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鈴木 良子 コラムニスト YOSHIKO SUZUKI
すぐに「私って世界一不幸」と思うネガティブ思考の持ち主であったが、妊娠を機に一転「世界一の幸せ者」に転向。息子と二人、てんやわんやの毎日だが、心は「華麗なる二人家族」を目指そうと日々奮闘している。
華麗なる二人家族~シングルマザーの楽しい毎日~ ライフスタイル 2014-03-13
シングルマザーでも、決して一人じゃない

妊娠して、出産して、ひとりで育てながら思うこと。

この子は私だけじゃなくて、いろんな人に育ててもらってるなーとつくづく思う。
もちろん保育園の先生さまさまで、保育園の先生には足を向けて寝られないが、産んで間もなくの頃からいろんな人たちが息子を気遣って助けてくれたからこそ今がある、と感謝している。

出産後の新生児訪問がまず最初。保健師さんが家に来て、子どもやお母さんの状態を見に来るのだけど、わが息子、体重があまり増えておらず「要注意赤ちゃん」になってしまった。もちろんそこには「シングルマザー」という要素も、大いに要注意シールを貼られる原因になったと思うが。

というわけで、我が家には新生児訪問が2回あった。2回目はちょっと偉い保健師さんが来たのだけど、なぜか私とウマが合い、近くまで来ると我が家に遊びに来てくれ、趣味の話で大いに盛り上がり、息子のこともよくあやしてくれた。

 

 息子が生後4カ月の時のことは今でも忘れられない。生後4カ月といえば、赤ちゃんのお世話にもずいぶん慣れてきた頃のある朝、息子の泣き声がかすれて無声音になっていた。

近所の小児科を受診したけれど、肺の音に異常はない。熱もない。

生後半年くらいは母親の免疫を持っているから病気にならない、と言われているしちょっと風邪なのかな、程度に思っていた。ところが、翌日には母乳を飲み込むのも苦労している様子。鼻水を吸いとれば楽になるかも、と今度は耳鼻科に連れていった。

「このままでは、喉が腫れて呼吸をするのも困難になる。呼吸ができなくなれば…」続きを言いにくそうにする耳鼻科医。顔から血の気が引くのがわかった。

「今すぐ、入院施設のある大きな病院に行ってください。すぐに紹介状を書きますし、私から電話をしておきます。待たされている間も危険なので、すぐに対応してもらってください」医師の言っていることで、どれほど緊急なことが息子に起こっているのか、そして「ただの風邪」とタカをくくっていた自分の甘さを突き付けられた気がした。

息子はそのまま入院することになり、家庭の事情を知った婦長さんが、落ち込んでいる私を元気づけようと「生後4カ月。赤ちゃんが「ママ、お世話もちょっと疲れたでしょ?そろそろ休憩しなよ」って言ってくれてるのよ」と慰めてくれたにも関わらず、

「私は休憩なんてしたくない!疲れてなんかない!お世話がしたいんです!」と怒鳴りながら号泣…。

今考えると、ホルモンバランスとかの影響で気づかぬうちに「私がちゃんとしなくちゃ!」的な気負った状態になってしまって、いっぱいいっぱいだったんだろうなぁと思う。そういうのが、育児ノイローゼにつながったりするのかも。

 

結局息子は1週間入院。病名は、クループ症候群。小さな子にはよくある病気だった。

退院の前日。小児科病棟の医師が退院後の生活について話に来てくれた時のこと。

落ち着きを取り戻した私は、今後こういうことがないようにするには、母親としてどうすべきか、をずっと考えていた。まるで試験の答え合わせをするかのように。

「私は子どもの様子を見て小児科に行きました。その時は、問題はないと言われました。でもこのような状態になってしまった。一体私はどの時点で何をすれば、こういうことにならずにすんだのでしょうか?室内の温度や湿度はどのくらいに保てばいいのですか?私にできることは何なんですか?」

気がつけば、責めるように医師に問いただしていた。

すると若い医師はこう言ったのだ。

「今回の息子さんの状況は、どの内科で診ても同じ診断だったと思います。耳鼻科の先生が見つけてくださって本当に良かったと思います。でもその前に耳鼻科にお子さんを連れて行ったお母さん、あなたの行動がとてもよかったんです。

お母さんが感じる「なにかいつもと違う」という感覚はとても大切なんです。僕たち医者の教科書には、いろんなことが書かれていますが、最後に必ず「病気が見つからなくても、母親が「なにかいつもと違う」と言ってきたときは、必ず何か病気が隠れている。だからその母親の感覚を信じてとにかく原因を探せ」と書かれているんです。

――そして、子どもが1歳を迎えるまでは、子どもの命は小児科医の責任です。決してご自分を責めないで、夜中でもいつでもいいから、何か変だと思った時は遠慮せずに病院に来てください」

 

目からうろこ。気づいたら涙がこぼれていた。

 

私は、一人で産んだから、自分一人でこの子の命を守らなくちゃ!と思っていた。

でも、違うのだ。子どもの命はみんなで守るものなのである。

本当に、私はたくさんの人たちに助けられている。



 


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