子どもは最強の変革屋 |
あなたは、赤ちゃんと室内で2人きり。
さっきまでにこにこごきげんだったのに、なんとその赤ちゃんが突然ギャンギャン泣きはじめ・・・
そんな状況に陥ったら、あなたならどうしますか?
お腹が空いてミルクが欲しいのか?
眠くて泣いているのか?
それともどこか身体の調子が悪いのか?
その子の状態や周りの環境から、何をして欲しいと考えているのか、赤ちゃんの立場に立って考えを巡らすのではないでしょうか?
あらゆる可能性を検討して、
まずは抱っこしてみる⇛泣き止まない⇛おむつを変えてみる⇛泣き止まない・・・
と、トライ・アンド・エラーを試みるのではないでしょうか??
そして・・・抱っこしているうちに腕の中で目をこすりあくびをしはじめる赤ちゃん。
「そっかそっか、眠かったんだねぇ!あぁ、よかった!」
子どもと関わる仕事をしていると、
「大人」が「子ども」を育て、教育をする以上に、
「子ども」から「大人」が学びの機会を与えてもらうことの多さに驚きます。
私が勤めている会社では、大学生向けのインターンプログラムの一環として、
コンサルティングビジネスのサポートに加えて、
託児やシッターで子どもたちのケアを体験してもらっています。
参加する大学生たちは、保育や教育を勉強しているわけではなく、
理工学部、法学など、「子育て」とは全く接点のなかった学生たち。
参加学生の中には、「理系、男子校出身、コミュニケーションは・・・ちょっと苦手?」という学生さんもいました。
そんな理系の彼と会話をすると、なるほど確かに、コミュニケーションはどちらかというと苦手なのかも・・・と思うところもあり、実は正直なところ、赤ちゃんのケアは大丈夫かな?とこっそり心配していました(笑)
でも、実際に子どものケアに一緒に入ってもらうと、その心配は全く不要だということを目の当たりにすることになりました。
自分の考えていることや気持ちを人に伝えることが苦手だった彼が、
まだ言葉をしゃべることができない赤ちゃんと向い合って、
「いないいな~い、ばぁっ!」と、見ているこちらも楽しくなってくるほどノリノリで絵本を読んでいたんです!
そして、一生懸命楽しく絵本を読んでくれるお兄さんに応えて、赤ちゃんも絵本を興味津々に見つめている姿をみて、
あぁ、「子ども」に「大人」が育てられるってこういうことなんだなぁと実感しました。
あの瞬間彼は、自分の殻を破って、ひとつ成長することができたのではないでしょうか。
「育児」ができる人は「仕事」ができる。
そう言い切れるほど、子育ては大人の学びの機会です。
言葉や自分の常識が通じない「相手」の立場を考えた「コミュニケーション力」
ありとあらゆる状況に応じた柔軟でスピード感のある「決断力」
ひとつひとつの選択が「命」に関わるという「責任感」
これらこそ、これからの世の中に必要とされるリーダーシップに通じる能力なのではないでしょうか。
そして、そういった能力は、自分の枠を越えた体験や、目の前のことに本気で取り組んだ結果身についていくものなのではないかなと思います。
「子ども」は大人たちに学びと、成長の機会を与えてくれる最強の「変革屋」です。
「大人の世界」、「子どもの世界」とそれぞれを切り離すのではなく、
もっと色々な世代の大人が子どもと関わる接点を持つことは、
核家族化、少子高齢化が進むこれからの社会に必要なことなのではないでしょうか。
そして、大人も子どももそれぞれがHappyに関わりあう、そんな世の中を創っていきたいなと心から思います!