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高橋 多佳子 ピアニスト 所属:ミリオンコンサート協会
音楽とともに歩んでいるピアニスト人生。ポーランドでの留学生活、ショパンコンクールへの挑戦など様々な経験を積み重ねてきました。 失敗も成功もありましたが、それら全てが自分を成長させる糧となっています。 そんな経験から少しでもお役に立てる情報を発信できたらと思っています。
ピアニスト高橋多佳子の前を向いて歩こう ライフスタイル 2015-01-10
「ピアニストという職業」〜仕事を楽しんでいますか?

はじめまして。クラシック音楽のピアニストをやっております高橋多佳子です。これから約1年にわたってコラムを書かせていただきますね。お気軽に読んでいただけたら嬉しいです。

今日は、私の職業であります《ピアニスト》について書いてみますね。

私がプロのピアニストとしてデビューをしてかれこれ25年になろうとしています! 今こうして書きながら、よく25年もピアニストを続けてこられたなあと自分でも驚いてしまいます。

ピアニストの毎日の仕事とはいったい何をしているのかご存知でしょうか?

ステージでスポットライトを浴びながら、大勢のお客様を前に素敵なドレスを纏って演奏をする…。はい、これはピアニストのほんの一部分。

実は仕事の大半は、ずばり「練習」です! 色々な楽器がある中でも、ピアノは他の楽器とは比べ物にならないほど音符の数が多いので、その練習量の多さはダントツのトップです。具体的には朝起きてから寝るまでのほぼ一日中と思ってください。新しい曲を始める「譜読み」という作業も莫大な時間を要します。

そのようなことを25年も、いえ、ピアノを始めてから現在に至るまでほぼ毎日続けているのです。

私がピアノを始めたのは5歳頃。本格的な教育を受けたのは、中学生の時に桐朋学園大学付属の「子供のための音楽教室」という専門家を育成する音楽教室に通ってからです。そのまま桐朋の高校、大学と進み、音楽一筋の青春をすごしていました。周りの全ての友達が音楽のプロになるという志を持っていたので、落ちこぼれ気味だった私も彼らの影響を受けて努力を続けてきました。というか、努力することが当たり前、または努力とも思っていなかったのかもしれません。

そのような練習とレッスンに明け暮れる日々が辛かったかと問われたら、答えはNoです。それは音楽が好きだからというのが一番の理由ですし、練習することでどんどん自分の演奏が良くなって、取り組んでいる曲の本質に近づけることがこの上ない喜びだからです。

このように私は、ピアノ一筋に生きてきて運良くピアニストになれた訳ですが、もしかしたら好きな事、やりたい事を職業にできた方は多くはないのが現実かもしれません。

もしこのコラムを読んで下さっている方で、今のお仕事が面白くないとか興味が湧かないと思っている方がいらっしゃったら考えてみて欲しいのです。一見、今の仕事と自分の好きな事がなんの関係が無いとしても、その大好きな分野の知識がなんらかの形で仕事に活かせるなんてことはありませんか?

あるいは全く逆の発想ですが、“今の仕事を好きになる”というのはどうでしょう? 全てを好きになれなくても、何か1つでもいいなと思える事があったら、その分野を深めて行く事によって誰にも負けないスキルを身につける事ができるかもしれません。そうすると仕事全体の見え方も変わってくるかも。

物事は考え方によって全く違って見えるものです。仕事上のワクワクすることを是非見つけてみてくださいね。

今はコンサートが土日にあることが多く、月〜金は練習とかリハーサルに費やされます。あれ、休日は?と思われた方もいらっしゃるかな。ピアニストに休日はありません(笑)。でも全く苦ではありませんよ。クラシック音楽の感動はそれほど大きいのですから!

写真(c)Akira Muto


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