2016年は将棋ブーム到来!! |
新年あけましておめでとうございます。将棋女流棋士の北尾まどかです。
こちらのコラムでは将棋の楽しさ、将棋から学んだこと、将棋を通じて見た世界を、皆様にお届けしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
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将棋界の1年は、1月5日の指し初め式から始まります。
東京・千駄ヶ谷の鳩森神社にある「将棋堂」で祈願祭を行った後、対局室にて「指し初め」を行います。プロ棋士や棋界関係者が挨拶をしながら一手ずつ交代して一局を指し継ぐ年始恒例の儀式です。
谷川浩司会長の前に座った少年が緊張しながら初手を指した瞬間。その積極的な指し手に前に並んだトップ棋士をはじめ、参列した皆さんが笑顔になりました。
今年は将棋に関する話題が豊富です。
実在したプロ棋士の生涯を描いたノンフィクション小説『聖の青春』の映画化。女性に人気の将棋マンガ『3月のライオン』がテレビアニメ化&実写映画化されるとのことで注目を集めています。ニュースで将棋関連の出来事が取り上げられることも多く、これからさらに盛り上がっていくことでしょう。
女性の読者の皆さんは「将棋」の存在は知っていても、実際に駒を手にしたことのない方が多いのではないでしょうか。
これまでのイメージだと、お年寄りが将棋盤の前で気難しい顔で考えこんでいるとか、小学校で男の子が休み時間に友達同士で遊んでいる光景が浮かぶかもしれません。
しかし最近は、プロ棋士の応援をするためにイベントに参加したり、習い事として将棋レッスンに通う女性将棋ファン/プレイヤーが急増中です。
では、将棋を始めるにはどうしたら?
敷居が高そうに思われがちな将棋ですが、実は手軽にできる趣味です。
いまはアプリでルールを覚えたり、コンピューターで練習対局をしたり、webサイトで情報を集めたり、世界を繋ぐ対戦サイトもあります。日本の伝統文化である将棋ですが、ゲームとして見るとインターネットとの相性がとても良いのです。
そして実際に対局を始めると、どんどん世界が広がっていきます。
盤を挟めば誰とでも対等。年齢や性別も関係なく、普段仕事では出合わないような人と、交流することができます。「棋は対話なり」と言って、将棋では自分の指したい手を指して主張を通すだけではなく、相手の考えを読んでそれに対応することが重要ですから、コミュニケーション力も鍛えられます。
強くなろうとすればそれなりの勉強が必要ですが、運の要素が入らない勝負なので、努力すればしっかり結果が返ってくるのが嬉しいところ。それが自信になり、励みとなります。
将棋は思考力や集中力だけでなく、気持ちのコントロールも大事です。私は高校生の頃に将棋をはじめ、今年でちょうど20年。将棋から本当に多くのことを学んできました。いまはプロの女流棋士として公式戦に出場しながら、「将棋をもっと世界に広めたい!!」という思いで設立した会社の代表を務めています。経営にも、人生にも、いたるところで将棋での経験が活きていると感じる日々。将棋の魅力や効能を皆さんにぜひお伝えしたいです。
次回もお楽しみに!!