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■ 東京ウーマンインタビュー


女性プレイヤーの目線で描く 釣って始まる地域活性化 vol.1

女性プレイヤーの目線で描く 釣って始まる地域活性化

釣って味わう、地域の魅力を伝える「ツッテ」というWEBメディアが今年の春に公開されました。
現在、「初心者向けに100釣り、100記事書く」を目標に全国の地方自治体や地元のお店などにアプローチしながら、新たな事業を展開中の「釣りアンバサダー兼ツッテ編集長」中川めぐみさんにお話をお伺いしました。
ツッテについて

片岡:中川さんとは2年ほど前に「キャリトレノート」で対談しましたが、当時は企業の新人広報という立場でした。
今年に入って「ツッテ」という釣り情報のメディアを立ち上げて話題になっています。まずはツッテについて教えてください。

中川:「ツッテ」は2018年の3月に立ち上げた、釣りを通じて地域の魅力を発信するメディアです。1年で「初心者向け100釣り、100記事書く」を目標にしていて、現在50記事程アップしています。
内容は、半分以上が食べることについて書いてあるので、普通の人が読んでも旅記事として面白いらしく、釣りをする人もしない人も見てくださっているようです。

片岡:確かに、サイトを拝見すると釣り人ってあんまり出てこないですね。

中川:はい、どちらかと言うと女性、初心者、家族連れ、お子さん等、今まで釣りに関わってない人たちが、釣りを通じて新しい地域の魅力に触れてもらうのを目的にしているんです。

片岡:ツッテという名称はどこから来ているんですか。

中川:「釣るで終了」ではなくて、「釣って食べよう」とか「釣って出会おう」という意味です。

片岡:なるほど、「釣って〇〇しよう」、なんですね。

中川:そうなんです。釣った魚を地域の常連さんが集うお店に持って入ると、「なに?それ釣ったの?」と言われて会話が始まります。そこから話が弾んで、地域の方に美味しいお店を教えてもらったり楽しい観光地を教えてもらって更に旅が続く、というきっかけになればと思っています。

 
自分がプレイヤーになる醍醐味

中川めぐみさん

片岡:釣りを始めたきっかけはなんですか。

中川:私は30歳過ぎてから2度転職をしています。GREEで新規事業を企画する部署にいた時に、非ゲーム領域でアイデアを出す機会がありました。その頃のGREEはゲーム事業のみでしたが、既存のゲームに「釣りスタ」があり、そこからヒントを得ました。
釣りならリアルなレジャーなので、ECとか予約のプラットフォームを作ったら面白いと考え、提案したら部長までそれが通りました。いよいよ社長にプレゼンすることになった時に、「ヤバイ、私釣り1回もやったことないわ」と気づき、市場調査的に行ったのが最初です。

片岡:ご出身は富山ですが、地元での生活はいかがでしたか。

中川:富山にいた頃は地元コンプレックスで、早く東京に出たいと思っていました。
でも、東京で数年働いて仕事も遊びもひと通り経験したら「なんか都会ってつまんないな」と思うようになりました。高級ホテルでご飯を食べたりクラブイベントに行ったりしても結局毎回同じなんですよね。
そんな時に温泉旅行で地方に行ったら、それぞれいろんな顔があって人がいて、面白さに気づきました。

片岡:旅館に泊っても、お風呂に入る時間も食事も大体決まっていますが、どのような経験をしたんですか。

中川:これも釣りを始めてからですね。部屋食をなしにして、釣った魚を地元のお店に持ち込んでみたら、ますます面白くなりました。それまではホテルに行って一方的にサービスされて、消費してという、「単なる一消費者」でした。
ところが、釣りをしだすと自分で釣らなきゃ何も始まらないんです。隣に座っているサービス提供者ではない地元のおじさん達と、対等で公平な立場でいろんな話をしたり、釣った魚を飲食店に持ち込んで料理してもらったりしていると、自分が「プレイヤー」になる感覚が湧いてきます。


釣り上げた魚を手に笑顔が弾ける。自分がプレイヤーだと感じる瞬間
釣りで活かされるは女子目線

片岡:一般的に釣りのイメージは、朝早く磯釣りだと足も冷たいところに入ったりして、大変じゃないですか。辛くないですか

中川:私もそのイメージがあったんですが、実際やってみると実は道具なんて買わなくていいし、横浜の中華街から徒歩5分で12時出発のお昼便なんていうのもあるんですよ。

片岡:横浜を昼出発ですか。

中川:そうなんです。3時間とか4時間のショートコースで、そういうところだと女性にも優しくて、一から教えてくれるし、竿も500円で借りられます。
30人乗りぐらいの大きい船に乗って、教えてもらいながら釣りをして、困ったら「船長ー!」って言って助けてもらいます(笑)。
この前小学2年生の男の子を連れていったら、初めてなのに40匹位釣ってました。ウェアも貸してくれるので、本当に手ぶらで、私の今の格好で行けるんです。釣りのハードルってすごく高いと思われがちなんですが、実際に入ってみると低いことに気づきます。

釣り業界はメーカーがトップにいるので、まずは釣竿を買うのが常識になっています。あえてハードルを上げているので新規の流入が出来なくなってしまっていると思います。私がそこを取っ払うプレイヤーになれればと思います。
Facebookで私が釣った写真をあげると、周りの女子達が「めぐみができるんなら私でもできる」と思う。イメージがだいぶ変わったみたいで、行きたい子がすごく現れて、今までにも優に100人は連れて行きました。

女子目線的にも面白いらしくて、例えば釣りの時に、女子が嬉しい小物を持っていきます。普通は竿から入りますが、私はウエットティッシュと軍手とその下になんかこうピタピタの100均で10枚入りで売ってる手袋があるんですけど、それと100均のペンチ、以上!みたいな(笑)。

片岡:ペンチって何するんですか。

中川:魚が針を飲み込んじゃった時に手で外すのが嫌なので、ペンチでえいってやったりするんです。それに、翌日まで臭いが取れないのは女子はすごくテンションが下がるので。
さらに日焼け防止とウロコとかで手が傷つかないように軍手をします。これらがすごい好評で、みんなやってみると「神」って言います(笑)

片岡:釣りアンバサダーの面目躍如ですね。調理とか食べ方の方でもアドバイスしたり、お店と提携したりしているんですか。

中川:事前にリサーチしたお店を紹介することはよくあります。


100均アイテムで考案した釣り用グッズは女子に大好評
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