やる気のないメンバーには、環境を整えてサポートする |
自分関係®改善カウンセラー(臨床心理士)ストレスフリーアドバイザーの髙橋雅美です。
プロジェクトリーダーを任されたA子さん、すでに5か月が経とうとしています。
A子さん:つい先日、プロジェクトの進捗状況について社内プレゼンがあったんです。担当役員も出席している中でのプレゼンで、今回は中間報告でしたが、大筋で承認を得ることができたんですね。なので、今までの市場調査中心から、アクションプランへ移行するという新しい段階に入ってきました。
そんな中で、ひと段落ついてしまったのか、どうにもやる気が見られないチームメンバーがいるんです。彼は私より年上のベテラン社員で、これまでも私の右腕のように様々なサポートをしてくれていたんですけど、どうしたんでしょうか?急にやる気がない態度に困っているんです。
カウンセラー(以下Co):まずは、中間報告が無事に終わって良かったですね。そして次の課題が、右腕でもあったベテラン社員がやる気がなくて困っているというわけですね。A子さんの役割は、リーダーとしてメンバーが働きやすい環境を整えることですよね。であれば、彼の何がやる気を損なわせているのか、「傾聴」してみたらどうですか?
A子さん:実はプレゼン終了後に少し話をする時間があったんです。それでわかったのは、今回のプレゼンに気合いが入っていたようで、やや燃え尽きてしまったようなんですよね。やる気の出る「環境」って具体的にどんなことでしょうか?
Co:そんな難しく考えることはないと思いますよ。例えば、中間報告が終わった後、チームで打ち上げすることなどもそうですよね。頑張ってきたことをそれぞれが認め合う、讃えあう良い機会になりますしね。特にA子さんから、彼への労いは大切ですね。
A子さん:なるほど、チーム内のムード作り。まさに環境調整ですね。それから相手への感謝を伝えるってことですね。
Co: そうですね。感謝など相手に対するポジティブな声かけを積極的に行うことは大切ですね。仕事を頑張るのは当たり前でしょう?という態度ではなく、相手が頑張ったことを積極的に褒める、認めるということですね。
それから、このチームが今後、どんなことを行っていくのか、最終のゴールをはっきりさせて、チーム内で共有する必要がありますよね。特に彼のようなポジションの方には、きちんと伝えておきましょう。
そしてチームで求められる彼の役割についても、話し合って明確にしておくのがよいですね。話し合いでは、A子さんはできるだけ聞き役に徹して、相手が自らの役割、やるべきことを話し出したらそれを支持することですね。こちらから依頼したのではなく、あくまでも相手が決めたという形にして、それをサポートするのが良いでしょう。
A子さん:わかりました、やってみます。やる気のでる環境を整える、褒めるなどの声かけを積極的に行う、そして次にやることを相手に決めてもらうってことですよね。息子が宿題をやりたがらない時にも応用できそうです!
<A子さんの気づき>
- やる気が出るように「環境」を整えるのがリーダーの役目
- 相手に対する労い、感謝などポジティブフィードバックを送る
- やるべきことを相手に決めてもらい、それをサポートする