自分に還る最初のステップ 白の心の声を聴く |
こんにちは。カラー・心理&フラワーフォトセラピストの内藤由貴子です。
少しずつ春を感じています。その感覚を与えてくれる一番大きなもの、
それは、光ではないでしょうか。
今年の冬は、東京でもとりわけ厳しい寒さに辛さを感じる声を多く聞きました。
その寒さも、そろそろ太陽の光にゆるんできました。長い夜から解放されつつあります。
今回のテーマの色は、白。光は、最も強烈な白い輝きです。
虹の7つの光の色は、すべてを合わせると、透明な光になります。
これは、ニュートンが、光から虹をつくった実験で、古くから知られています。
つまり、無色透明な白い光は、すべての色を合わせ持っているといえます。
しかし、どんな色も見えないというパラドックスがそこにあります。
スクール・カラーやコーポレート・カラーというように、カラーは「個性」という意味に使われます。
だから、カラーが見えないというのは、個性、「あなたらしさ」が隠れてしまったことと同じなのです。
雪が積もった時には、何もかも真っ白に覆いつくされてしまいます。真っ白な風景は、それはそれで美しい。
でも、その雪の下に隠れているのは、ごつごつした岩かもしません。どろどろの泥があるのかもしれません。
そんな美しくないものがあるのを見せたくない、という気持ちを覆いつくした雪に例えることができます。
透明な光には、すべての色の光線が均等にあります。それは、完璧さにつながります。
しかし、色が均等だから、色が見えなくなってしまうのです。
一点の染みもない「白」。ずっと真っ白でいたい、またはそう見せたい誘惑が私たちにはあります。
本当は、どんな人も完璧ではいられないと、ほとんどの人は気付いているのです。
しかしなぜか、完璧にもっと近づこうとして近づけず、完璧でない自分を責めます。
その理想像と自分が見る実像とのギャップが、自分を苦しめます。
完璧から降りませんか。
あなたが求める「完璧さ」は、あなたがいつの間にか自分で作ったものではないですか。
ある程度の条件を満たせば、完璧に見えるのかもしれません。
しかし、そんな条件は、あなたが決めたのか、誰かの基準をもとにしたのか、
いずれも絶対的なものではありえないのです。
虹色を全部もっているなら、三原色からそれらの色も生まれます。ですから分解すれば、赤も青も黄色も均等にもっていることにつながります。
自分の能力でも容姿でも、自分の持つものには、イヤと言う(赤)ものの、何を取り入れたらいい(青)のか、結局、自分がどうしたいのかわからない(黄色)。
この3つが同じだけあって一緒になって拮抗しあうと、自分がもっとわからなくなる苦しみが生まれます。
完璧を手放す。
すると均等さが破れ、色が現れ、それがあなたの美しさを見つける第一歩。
怖いですか?
歌手のシンディ・ローパーが、彼女の歌「True Colors」の中で、「怖がらずにあなたの本当の色を見せて」と語りかけていました。そう、私たちは、自分の色を見せるのが怖いのです。
では、どうしたら?
光の中に立ちましょう。光はあなたの中の凍ったように、どうしたいのかがわからなくなった心の奥の気持ちを次第に融かしていくでしょう。
雪融けのこの季節、光は、見えにくかった心の奥まで、光で照らすように温めます。
心の奥に、少し岩が見えたかもしれません。それは痛そうかもしれません。融けた雪で、泥もいっそう、どろどろに見えるかもしれません。
でも、そう感じるのは少しの間。だって、雪の合間から、新たな芽吹きの緑や花の様々な色に出会うはずです。
あなたが自分に、そのこころの雪融けを許しさえすれば、あなたのこころの奥にも芽生える色を見られますよ。
*色のお話を中心に、こころの声を聴く方法を書いてきました。 今回の白を持ちまして、色を中心にしたコラムはいったん一区切りつきました。
次回より、さらに心の奥に踏み込んだコラムを書いてまいります。
引き続き、お読みいただけましたら、うれしいです。
これを読んでくださったあなたにとって、良い春の訪れが来ますように…