自分に還る最初のステップ オレンジ色のこころの声を聴く |
こんにちは。心理・カラー&フラワーフォトセラピストの内藤由貴子です。
梅雨が明ければ、真夏の太陽に、オレンジの色はよく似合います。
このオレンジの色は、何より、ビタミンカラーのように元気をくれそうですね。
忘れもしない2011年の東日本大震災のあと、買い物も自粛の空気の中とはいえ、お店に並ぶファッションにオレンジ色に目が行ったのを思いだします。他にも、ターコイズなどの好きな色があったのですが、私が手に取ったのはオレンジ色。その年の春は、私だけではなく結構オレンジが目につきました。流行色にも入っていたのかもしれませんが、目が元気をくれる色に向かわせたのかもしれません。
さらにオレンジは「絆」とも関連します。なぜならオレンジは、人とつながる社交性をうながす色なのです。
日本全体の気持ちが落ちていた中で、あなたは一人ではないと励まし、気持ちを上げてくれる色として、オレンジは働いてくれたのでしょう。
それくらいパワフルな色なのです。
さて、オレンジ色は、どのようなところで見るでしょうか。
たとえば、日没。オレンジ色に空が染まり、太陽が空にあったことを忘れないで…と言わんばかりの強烈な印象を残しながら、太陽は地平線に沈みます。自然の流れの中で、一日の終わりに太陽は手放されるのです。
また、秋の実り。たとえば柿の実は、秋にオレンジに色づいた後、木から離れます。そして木から放たれるからこそ、種が地に落ち、新しい木の命を生みます。また、実が離れたからこそ、柿の木は、翌年、春が来て、葉を茂らせることができ、花をつけ、実を結び、種を作れます。
オレンジの衣をまとった僧侶を見かけたことはありませんか。あのオレンジも手放した象徴なのです。仏門に入る以上、その僧は、世俗のものを手放さなければなりません。家族やそれまでの仕事、財産や地位なども。
オレンジの正反対になる補色は、青。この青には、取り入れる性質があり、さらに取りいれたものにしがみつく傾向があります。反対のオレンジは、しがみつかず、手放すことを教えてくれるのは、興味深いですね。
一方で、オレンジリボンをご存じでしょうか。乳がんの啓発キャンペーンは、ピンクリボンですが、あれと同じ形で、オレンジリボンのマークがあります。これは、子供の虐待防止運動の象徴として使われています。
さらに心臓に電気ショックを与えるAEDという心室除細動器にも、オレンジ色が使われています。
オレンジ色は、レスキュー的な、救命的な意味のものにも使われているのですね。
ちょっと色を分解すると、オレンジ色には、赤が1/2、黄色が1/2になります。
赤のことを思いだしてください。赤は、こんな状況、全部イヤ!と押し返す色です。
1/16赤のこころの声を聴く参照
そして、黄色は「私、どうしていいかわからない!」と思って混乱している状態です。
3/20 黄色のこころの声を聴く参照
これでは、かなり大変な状態、自分がバラバラになるほどの感じとお察しいただけると思います。
レスキューが必要だったり、虐待ならずともこころに傷を負ってトラウマになるような時、オレンジくらい、パワフルで明るさを与える色でないと、私たちはバランスを取り戻せないのかもしれません。
言い古された言葉ですが、「ピンチはチャンス」。何を手放すべきなのか、問われるときです。
オレンジの半分の赤は、客観的にありのままを見ること、そしてさらに半分の黄色は、自分はどうしたいのか、と自分自身に問う色です。そうやって、ようやく自分にある力に目覚めたとき、いらないものを手放し、人は自分の足で立ち上がります。
「アナと雪の女王」のエルサが、「Let it go!」と言って、過去の自分を手放したことに似ています。
たいへんな時こそ、自分に気づかなかった大きな力に出会う機会かもしれません。
そんな時、直感的に腹に落ちる感じで気づければ、あなた自身の深いところに自信をもたらし、自分を肯定する機会になります。さらに、そんな時、普通では体験できないほどの喜びを得られるでしょう。
オレンジは、意外に深いのです。オレンジに目が留まる時、手放すものはないか、このことを思いだしてくださいね。単純に元気をくれる色で、終わらせてはもったいない色なのですね。