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津田 恵子 リカレント教育コンサルタント Happiness insight
Happiness insight合同会社 CEO/人的資本経営・well-being経営を目指す成長企業のお手伝い/累計2000人の面接を通じたノウハウで採用活動やリカレント教育推進・導入支援/海外トレンドキャッチ/早稲田ビジネススクールMBA/中3・小6・5歳3児の母
女性のリスキリングを考える リスキリング 2024-02-20
出社トレンドのなか、フルリモートの仕事に転職したい、は正解か?

2月になり、少しずつ春の足音が近づいてきましたね。私は普段、リスキリング関連の仕事に加えて、採用支援の仕事をしております。転職動機として最近よく「会社が出社を前提とした働き方に戻ってきているので、リモートワークの環境で働きたい」というご意見を聞きます。本日は、リモートワークを目的とした転職とリスキリングについて考えてみたいと思います。

 

グラフ出所:NRI「働き方と生活に関するアンケート」(2023年7月)

2023年12月4日ニュースリリース

野村総合研究所、都内の会社員を対象に「働き方と移住」のテーマで2回目の調査
〜出社頻度は増加したが、郊外・地方への移住ニーズは減少せず〜

出社頻度の実態はどうなっているか

野村総合研究所の調査によると、2023年7月時点の出社頻度は、「毎日出社」が過半数(53.時%)を占め、「週3日以上」が7割以上(75.1%)でした。前回調査時の2022年2月(東京都で最後のまん延防止等重点措置の期間中)は、「毎日出社」が38.3%、「週3日以上」が59.7%であったことを踏まえると、出社回帰の傾向が見られます。

リモートワークは、子供の呼出しや、学校行事の対応についても柔軟に対応ができることから、仕事と家庭の両立を促進する効果があり、今まで通勤に使っていた時間を、家族との時間や自身のリスキリングに使うこともできるようになりました。働く側は、出社をしても生産性は変わらないという調査結果もあります。こうした働き方にメリットを感じている人が多い中、世の中の流れは確実に出社に戻ってきており、今後のキャリアを見つめなおす人も増えてきているようです。

 

フルリモートワーク会社の働き方

出社を負担に感じる方の中には、フルリモートワークのスタートアップに転職してみたい、と思われる方もいるのではないでしょうか。先の野村総合研究所の調査は、対象が都内の従業員300人以上の企業に勤務する20〜60代の会社員となっており、どちらかというと大手企業の方の実態を表しています。

今まで、数多くフルリモートスタイルの、スタートアップ、ベンチャー企業の採用支援をしてきましたが、フルリモートだからといって楽に働けるわけではない、というのが私の実感です。まず、仕事の進捗はタスク管理ツールで共有されていたり、自分で進捗報告について発信をする必要があります。顔を合わせていれば、簡単な報告で済む内容でも、正しい文章で伝えていったり、Slackでスタンプを押したり、いわゆるテキストコミュニケーションを重視するカルチャーです。

入社時のオンボーディングもすべてオンラインで完結します。最初はオンラインや音声などを繋いでコミュニケーションを取りますが、一定の説明が終わると、マニュアルや過去のSlackやり取りを見て、自分から情報のキャッチアップをしていく姿勢が求められます。

様々なITツールやサービスをみな使いこなして業務に取り組んでおり、それらのプロダクトも機能がどんどんアップデートされていくことから、詳細の説明がないこともあります。自分で問合せをしたり、FAQを見たりしながら、社内に共有していくことになるでしょう。

また、日々朝会や夕会といった定例会議を開催し、その日にやることの確認や伝達事項など、細かくコミュニケーションを取っていくことが多いです。週5出社をされている方がイメージするよりも、ずっとマイクロマネジメントです。

転職時の注意点

仕事と育児を両立したい、と思うのは当たり前のことでもあり、私自身も共感できます。しかし、転職活動において、前面にそれを打ち出すと、「仕事のプライオリティが低い人だ」という心象を面接官側に持たれる可能性があります。スタートアップやベンチャー企業は、決して緩い職場ではありません。時間の融通が利く代わりに、つまり仕事にかけた時間で評価するのではなく、高い成果をアウトプットしたことで評価されます。

スタートアップにおける人材流動性の高さは、成果を出せないことやミスマッチによる退職、も一つの理由だと思います。

リモートワークとリスキリング

それでは、リモートワークをするために必要なリスキリングはどんなものでしょうか。

・ロジカルシンキング

チャットを中心としたテキストコミュニケーションであるため、論理的な伝え方が大切になります。また、MTG議事録をその場でリアルタイムに作成していったり、他の人が見ても分かるようなメモを取る力も必要です。

・ITリテラシー

スタートアップでは経理や営業、人事など機能ごとに様々なオンラインサービスを活用しています。これらのサービスは、どんどんアップデートされていくことが多く、元々の知識や経験だけでは対応できません。提供されているFAQの動画を自分で観たり、カスタマサポートセンターへ問合せをしながら、解決していくことが求められます。

質問をするのには、やはり一定のリテラシーが必要です。副業などで、リモートワークに慣れておくことはこれらのITツールを使う経験にもなりますので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

 


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