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■ 東京ウーマンインタビュー


今、心ひとつに。未来に懸けて…  横田早紀江さん、中林千代さんインタビュー vol.2

世界の問題に関心を寄せること

中林さん:北朝鮮は、国民が悪いのではなく、何代も続いている国柄でどうしようもない問題で、もう、人間ではない状態です。

早紀江さん:世界中が、皆団結してそれを言わなければと思うのです。

中林さん:世界には、普通の生活もできない子どもたちも沢山いるのです。学校にも入れない子たちも沢山いる。めぐみさんの場合は、お孫さんが生まれられましたが・・・。人間だったら、日本人はもちろんのこと、よその国の人たちも、心を寄せて、自分事として考えて欲しい。なかなか助けられない現実があります。それでも世界のことに無関心ではいけないと考えています。

他人事ではない。自分の声で、伝える。

Q:中林先生は今年、91歳と伺っています。同級生の方々と街頭署名活動をされ、歴代大臣への面会も果たされてきました。お気持ちの原動力は何ですか。

中林さん:もちろん外出しない方が楽ですよ、最近は暑さ寒さも厳しいですから(笑)。けれども怠けてはいられない。他人事でないこととして向き合うと体が自然と向かうのです。自分の声で伝えていくことが必要と、年齢など関係なくやることをしているだけのことです。もし、明日、最期の日が来たとしても、めぐみさんに負けないで頑張っていたい、と思うのです。

早紀江さん:ありがとうございます。本当に、待っていてあげてください。こんなに頑張ってくださっているんだから・・・。

中林さん:なんとかしてあげたいのです。人様に90歳ですごいですね、と言われますが、'他人事でない'、ということが力の源なのかも知れません。

異国の地、北朝鮮で生きる孫とひ孫さんとのこと

Q:2014年、モンゴルでめぐみさんのお子さんウンギョンさんとの面会が叶いました。

早紀江さん:ウンギョンちゃんの第一印象は、頭も良くて育ち方がしっかりとしていると。北朝鮮の喜び組のようなイメージでなく、ピンクのチマチョゴリを着て、ぴたっと座って『おじいちゃま、おばあちゃま、ようこそいらしてくださいました』と大変丁寧でお行儀も良くて、大変驚きました。ご主人は語学が堪能な方で・・・。その日は、私たちにご飯をつくってあげたいからと、煮物、おひたし、スープと私たちに色々と食べさせてくれました。

中林さん:安心した?

早紀江さん:安心とは言い切れない、少し複雑な気持ちでした。


2014年モンゴルにて

Q:ひ孫さんはどんな子でしたか。

早紀江さん:とっても大きな顔の大きな子で。10か月なのに11キロもある・・・。その時は、昼食を一緒にしたのですが、ウギョンちゃんはその時なぜかあまりご飯を食べないのですね。『食べないの?』聞くと『あまり食べることに興味がないので』と言うのです。何に興味があるのと聞くと『コンピューターです』と笑って答えました。仕事で携わっているようですね。ウギョンちゃんの子どもも部屋を走り回ってとても元気な子で。孫娘もひ孫もあの北朝鮮の地でこんなに元気に育っているなんて・・・と不思議な気持ちになりました。

中林さん:めぐみさんに似ていたの?

早紀江さん:本当によく似ていて、すぐ本人と分かって。夫(滋さん)にもそっくりで。 ウンギョンちゃんはめぐみが死んだと聞かされていますが、『あなたのお母さんはじめ、連れて行かれた他の人たちと一緒に、元気で生きていると思っていますよ。最後まで、私たちは助けてあげたいという気持ちで頑張っていくから。絶対に希望を捨てないからね』とはっきりと伝えてくることができました。

帰ってきたら・・・『自由にしてあげたい』

Q:けれど、めぐみさんに会わないと意味がありません。めぐみさんが帰ってこられたら、まず、何をしてあげたいですか。

早紀江さん:本当にそうです、本人が帰ってこないと・・・。色々な意味で拘束されているわけですから、自然に触れさせてあげたいです。小さい頃から自然が大好きな子でした。それこそ北海道の牧場なんかに連れて行ってあげて、大の字に寝たり、とにかく大きな声で叫んでもらったり、自由にしてあげたいです。
小学生の頃は、猫やカエルなどの動物を拾っては連れて来て、自宅の庭の小屋で飼っていたんですよ。大きなガマガエルを拾って帰ってきたり、ミミズまで平気で触ることができた子で。精一杯、自分のできなかったこと、させてあげたい。早くそのチャンスが欲しいです。わがままも、親不孝も、反抗期もないうちに、いなくなってしまったのです。

