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賀陽 輝代 ライフスタイルコーディネーター ワールド・チルドレンズ・ファンド・ジャパン
人生は泣いても笑っても一度きり。 たった一度だからこそ、自由に、楽しく、かつエレガントに、自分の人生をクリエイトされてはどうでしょうか。
Try anything, but once. ライフスタイル 2015-02-21
玉虫色が織りなす心模様

光線と見る角度によって様々な色合いを織り成す「玉虫色」は、そこはかとなく掴みどころが無く、その七変化の様子には限りなく「Mysterious」な香りが漂っている。

 

「白黒をはっきりさせなければ気が済まない」血気盛んな若い頃の私はその曖昧さにただ単に「玉虫色=優柔不断」と言う観念しか持つ事が出来ず、そこに奥行きの深い"うふふ"と言うような蘊蓄(うんちく)を感じるようになったのは、多かれ少なかれ人生の紆余曲折を幾度となく繰り返し、現実の社会は数学の世界のように、必ずしも1+1=2と言う答えを生みださないものらしいと、気付くようになってからの事である。

 

「神の思し召しに従う」「自然の流れに身を任す」と言う一見受身のように聞こえる言い回しは、生きる道すがら思いも掛けない困難に襲われ、苦渋の選択を強いられた時最後に辿りつく、一種の救いの啓示-つまり、どんなに足掻いても人智は天命には叶わないと言う諦めにも似た教訓ではないかとふと思ったりするのである。

 

中学生の頃、時の大臣が記者会見の席上で「ああ」とか「うう」と言う言葉にもならない音声を連発しながら記者の質問に応える姿をテレビを通して垣間見た時、子供心に「何て格好悪い小父さんなんだろう!」と思った事を記憶しているが、今思えばあれは答え難い微妙な質問を巧みにかわす、所謂「玉虫色外交」を駆使する政治家一流の技だったのかも知れない!

 

ある歴代のアメリカ合衆国大統領が「日本の〝YES” は“NO”、"NO”は〝YES”」と言って「日本式本音建前文化」を摩訶不思議な怪物のように皮肉たっぷりに非難していた事を思い出すが、"NO” を〝NO” と言えないその心遣いの内には「相手を思いやる優しさ」が隠されているのかも知れない。

 

思えば「一から百まで言い尽さず、相手の力に身をゆだねて余韻を残す」何とあっぱれと拍手したくなるようなエレガントな会話を耳にする機会も少なくなって来たような気がする。例えば、あなたのパートナーや夫が「最近の食事は手抜きで美味しくないなあ。」と言ったとします。果たしてあなたの反応や如何に?忙しい中これでも一生懸命作っているのにとムッと来るのは当然の事です。でも、そこでその不快な思いや怒りを攻めの形で伝えるのでは無く、ぐっと堪え(こらえ)、一歩引いた心意気で「最近と~んと一緒に美味しいお店に食べに行っていないもんで。」と相手の文句をやんわりとかわす玉虫色の機智を持ち合わせてこそ、エレガンスの骨頂と言うもの!そして、そうしたインテリジェンスは経済的のみならず、精神的にも自立した女性が持ち合わせる「闘わずして相手の陣地を勝ち取る」賢い武器の一つではないだろうか?

 

ミステリアスはセクシー、そしてそのセクシーさは知的な感性と「玉虫色」のエレガンスの融合で更に磨きを増すというもの! テリー(賀陽輝代)の「会話術セミナー」には、昨今流行り(?)のHOW TOもの「恋愛セミナー」では学び切れないお宝がたんと含まれている事請け合いです。(本当かなあ?)

 

例えば会議の席で相手の言い分に反対する場合でも、すぐに反論で他者を切り崩そうとするのでは無く、例え賛成出来ない見解でもまずは相手の言い分を肯定する事から始めて、最後の落とし所で自分の反論を展開すると言う会話手法が功を奏する場合が多々ある。誰でも自分の立場や意見が完全否定されれば良い思いはしないのは当然の事で、例えそれがただ単にポーズだけでも、まずは相手の考えや立場を認めると言う事からスタートすると、プラスのエネルギーがプラスの結果を生み出すと言う「正のエネルギー」の法則はきっと知らず知らずの間に誰もが体験しているのではないだろうか?仏教で言う所の「中庸」の精神が「中庸」の結果を呼ぶと言う事なのかも知れない。

 

そして「恋はillusion(美しい幻想)!だから、誰かを想うと言うエネルギーはそこはかとなく、玉虫色でおぼろげなのが良い!」と私が思うようになったのは一体何時頃からの事だろう? 昔から「恋の極意は忍ぶ恋に有り」と言うではないか! だからFacebookや他のソーシャルネットワークを媒体にして必要以上の情報が簡単に手に入る時代に生き、"人を想う心の揺らぎ"を愛おしいと感じる余韻すら体験する機会が無い若者達を見ていると、その現代の便利さ故にふと彼らが可愛そうに見えたりする。

 

恋に限らず、物であれ、人であれ、自分が想いを傾ける存在を持ち続ける事は私にとって将に生きる事の証しであり、それ故私は例え幾つ歳を重ねても常に〝Something to look forward” と言う、何かを待ち望むキラキラとした想いをいつも心の中に秘めて生きて行きたいと思っている。

 

どうせ「死ぬまで生きなければならない人生」なら〝Going my way” を貫き通して、我が人生に悔いなしと言える生き方が出来たらきっと素敵だろうなと思う今日この頃です。


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