アグネス・チョウ(周庭)の香港便り〜いまの気持ち 2020〜 |
アグネス・チョウ(周庭)の連載が始まりました。 第1回目ということで、少しでも自己紹介したいと思います。 香港人は広東語で喋りますが、イギリスの植民地だったので、多くの人が英語の名前を持っています。私は今23歳で、香港の大学生です。 なぜ私が日本語ができるかというと、日本のアニメや歌手、そしてドラマやバラエティー番組が大好きだからです。 皆さんが私のことを知るきっかけは、多分香港のデモ活動だと思います。
私は2012年から香港の社会運動に参加し、もう8年経ちました。2012年の時の私はただの高校1年生で、政治的な話は全くできませんでした。
ですが、「政府のやり方は間違っている!」という強い気持ちを持っていたので、デモ活動に参加し始めました。 |
最初の時、街宣で市民にチラシを配ることすらできなかった私は、この8年間大規模な社会運動を何度も経験して、取材を受けることや、世間に注目されることも、私の日常の一部になりました。
でも、有名になることは決して私の目標ではなく、自分が生きている社会がよくなること、香港市民が苦しまないことこそ、私がデモ活動に参加した理由です。 今の香港は日本と同じく、新型コロナウイルス(香港では「武漢肺炎」と呼ばれています)の影響をたくさん受けています。 1月の頃、武漢肺炎のことが香港で報道されていた時、多くの香港人は2003年のSARSのことを思い出しました。あの時、日本には感染者が出ませんでしたが、香港では299人が亡くなりました。 だから、香港政府が呼びかける前に、香港市民はもうすでにマスクをつけたり、めちゃくちゃ手を洗ったりしました。 |
今回の香港政府の反応は正直に言うと、とても悪い、そしてとても遅いです。
中国にの感染者が1月にますます増えている時、多くの香港人が中国との境界封鎖を強く求めていましたが、政府は民意を無視し、「境界の封鎖は必要ない」と主張しました。 当時、多くの中国人が香港に逃げようとし、香港政府はこの人たちを全部受け入れました。これは香港の感染者が増えた大きな理由です。 香港人はこの10年を経て、とくに去年からのデモ活動を経験してから、政府は私たち市民のためにじゃなく、中国政府のために動いているということをすごく感じました。 次の連載で日本の皆さんに、私のことをもっと知っていただければと思います。
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