コミュニケーションを考える |
心理&カラー、フラワーフォトセラピストの内藤由貴子です。今月は、コミュニケーションについて考えてみましょう。
言いたいことが言える、断りたいときにノーと言える それが、コミュニケーションの能力と考えている人は多いようです。
だから、言いたいことが言えないし、断りにくい… それでコミュニケーションが苦手と考える人も多いです。
でも、コミュニケーションは、当たり前のことですが、一人では成り立ちません。必ず相手が存在します。
まず、相手に自分の言うことを聞いてもらいます。
そして、いったん自分の話を受けとってくれたあと、次に相手がその話を聞いて、何かを言うでしょう。
それをちゃんと聞くことで、相手が自分の話をどう理解したかがわかります。
そして、自分の表現したことが、相手を通して返ってくるその瞬間、自分が表現したかったことが、別の視点で見えてくる。そんな風に感じたことはありませんか。
「思っていなかった形で、相手に伝わってしまっていた…」
相手が思わぬ反応を示した…、称賛、真逆の視点、矛盾の指摘、同じテーマで自分はこう思う、など
いずれの場合も、自分に返ってきたものについて、また何か応答するでしょう。
そのたびに、自分が表現したいことがより、クリアになってくる。 同時に、そういう反応をする相手の世界がわかってくるようになる
そんな体験をしたことがありませんか?
例えば、こんな会話があります。二人の女性が、次の週末、それぞれ旅行に行くといっています。
A美「私、今度の週末、京都に旅行に行くの」
B子「え!京都。いいわね。あ、でもまだ紅葉には早いような…」
A美「うん、あえて紅葉の混む時期を避けようと思って…」
B子「何か理由がありそうね?」
A美「だって、私は仏像に会いに行くの。紅葉の時期は、混んでいて、仏像とゆっくり語り合うような鑑賞はできないでしょう?」
B子「仏像と語る?! A美にそんな趣味があるとは知らなかった… あ、私もね、語りに行くようなものかな。」
A美「え?あなたは、週末、軽井沢とか言っていなかった?」
B子「うん。軽井沢っていってもね、森を歩くの。するとね、木がささやくの。『忙しすぎない?風の音を聴いてごらんよ』とかね。
それで私は、風の音を聴きながら『ありがとう。今ここにいて、私は生きているんだね』って心の中で対話しているんだ。」
A美「へぇ、意外に詩人なのね。お互いに行く所は違うけど、自分の心の声を聴くってとこかな」
B子「そうね、でも私はやっぱり自然が好き。あなたは、なぜ仏像なの?」
A美「うん、私はね、仏像が長い年月の間、…」
というように互いに自分の世界を語り、互いの世界を理解し、似ている所もあるけれど、違う自分に気づきます。
これが例えば、
A美「今度の週末、京都に行くの」
B子「そうなんだ。私は軽井沢。京都なら、おいしいものでも食べて、楽しんでね。」
A美「え?まぁ…。そういえば軽井沢は、ちょっと涼しいかも。風邪ひかないでね」
なんて会話はありそうですが、お互いに気遣っていそうで、相手の世界の理解に届いていません。
互いの世界を理解するコミュニケーションが、自分の世界もクリアにするということ、イメージができましたか?
前回のコラムでは、「愛とは相互理解ではないか」と書きました。
ここでは、コミュニケーションによって、相互理解が起こっているのです。
つまり、コミュニケーションの本質には、お互いを尊重しあう 愛があるのですね。
お互いの世界を語り知ることが、自分自身も成長できたら、素晴らしいですね。
※ 写真は、ブルーの花をつけたボリジ。互いにささやきあっているように見えます。
色では「のど」についてブルーでとらえることが多く、のどを使って表現するコミュニケーションとブルーを関係づけることが多いのです。さらに、ブルーは受け容れる色。コミュニケーションは、受容が前提です。やっぱりブルーですね。