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■ ADV(アドボカシー)な人々 #04


株式会社つくるひと 小野ゆうこ「いまのきもち」 vol.5

片岡氏: 僕の想像ですと、このビジネスモデルだと、一番大変そうだなと思うのが、ご自身に対して仕事の依頼が来るじゃないですか。別の社員の方が行っても、相手側が求めているものじゃなかったりする。結局自分が切れる(確保できる)時間の枠内で「単価」を上げることはできても、量をこなすことには限界があります。そこを今後どうされていくのかなと。

自分より優秀な人って、なかなか自分の下には来ない。そこを育てる「仕組み」にするのか。ただ「仕組み」にしてしまうと「なんとかマーケティング」とか「何とかメソッド」になっちゃう可能性がある。バランスをどうされていくのかなと。ちょっとだけ先の展望は?

小野氏:  統合的なコピー教育はできないですね。ただ、体系を切り取って仕組みに仕立てることはできます。たとえば、「ブランド戦略を立てる」だったら自分のやっていることでそこだけを切り出して、誰もが使える体系化はつくれる。「組織生産性の標準化」だったらクオリティーをマネジメントするという視点で体系化できる。わたしが携わってきていることをテーマ別に切り出し、体系と型を教育することはできます。用途別に体系や型を提供する立場で、コンサルタント業やマネージャー層の人たちに使っていただける情報提供の仕組みを業務化したいと思います。

片岡氏: 検定アプリの開発はどちらかというとそっちに近いんですか?

小野氏: どこでそんな情報を得たんですか(笑)

片岡氏: 普通にWEBに書いてありましたよ(笑)
小野氏: 書いてありましたか(笑)今までいろいろとやってきたおかげで、オリジナルのシステムをいくつか持ってまして、そのひとつが検定のシステムなんです。このほか通信教育システムもあります。今後、自分たちが作ってきたシステム資産と体系や型を手渡せる教育資産を掛け算して提供していこうと思っています。

片岡氏: 法人向けってことですよね。個人でなにか検定を取るという訳ではなく。

小野氏: そうです。個人が受ける検定のシステムをお客様には提供していますけど。「デキル。株式会社」の方で、イノベーションカードの販売と合わせてイノベーション検定をやろうとは考えています。アプリとワークショップで提供するつもりです。

片岡氏: 変な意味ではなく、成り行きで十分に生きていける方なんです、きっと(笑)

谷本氏: そうなんですよね。

片岡氏: 電車は普通、線路なしで走れない。でも(小野さんは)なきゃないで走れるんですね(笑)

小野氏: なるほど。走ってますね。
谷本氏: 言語化だったり秩序化することって苦手ですよね、日本人は。

小野氏: そうですね。命名といって名前を与えることが新しい価値を創ることだ、とニーチェの言葉にありますよね、ウロ覚えですけど(笑)名前を与えちゃうとか言葉を与えられると、「ああ、そうだ」ってみんな解るから、不思議なんですけどそのとたん常識になるんですよ。それ以前は、存在しない。名前が与えられるってことは市場がつくられたってことかもしれませんね。言語化や秩序化は市場をつくることだと思いますね。

谷本氏: やっぱりネーミングって重要なんですね、そう考えると。

小野氏: ネーミングは重要ですね。はい。

片岡氏: 有香さん、なんかニックネームとかネーミングつけましょうか?(笑)

谷本氏: えっ、じゃあ考えていただいて(笑)

片岡氏: 安くても20万円ぐらいですけど(笑)

小野氏: すみません(笑)ありがとうございます。
次回のゲストは?
次のアドボカシー対談のゲストは、GEM Partners株式会社 代表取締役 CEOの梅津 文さんです。
小野 ゆうこ
株式会社つくるひと 代表取締役
デキル。株式会社 代表取締役
東京生まれ。日本大学大学院藝術学研究科 修士課程修了。企画コンテンツ制作会社で1年間の サラリーマン経験後、2006年独立。独立当初は、企業ウェブサイト、 販売促進のための コミュニケーションツールの 企画開発および制作を行う。制作現場で使っていた、 オリジナルの顧客視点や発想力の フレームワークに興味をもたれた クライアントから社員教育を依頼され 人材教育に関わりはじめる。オリジナルの思考ツールを使った 問題解決が認められ、 コンサルティング業務が展開。 商品開発、サービス開発、 業務プロセスの改善の現場に入る。問題解決に結びつく、 思考ツールと仕組みづくりに長け、 ライセンス事業のカリキュラム開発や プログラム開発の依頼にも応え、 マルチデバイス対応の オリジナルシステムを活用した、 教育の仕組みと合わせて提供。考え方の仕組みを整えることで、 変革が起きる現場を多数経験する。 このことから、 「考え方を変えれば世界が変わる」を あらゆる仕事の軸としている。
International Forum of Visual Practitioners 会員
一般財団法人QM戦略実践協会 理事
株式会社つくるひと
HP: http://biztool.jp/
FB: onoyukorin
片岡 英彦
コミュニケーションプロデューサー
株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役
一般社団法人日本アドボカシー協会代表理事
世界の医療団(認定NPO法人)広報マネージャー

1970年東京生まれ。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。2013年「株式会社東京片岡英彦事務所」代表取締役、「一般社団法人日本アドボカシー協会」代表理事に就任。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加、フランス・パリに本部を持つ国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。
マガジンハウス/Webダカーポではインタビューコラム「片岡英彦のNGOな人々」を連載中。

株式会社東京片岡英彦事務所
HP: http://www.kataokahidehiko.com/
FB: kataokaoffice
谷本 有香
経済キャスター/ジャーナリスト
山一證券、Bloomberg TVで経済アンカーを務めたのち、米国MBA留学。その後は、日経CNBCで経済キャスターとして従事。CNBCでは女性初の経済コメンテーターに。英ブレア元首相、マイケル・サンデル教授の独占インタビューを含め、ハワード・シュルツスターバックス会長兼CEO、ノーベル経済学者ポール・クルーグマン教授、マイケル・ポーターハーバード大学教授、ジム・ロジャーズ氏など、世界の大物著名人たちへのインタビューは1000人を超える。自身が企画・構成・出演を担当した「ザ・経済闘論×日経ヴェリタス~漂流する円・戦略なきニッポンの行方~」は日経映像2010年度年間優秀賞を受賞、また、同じく企画・構成・出演を担当した「緊急スペシャル リーマン経営破たん」は日経CNBC社長賞を受賞。W.I.N.日本イベントでは非公式を含め初回より3回ともファシリテーターを務める。現在、北京大学EMBAコースに留学中

HP: http://www.yukatanimoto.com/
FB: yuka.tanimoto.50
2014年3月/衣装協力(谷本有香氏):GLAmaster/撮影協力:安廣 美雪(Take_)