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関口 暁子 文筆家/整理収納アドバイザー doppo
大変なとき、嬉しいとき。ときに支えられ、ときには今以上に輝きを増すことができる。「言葉」というものは不思議な力を秘めています。今、私たちの目の前のステージにいる「あの著名人」も、誰にも知られず努力を重ね、感謝を繰り返し、ここまで生きてきたのです。 彼らがその長い「活躍人生」の中で支えに…
あなたに届け、輝く人の、輝く言葉(新シリーズ) キャリアアップ 2017-05-17
新しいあなたへ~新シリーズ「ココロの処方箋」~ヘッセの言葉②~

風薫る5月。ゴールデンウィークも過ぎ、これから梅雨が来るまですがすがしい毎日が続きます。5月5日の子供の日に、筆者は初めて海岸で行われた凧揚げ大会を見に行ってきました。子供のころ、家の前は自然公園が広がっていて、電線もなく、大人たちが本格的な凧を上げに遠くからやってきたものです。

けれども時が経ち、自然公園は分断され、電線が張り巡らされるようになると、残念ながら凧が並んで空に舞う姿を見ることができなくなってしまいました。

久しぶりに見た、凧揚げ。

電線のない、どこまでも続く青空。その下では生命の源である海。砂浜には、自分の凧を必死で操る子供たちの笑顔。どの光景もとても眩しくて、誰もが、きっと子供たちの明るい未来を思い描いたことでしょう。

上へ上へと向けられる眼差し。明るく弾んだその表情。

子供たちのように、私たち大人も、そうあり続けたいですね。

さて、そんな爽やかな5月にふさわしいヘッセの言葉をご紹介しましょう。

 

わたしたちのこの手に包まれている一つの希望とは何か。

自分自身を今日いくらかでも変えることだ。

昨日までよりも良く変えていくことだ。

本当にそのことを実践する人々にこそ、世界の幸福はかかっている。

(書簡1950)

 

大人の世界に限らずとも、周囲を見渡せば、そして敢えて探そうとすればなおさら、世の中に不満は絶えません。

学校の中にはいじわるな友達もいるし、ちょっと依怙贔屓をする先生もいる。

社会に出れば、理不尽なことを言う上司もいれば、素直に物事を受け止められない部下や後輩もいます。それどころか、会社全体がなんとなく閉塞感に満ちてしまっていることも。

ふと顔を見上げると、周囲はなんだか楽しそうです。SNSから流れてくる情報はどれも毎日を満喫している様子だし、他人にばかり素敵な出来事が降ってわいているような気がして、さらにめげたくもなる。

ゴールデンウィークで、プライベートを満喫、あるいは「嫌な日常」から一時避難できた人たちは、「五月病」という、ありがたくもない季節の到来となります。

 

でも、ちょっと待って、とヘッセは言います。

周囲がどんなであっても、自分の手で変えられる未来があります。それが、「あなた自身」。

空を見上げて雨が降った日は、天気は変えられなくても、「今日のお湿りは、大地を潤してくれる」と思うこともできるし、読書の日にしよう、子供とじっくり工作でもする日にしよう、あるいは、ちょっと滞っていた勉強をしようと前向きに捉えなおすことなら、できるでしょう。

今日の自分は、未来の自分の原型です。一つ一つ自分の願うように経験や知恵や、好ましい感情を積み上げて、自分という人間を創り上げていくのです。

海岸での凧揚げで、子供たちは必死に空を見上げて高い空に泳ぐ凧を、操っていました。どんなに遠い空に見えても、その凧を操っているのは、目の前にある自分の手です。遠くの風、紐が伸びているその途中の風。さまざまな状況を自分の手と、その目で、上手に操縦しています。

あなたの思い描く未来はどんなものでしょうか。その未来をかなえられるのは、他の誰でもなく、未来のあなたでもなく、「今のあなた」。

 

生き生きとしている人を見てみると、毎日を大切に過ごしていることがわかります。その日1日を納得のいく日にしていくことで、納得のいく未来を手にすることができるはず。

 

空を舞う凧が、空から降ってきたのではなく、砂浜にいる子供たちの手から徐々に空に向かって揚がるのと同じように、あなたのその手は、昨日よりも高く、より良い状態の明日を創る、創造の源です。

 

たとえ、周囲に満足できない日々だとしても、あなた自身を変えることから始めましょう。

筆者も小さなことからコツコツと、やりたいこと、成し遂げたいことに向かって課題を課して達成する喜びを味わっています。

 

たとえば、今日はこんなお料理にチャレンジしてみよう。

今日は、子供をしかりつけない日にしよう。今日は、あのドアをピカピカにしよう。

今日は、あの原稿を書き上げよう。お世話になったあの人に、手紙をしたためよう。

どんな小さなことであっても、「それをしなかった自分」より、確実に「良い未来」に向かっている。そう自分を認めてあげることで、振りかえれば、たくさんの階段を上ってきたことに気づくでしょう。そうして自分の階段に気づけたあなたなら、周囲にも同じような思いで接することができるはず。自分も変われば、周りも変わる。

でも、周りが変わらないと嘆くばかりであなたが変わらなければ、周囲は永遠に不満を生み出す、というスパイラルから抜け出せません。

 

風薫る5月。風光る5月。

いつもより青く、いつもより爽やかなこの季節こそ、上を向いていたいものですね。


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