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周 庭 学生 香港在住
ライフスタイル 2020-03-20
アグネス・チョウ(周庭)の香港便り〜いまの気持ち 2020〜

アグネス・チョウ(周庭)の連載が始まりました。

第1回目ということで、少しでも自己紹介したいと思います。
香港人のアグネス・チョウです。広東語の名前だと周庭(しゅうてい)です。

香港人は広東語で喋りますが、イギリスの植民地だったので、多くの人が英語の名前を持っています。私は今23歳で、香港の大学生です。
単位は全部取りましたが、そして大学の方も卒業の許可が下りましたが、大学生、という風に自己紹介できる時間は残りわずかですから、大学生と自己紹介させてください(笑)。

なぜ私が日本語ができるかというと、日本のアニメや歌手、そしてドラマやバラエティー番組が大好きだからです。
最近、「恋はつづくよどこまでも」というドラマにハマっていて、毎日ずっと繰り返し観てました。

皆さんが私のことを知るきっかけは、多分香港のデモ活動だと思います。
私は2012年から香港の社会運動に参加し、もう8年経ちました。2012年の時の私はただの高校1年生で、政治的な話は全くできませんでした。
ですが、「政府のやり方は間違っている!」という強い気持ちを持っていたので、デモ活動に参加し始めました。
最初の時、街宣で市民にチラシを配ることすらできなかった私は、この8年間大規模な社会運動を何度も経験して、取材を受けることや、世間に注目されることも、私の日常の一部になりました。

でも、有名になることは決して私の目標ではなく、自分が生きている社会がよくなること、香港市民が苦しまないことこそ、私がデモ活動に参加した理由です。
単純に有名になりたいのなら、政府に弾圧される、逮捕される、命をかけて戦うこの道を選ばないでしょう。

今の香港は日本と同じく、新型コロナウイルス(香港では「武漢肺炎」と呼ばれています)の影響をたくさん受けています。
多くのイベントがキャンセルされたり、テーマパークが閉園になったり、デモ活動がオンライン集会という形になったりすることもあります(全部じゃないですけど)。

1月の頃、武漢肺炎のことが香港で報道されていた時、多くの香港人は2003年のSARSのことを思い出しました。あの時、日本には感染者が出ませんでしたが、香港では299人が亡くなりました。
あの恐怖、悲しみ、不安は、2003年を経験した香港人たちが決して忘れない気持ちでした。

だから、香港政府が呼びかける前に、香港市民はもうすでにマスクをつけたり、めちゃくちゃ手を洗ったりしました。
この反応の速さの原因は、SARSの経験だけでなく、政府への不信感も重要だと思います。
香港政府、そしてWHOを信用してないから、ウイルスに対する警戒心が強いのでしょう。
これは香港人と他の国の人達との大きな違いだと思います。

今回の香港政府の反応は正直に言うと、とても悪い、そしてとても遅いです。

中国にの感染者が1月にますます増えている時、多くの香港人が中国との境界封鎖を強く求めていましたが、政府は民意を無視し、「境界の封鎖は必要ない」と主張しました。

当時、多くの中国人が香港に逃げようとし、香港政府はこの人たちを全部受け入れました。これは香港の感染者が増えた大きな理由です。

香港人はこの10年を経て、とくに去年からのデモ活動を経験してから、政府は私たち市民のためにじゃなく、中国政府のために動いているということをすごく感じました。
この強い不信感を解決するには、民意を代表できる政府と議会が必要だと、民主化が必要だと、これは香港人の総意と言っても過言ではありません。
私もこのためにデモ活動に参加し始めました。

次の連載で日本の皆さんに、私のことをもっと知っていただければと思います。
よろしくお願いします!

 

香港の未来に真の民主主義を目指して。周庭さんインタビュー vol.1


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