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■ ADV(アドボカシー)な人々 #05


GEM Partners株式会社 梅津 文「いまのきもち」 vol.2

片岡氏: 映画ってどうしても一作一作が基本は単発で「作品性」が強いじゃないですか。テレビだと良くも悪くも視聴率があるから、まだ毎週放送すれば、視聴率が上がったの下がったのって時系列での比較もできるし、同時間帯の裏番組との比較もできます。映画って作品性が強いだけに、何かの基準が欲しかったということが潜在的にあったんでしょうね。

梅津氏: ええ。認知度と意欲度という指標は元々あったんですけど二つ加えました。一つはテレビの露出量。各出向主は代理店を通じて判るんですが、すべての作品がどのぐらい出稿してるかという指標。邦画はキャストさんがテレビに出るので露出を稼げるのですが、洋画はそういうわけにいかない。じゃどのぐらい差があるのかって、実はわからないのです。個別の作品ではなんとなくは判りますが、全体について分析することができなかったのです。

うちはビデオリサーチさんと契約しているわけではないので、実際の性格の数字は判りませんが、すべてのデータを統一の基準で処理することによって、指標化することはできるんです。例えばテレビCM出稿がメインの洋画ハリウッドメジャーさんが、なんで認知度がこんなに上がらないのかと悩むとすると、それは日本のマーケティング市場がこういう形になっているからということが初めて説明できるんです。

もう一つは劇場予告編ですね。劇場予告編はヘビーユーザーにとってすごくいい媒体で、やっぱり映画が一番魅力的に見えるクリエイティブ素材なんですが、どの位の人が見ているのか誰も判っていなかったんです。そこをなんとかできないかということで、映画館に来た方に何の予告編を見たかという「予告編到達度」という指標を計っています。

片岡氏: ペネトレーション(浸透率)のことですか?事前の宣伝クリエイティブの。
梅津氏: そうです。また、例えば浸透している層は男性が多めだったと想定できても、6:4の話なのか9:1の話なのかって、かなり違うと思うんです。そういった具体的なところを増やしていって、知りたかったことがより判るようになるのです。

谷本氏: そういった指標は、梅津さんの会社だけが特別に計算することができるのですか?それとも他の会社がマネして計算できてしまったりするものなのですか?

梅津氏: 基本的にアンケートをベースにしますから同じリサーチをすれば他社でもできます。でも何と比較して分析するかは、映画ビジネスに携わっていないとできませんから、参入障壁はそれなりにあると思っています。

弊社は過去の履歴があることが強みですが、参入し始めた頃は、過去の履歴がある他社がいましたので、「昔が判ってもしょうがない。それよりも今がクリアに判ることのほうが大事ですよね」ってセールストークしていましたけど(笑)。弊社も7年目を迎える段階になって、より多くの指標について蓄積ができました。

片岡氏: 「過去のパターンがこうだ!」と言われてもね(笑) 御社の旬の映画に関するコラム読むとやっぱり面白いですもんね。一番ささったのが山田洋次監督の『小さいおうち』。僕の母親がちょうど60代半ばの団塊の世代なんですが、先週実家に帰ると、めったに映画館に行かない母親が見に行ったって言うんですよ。『東京家族』を見たわけでもないし、他の山田洋次監督の作品も見たことないのに。僕も初日に見に行ったので、珍しく母と話が合うんですよね(笑)。なんで母親があの映画を見たんだろうって判らなかったのが、御社のコラム読んで「あぁやっぱり」と納得しました。「うちの母親が特別なのではなく、一般的な傾向としてそうなんだ。」って。
梅津氏: 数字は正直で楽しいですよね。

片岡氏: 昔から数字的に考える思考だったんですか?マッキンゼーにいらっしゃったぐらいだから、論理的というか。

梅津氏: 算数はそんな得意じゃなかったですね(笑)。どっちかというと国語の方が好きでしたから。もともと理系頭ということではないです。ただ、インフラというかベースになるものを作りたい意識は強かったですね。私が頑張ることによって価値を生み出せるテーマが、マーケティングレポートだったということだと思います。

片岡氏: たぶん100回ぐらい聞かれていると思うんですけど、東大出て警察庁に入られていますよね。東大出て役人になられる人は多くいらっしゃいますが、僕は、財務省と総務省(旧自治省)と警察庁の3つは、僕にはズバ抜けてすごいイメージがあるんです。特に警察庁に入る女性キャリアなんて僕の周りにはほぼいない(笑)。またそこを辞めてロースクール行かれて。どうしてそうなったのか。今テレビで警察庁キャリアのドラマやってるじゃないですか。あんなの見てると、みんな絶対に辞めないじゃないですか (笑)。

梅津氏: 普通は辞めないですね(笑)。人生2回あったら最後までやったかもしれませんね。素晴らしい人に囲まれて貴重な体験をたくさん出来ましたし、世の中にとって間違いなく必要不可欠なインフラです。実は最初から警察官になりたいと思っていたわけではないです。たまたま大学の先輩の人集めに駆り出されて警察の説明会に行ったんです。先輩に言われたらやっぱり一応行くんですよ(笑)。

片岡氏: お付き合いですね(笑)
梅津氏: ええ。そんなきっかけで面接を受けることになり、当時国際的な業務を強化したいという採用側の意図があり、そんな仕事ができるのはおもしろいなと思ったんです。私は帰国子女ですし、そんなチャンスにはとても興味がありました。警察庁にはインターポールのようなポストも一応あるので、それは面白いかなと思って。

警察も人がすべてなところがありますからすごい教育するんですね。1、2年目はすごく苦労しました。そして警察からアメリカのロースクールに留学させて頂きました。なんかすごくワタワタした時から「ふっ」と解放された感がありました。その頃マッキンゼーの採用担当の人に出会って「あ、これヤバいわ・・」って。

片岡氏: ヤバい?(笑)

梅津氏: いやーなんか。それまで私、父も霞が関で役人をしていましたし、私もそういう道を進んで、周りもそれが普通だと思ってたんですけど。

片岡氏: お友達もそうですよね。

梅津氏: 一生懸命真面目に生きて働くということはイコール不自由な生き方を意味するイメージが私の中にはありました。働くというのはそういうものであると。

片岡氏: 二択みたいな。


 


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