怒りを上手にコントロールする方法 |
こんにちは。自分関係®改善カウンセラー(臨床心理士)の髙橋雅美です。
今回は、最もエネルギーを消耗する「怒り」をコントロールする方法についてお伝えしたいと思います。
Aさんは、普段から職場で怒りっぽく、まわりから怖がられているのだそうです。部下はAさんの顔色を見るようになり、上司も煙たがっているとう状況でした。
時たま上司に対しても、「どういうつもりなんですか?」と、怒りを露わにしてしまうAさん。やる気があって真面目なのに結局、嫌がられ孤独になり、仕事に支障をきたしているのです。
Aさんの悩みは、どうしたら怒らないで冷静にいられるかということ。話をうかがうと、どうも気に食わないことがあると、すぐにキレてしまうタイプのようです。感情が暴走してしまうのですね。
Aさんには、まず、カッとなった時に、怒らずに、ゆっくりと6秒カウントすること、そして深呼吸をすることをお伝えしました。戦闘態勢に入ったココロとカラダを冷静に戻すためですね。
また、Aさんがどんなことにカッとなってしまうのか尋ねたところ、この仕事はこうあるべきと思っているのに、同僚や部下がその通りにやってくれないのが原因だとおっしゃいます。
これはAさんの勝手な思い込みですね。Aさんの「こうあるべき」が、職場で共有され理解されているのであれば問題ありませんが、Aさんが皆それぞれ違う価値観を持っていることを理解する必要がありますね。
その上で、同僚・部下に伝える時は、前回のコラムでもお伝えしたように、「私」を主語にして、「お願い」の形にするのがお勧めです。そしてこの時、感情を伝えたいのならば、怒りの前に感じた感情、これを一次感情といいますが、悲しい、残念、不安、つらい、苦しい、嫌だ、などの気持ちを伝えるようにしましょう。
Aさんの場合は、部下が思い通りにしてくれなかったことで、残念な気持ちになったのではないでしょうか?だとしたら、「私はあなたに○○をやって欲しかったので、残念な気持ちです。自分は、この仕事は○○にするのがよいと思っています。だからあなたにはここを直してもらいたい。お願いできますか。」という感じです。
Aさんが得たい結果は、部下に直してもらうこと。その結果が得られればいい、と考えるわけです。
怒って相手を従わせるにはかなりのエネルギーが必要で、しかも疎まれてしまいます。怒るより「お願い上手」になりましょう。
一方Bさんは、Aさんのようにキレやすい性格ではありません。逆に怒りを上手に表すのが苦手な方です。Bさんの悩みは、一度感じた「怒り」がぶり返すということです。
全くあの時は頭にきた!あれはひどい!!と繰り返し感情がココロの中をグルグルとまわってしまうのです。こういう場合は、相手に直接言うという選択肢もありますが、そうできない、あるいはそうしないと選択した場合は、この怒りを成仏させないと何度も苦しむことになるのです。
そんな時は、目の前にその相手がいると思って、怒りや一次感情の悲しい、残念だ、傷ついてしまった、という気持ちを口に出して伝えるのです。何度も何度もです。
怒りをココロの中で閉じ込めてしまうと、自分が苦しくなります。いつか爆発してしまうかもしれません。「あなたのためを思って言うんだよ」と言って、傷つくことを言う人もいますよね。
もしこのような言葉を言われたのだとしたら、でもあの人は自分のためを思って言ってくれたんだ、優しい良い人なんだ・・・と思う必要は全くありません。
相手に悪気はなくても傷ついた自分がいた、ことを認める儀式なので、相手への配慮は必要ないのです。思い切り自分目線で自分の味方をしていいのです。そんなことを繰り返していると、怒りもだんだん収まってきます。
怒りは大きなエネルギーを消耗します。上手につきあい、上手に 表現してあげましょう。