中林さん:帰ってきたら、精一杯、親子でできなかったことをしてほしい。親子喧嘩もしたことがなかったんだから・・・。

早紀江さん:本当に、帰って来てくれさえすればよいのです。

関心をもって、心をあわせて

Q:私たち、ひとりひとり国民が改めて今、できることはありますか。

早紀江さん:やはり、ひとりでも多く、関心をもっていただくことが大事です。若い人たちも、大学も中学も講演でまわってきたんですが、関心を寄せて下さりお手紙も全国から沢山来ているんですよ。本当にありがたいことです。

中林さん:新潟では、大学で拉致の研究を部活でしてくだっています。過去からの歴史的な側面から拉致問題を研究されていて。私たちは、やはり感情の面が出てしまいますが、客観的に研究されていて、拉致のことも知らなかった全国の学生さんたちも一緒に研究して下さっています。

早紀江さん:ひとりの人間の人生を、家族と引き裂かれ、家族の人生にも大変な影響を与えている。こんな残酷なことがあったということ、日本の国は何をしているんだ、ということを分かっていただくことが一番大事なことなのです。みんなで心をあわせて、一丸となっていけば奇跡が起こると信じて、解決への道へ向かっていければと願っています。

横田さん、中林さん、ありがとうございました。

お知らせ

3月23日(土)24日(日)
めぐみちゃんと家族のメッセージ~横田滋写真展
10:00~16:00
品川区立大井第1小学校 多目的室

3月23日(土)
併催イベント 横田早紀江さんトークショー&コンサート
開場 午後1時 開演 午後1時30分
品川区立大井第1小学校(一般公開)3階 体育館

主催、あさがおの会
後援 東京都 品川区 品川区教育委員会 品川地区人権擁護委員会(東京人権淡河委員協議会)

【取材・編集後記】
9年前、横田さんご夫妻へのニュース番組でのインタビューの前に20分ほど早紀江さんと話しました。その時、心の内を話してくださり、心に浮かんだのは、めぐみさんが青空を仰ぎ、お父さん、お母さん、ご家族、日本の皆といつの日か再会を心待ちに切に願う姿でした。その後も、夫の滋さんと手紙のやりとりを幾度かさせて戴いていたのですが、必ずご返信を下さいました。純粋な気持ち一心で、希望の糸を絶やさずに未来に懸けてこられたお姿に多くの方が気持ちを寄せて支援の輪が広がってきたことを感じました。昨年、同級生の方々に新潟で拉致現場と言われる場所やご自宅があった場所を案内いただきました。また、中林先生との出会いがあり、朗らかで明るいお人柄と懸命に活動されるお姿に心動きました。テレビで伝えられなかった、気持ちを表せるインタビューがしたいと考えてきたのですが、めぐみさんの同級生の方のご協力で実現できました。41年という歳月のあまりに長い時間を実感しながら、拉致問題を取り巻く方々、体制下で苦しむ北朝鮮の人々の筆舌しがたい苦しみまでもが押し寄せてくるようでした。今、米朝首脳会談の2回目が開催される運びとなり、これまでにない成果が期待されています。横田さん、そして支援をされる皆様のご尽力が実を結びますように、北朝鮮の地でも苦しむ方々に自由をと願ってやみません。この度の取材にご協力を賜りましためぐみさんの同級生の皆様、ご関係者の皆様に心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
加藤 倫子
PRコンサルタント・ライター
ライター、広報・PRアドバイザリーのフリーランサー。メーカー勤務の後、テレビ(日本テレビ放送網)、週刊誌、ウェブ等のメディアで記者・ディレクター職を約9年。4年の金融営業の後、PRパーソンとして独立。社会・経済系の特集の制作経験から、メディア経験とビジネス経験の両面を生かし、ニュースの発掘、ストーリー性を生かしたPRを得意としている。
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