手に対して「○○して欲しいと思うが、それは相手の自由であり、私はそれを認める。」とか、物事に対しても「○○であるべきとは限らない」などとココロの中で言ってみるのがよいでしょう。
あるいは、自分がどんな「べき思考」を持っているのか、一度書き出してみるのも良いと思います。それを知っていると、自分がどんな思考がもとで怒っているのかわかるようにもなります。
「べき思考」を持っている人は、まず、自分がそういう思考のクセを持っていることに気づくこと、次にその思考で苦しんでいることを認めること、最後にその思考を手放すための行動をしていくことを決意する、ところからはじめましょう。
「べき思考」を手放すことで最も解放されるのはあなた自身なのです。