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津田 恵子 リカレント教育コンサルタント Happiness insight
Happiness insight合同会社 CEO/人的資本経営・well-being経営を目指す成長企業のお手伝い/累計2000人の面接を通じたノウハウで採用活動やリカレント教育推進・導入支援/海外トレンドキャッチ/早稲田ビジネススクールMBA/中3・小6・5歳3児の母
女性のリスキリングを考える リスキリング 2024-03-19
日本人のリスキリング実行を妨げるものは何か(考察編)

3月も後半に入り、桜の開花が待ち遠しい季節になってきました。期末を迎える方はお忙しい日々をお過ごしかと思います。また、お子さんが進学、進級のタイミングで、生活スタイルに変化が起きる方もいらっしゃるかもしれませんね。

本日は、1月にご紹介した記事を元に、「日本人のリスキリングを阻むものは何か」について考察してみたいと思います。

 

日米のリスキリング実態の違いについて

1月の記事のおさらいです。日米のリスキリング実態比較に関する、リクルートの調査結果によると、下記のことが分かりました。

・「学びが必要」日米とも7割が回答

・学び、リスキリングの実行には日米で差がある(1週間で3時間以上 アメリカ:52.8%、日本:24.7%)

・日本人は現在の仕事と学びの両立ができない

・アメリカでは「教養」のために学ぶ。日本では「業務」のために学ぶ

 

リスキリングを阻む要因について

業務のために学んでいるのに、仕事と学びの両立ができない日本人。それではなぜリスキリングをすることができないのでしょうか。

①外部環境:一人時間を楽しむことができる娯楽が多い

私は普段、教育研修の仕事に従事していますが、勉強の競合になるのは、スマホゲームや動画視聴といった一人時間を過ごすための娯楽です。少しのスキマ時間で本を読むこともできますが、その時間をあてもなく何となくスマホを触って過ごしている人は多いのではないでしょうか。

これは、東北大学川島研究室の中学生を対象とした調査でも、スマホの使用時間と成績に相関があるという結果が分かっており、中でも、LINEメッセージなどのように集中を中断してしまうことが、学習効果の低下に影響していると考えられています。これは大人でも同じだと思います。

対応策はシンプルで、スマホを裏返しにして、集中できる環境に身を置くことです。週末のカフェや図書館では勉強する人々であふれており、数時間の勉強時間を確保することはさほど難しくありません。

②内部環境:仕事と家庭の両立に苦戦しており、勉強時間の確保が難しい

子育て世代の方は、日々の仕事と家事、育児を終えるとあっという間に夜、という状態だと思います。ワンオペ育児をされている方もいらっしゃるでしょうし、自身への投資をする時間がない、というのは多くの子育て世代の方々の悩みであるはずです。

一方職場では、女性活躍推進という旗振りの元、管理職を目指すことが推奨され、それに合わせてリスキリングをしていかねばならない環境でしょう。

先日、ある企業のワーキングマザーの皆さんへ講演した時にも感じましたが、まだまだ子供のケアに関する行動を、母親側が負担する割合が多く、短時間勤務により女性のキャリアが停滞する時期があるように思います。これについては、パートナーとの話し合いによる、協力体制の構築が必要なのではないでしょうか。

日本人のライフスタイルに合ったリスキリングとは

出社回帰の流れの中、今まで以上にリスキリングの時間確保は難しくなっています。私自身も、出社のプロジェクトが増えたり、日中は面接をしていることが多かったりという事情で、平日はほとんどinputの時間を取ることができません。

人間は易きに流れるものです。ですので、こうして月に数回の執筆をしたり、noteへの発信をしたりすることで、outputをする環境を強制的に設定しています。自分から発信するにはその領域が知識が必要ですし、自分自身の頭で考察をする必要があります。また、不思議なもので、普段からそのテーマについての情報が入ってくるようになります。コーチングにおいても「目標設定」や「なりたい姿」を大切にしますが、それと同じように、「仕事で活躍する姿」「有意義な情報発信をする姿」をゴールにおいて、そのプロセスにリスキリングがあるという感じです。

また、家事と育児に時間を取られている方は、パートナーと自身のキャリアについて話し合いをしてみるのはいかがでしょうか。妻の年収を上げることを、リスキリングの目的とするには、夫側の積極的な介入が必要だということが分かるはずです。私も、MBA取得時代はかなりの負担を夫にかけましたが、今は事業が少しずつ軌道に乗り、家計に入れるお金を増やすことができました。夫と妻の中長期でのキャリア戦略が大切だと思います。

 

<参考文献>

"スマホが学力を破壊する"これだけの根拠(2018/03/29,プレジデントオンライン)

https://president.jp/articles/-/24764?page=1


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