自分の人生の見つけ方~アルケミスト⑪~ |
11月も後半になりました。
つるべ落としに夕暮れが早くなり、街にはクリスマスのディスプレイが彩りを添える季節になりましたね。
残すところ、今年もあと1か月とちょっと。
この間まで、暑い暑いと大騒ぎをしていたのに、朝晩のベッドが恋しい気温になりました。
この1年は、人類にとって、コロナ禍に右往左往し、まだ翻弄され続けている混乱の年だったと言えるでしょう。
そして同時に、人間のチカラの小ささ、人間が文明と呼んでいるものの非力さを感じた人も多かったのではないでしょうか。
人は、未曽有の状況を恐れます。
人は、経験のないことをすることに、二の足を踏みます。
人は、前例を踏襲する方が楽だと、変化を恐れます。
そんなとき、人が寄る辺とするものは何か。
今回は、錬金術師と会話を交わしたのち、
サンチャゴが自分自身の心と対話する場面から、
この時代を生き抜く私たちに必要な「チカラ」とは何かを
読者のみなさんとともに、考えていきたいと思います。
サンチャゴと、彼の「心」、そして錬金術師との対話には、素晴らしい含蓄がふんだんにちりばめられています。
今回は、引用文が多いですが、ぜひ読んでいただきながら、
みなさん自身の心と向き合っていただけたらと思います。
「自分の心と向き合え」と錬金術師に言われたサンチャゴ。
しかし、サンチャゴには迷いがありました。サンチャゴは錬金術師にこう訴えます。
「僕の心は裏切り者です」
それはつまり、「心は僕に旅をつつけてほしくない」と彼が感じていたからです。
しかし、錬金術師は驚きません。「それはそうだ」と答えます。
それなのに、どうして自分の心と向き合わなければならないのかと
少年はさらに錬金術師に尋ねます。
「夢を追求してゆくと、おまえが今までに得たものをすべて失うかもしれないと、心は恐れているのだ」
人は大人になるにつれ、手にしたものを失うものが怖い生き物です。
仕事にしろ、名誉にしろ、お金にしろ、モノにしろ、人脈にしろ。
せっかく得たのに、まだ未知の可能性という、確信のないもののために
それを失うことが、怖くて仕方がないのです。
そしてもし失えば、心が傷つくことを何よりも恐れます。
しかし、そんな不安を抱くサンチャゴに、錬金術師はこう諭します。
「傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、
おまえの心に言ってやるがよい。
夢を追求している時は、心は決して傷つかない。
それは追求の一瞬一瞬が神との出会いであり、永遠との出会いだからだ」
サンチャゴは、錬金術師の言葉に、気づきを得ます。
「僕が真剣に自分の宝物を探している時、毎日が輝いている。
それは、一瞬一瞬が宝物を見つけるという夢の一部だと知っているからだ。
本気で宝物を探している時には、僕はその途中でたくさんのものを発見した。
それは、羊飼いには不可能だと思えることに挑戦する勇気がなかったならば、決して発見することができなかったものだった」
羊飼いだったサンチャゴには、「どうせ自分には無理だ」という気持ちを捨てる勇気がありました。
だからこそ、いまこの瞬間に、彼は錬金術師と旅をし、さらに夢に向かって輝きながら一歩一歩を進めているのです。
あなたには、「どうせ自分には無理だ」という思い込みがありませんか?
やっても駄目だと思ったときに、あなたの人生には「やってもダメ」な人生が舞い降りてしまうのです。それは、あなたが望んだとおりの道筋にほかなりません。
自分の限界は自分で作っている。
そんな言葉を聞いた読者の方は多いのではないでしょうか。
そんなことは信じられない!というあなたのために、
サンチャゴの「心」が話した言葉をお伝えしましょう。
「地球上のすべての人にはその人を待っている宝物があります」
しかし、そのことを心は黙っていると言います。心の宝物について話をするのは子供たちにだけだ、と。
そして、ほとんどの人は自らの運命と幸せへの道を歩もうとしないのだとも。
なぜならば、こう説明します。
「ほとんどの人は、世界を怖ろしい場所だと思っています。そしてそう思うことによって、世界は本当に恐ろしい場所に変わってしまうのです」
夢のために、変化を恐れない勇気。
それこそが、あなた自身の世界、人生を輝かしいものにするための、最初の一歩であり、最後の手綱でもある―
サンチャゴの「心」が、そう語っているように、私には聞こえました。
さて、あなたの心は、あなたにどんな言葉を囁くでしょうか。
夢に邁進しているとき、毎日が輝いている。
そうサンチャゴが実感したことを、あなたの人生にも舞い降りますように。
今年もあと一ヶ月!
唯一無二のあなたを待つ、あなただけの宝物を手にするために、
後悔のない、素敵な旅の続きを!
Schoenes Leben & schoene Reise noch!