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関口 暁子 文筆家/エッセイスト doppo 大変なとき、嬉しいとき。ときに支えられ、ときには今以上に輝きを増すことができる。「言葉」というものは不思議な力を秘めています。今、私たちの目の前のステージにいる「あの著名人」も、誰にも知られず努力を重ね、感謝を繰り返し、ここまで生きてきたのです。 彼らがその長い「活躍人生」の中で支えに… |
新しいあなたへ~新シリーズ~「ココロの処方箋」ヘッセの言葉⑪~ |
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読者のみなさま、こんにちは。 今年に入ってから、とても冷え込んだ日が続きましたが、暦の上では春。 節分も終わりました。
日本では、新学期、新年度が4月からとなっています。 1月は年の初め、2月は旧暦で春の始まり、4月から仕事や学校の「期」が変わる…。 少し、気忙しいですね。
4月の新年度に向けて、準備が始まるのが2月です。 学生さんの合格発表であったり、新年度新学期に向けた説明会であったり、 入学入園の準備や説明会があるのもこの季節ですね。 先週のバレンタインデーで、恋に決着がついたかたもいるかもしれません(笑)。
本格的に忙しくなる3月の前に、今回はちょっと概念的なヘッセの言葉をご紹介したいと思います。 あなたがあなたらしく生きるために、迷うこともあるでしょう。 人に尋ね、本に答えを求めることもあるでしょう。 哲学者ゲーテを尊敬し、自らも哲学的な文章を紡いできたヘッセにこんなことを聞いてみたいと思ったことはあるでしょうか。
―真理とは何か。ヘッセはこう答えます。
真理とは何か、神とはどんな人か、若い人はそんなことを知りたがる。 そうして本を読んだり、研究をしたりする。 だがね、誰もそれを教えることはできないし、説明することもできない。 なぜならば、真理にしても、神にしても、それぞれが生身で体験するものだからだ。 (『ガラス玉演戯』)
ヘッセの代表作『シッダールタ』でも、主人公シッダールタにヘッセは同じような言葉を言わせています。 ヘッセだけでなく、偉大なる哲学者ゲーテもじつはこのような「経験主義」の持ち主です。 私がヘッセの文学が好きなことの一つは、ヘッセ自身のこのような思想が物語の中に通底しているからだと思います。
気難し屋のおじいさんという晩年の印象を持つヘッセ。 生身の人間だったら、怖くて近寄れないとは思いますが(笑)、 ヘッセの価値観は、私のそれにとても近いのです。
先日、長男の小学校入学説明会がありました。そこで教頭先生から、こんなお話がでました。 「小学校に上がる前に“○○できていなければいけない” ということはほとんどありません。 けれども学校から保護者のみなさんにお願いがあります。 入学前に、できるだけいろいろなことを自分自身でチャレンジさせてあげてください。 手を出したくなっても辛抱してください。 そして、“できた成果”ではなく“やったこと自体”を褒めてあげてください。 子供たちは、チャレンジしていくことでその喜びを知り、自ら学び、さまざまなことを会得していきます」
この小学校に入学を決めてしまったあとで、じつはずいぶんと悩んでいました。 子供の個性にあっていないのではないか。 もっといろいろな選択肢を考えるべきではなかったのか。
でも、このときの教頭先生の言葉で、「きっとこれでよかったんだ」 と安堵の気持ちが大きくなりました。
じつは、私の好奇心や行動力、そして打たれ強さを支えてきたのは、この考え方でした。 「人生、楽しんだもの勝ち!」 小さいころから、いつも口癖のように周囲にも言ってきました。 海外遊学(留学というにはあまりに不真面目)、海外就職、異業種への転職、若くしての管理職や会社役員へのチャレンジ、そして独立、仕事のオファー。 荷が重そうだと思っても、機会が来たということは、「やりなさい」というメッセージだと受け止め、「どうせやるなら、笑ってやりたい」と様々な波も最後は笑って乗り越えてきました。 そして、感じたことは、「どんなに考えても、行動に勝るものはない」ということ。 得るものも違えば、他者に対する説得力も違います。 対応力、判断力も、頭で考えているだけ、人から聞いただけという状況とは雲泥の差が開きます。
春に向けて、思考を思いめぐらせている方もいらっしゃることでしょう。 まずは一歩、進んでみてください。 あなたが進んで歩いた道に、「あなただけの真理」があります。 |
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