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関口 暁子 文筆家/エッセイスト doppo
大変なとき、嬉しいとき。ときに支えられ、ときには今以上に輝きを増すことができる。「言葉」というものは不思議な力を秘めています。今、私たちの目の前のステージにいる「あの著名人」も、誰にも知られず努力を重ね、感謝を繰り返し、ここまで生きてきたのです。 彼らがその長い「活躍人生」の中で支えに…
あなたに届け、輝く人の、輝く言葉(新シリーズ) ライフスタイル 2013-12-18
仕事がうまくいかないときには ~ゲーテの幸せ講座~

みなさん、こんにちは。
「ゲーテ」という偉人をご存知ですか?

ドイツの文豪であり、貴族であり、高級官僚であり、自然科学者であり、哲学者。操る言葉は6ヶ国語。天才のような彼ですが、その陰には努力と苦労と、傷つきやすい純粋な心の持ち主でした。

彼の「自分の中の原石を磨き続ける姿勢」は、都会で懸命に、でも美しく生きようと頑張る「TOKYO WOMAN」たちが知っておきたい珠玉の言葉からうかがい知ることができます。

学生時代ゲーテを学び、TOKYO WOMANのみなさんと同じように、懸命に国内外で自分なりに懸命に働いてきたからこそ、お伝えしたい「ゲーテ」があります。

さぁ、自分の内面に迷いが出たら、そっとゲーテの扉を開いてみてください。今日よりも明日、明日よりも未来に、明るく力強く生きていけるそんなあなたが待っているはずです。

人間は、努めている間は、迷うものだ。
(『ファウスト』天上の序曲より)

自分はこんなに頑張っているのに、自分は正しいことを言っているのに、なぜ理解をされないのだろう。私の仕事の仕方は間違っているのだろうか、それとも、仕事そのもの、あるいは私の中の何かが間違っているからなのか・・・。

23歳でドイツに渡り、突然、多国籍軍の社員たちをまとめつつも赤字店舗の再建を任された時、つねにこんな思いが頭を巡っていました。自分ができることは周りもできるはず。そういう思い込みもあって、私と社員の思いは噛みあわず、壊れた歯車がギシギシと音を立てているかのような絶望的な気持ちになったこともあります。

弁護士や税理士などの社外顧問がいたとはいえ、ドイツでの労務や財務の知識も(もっと言えば、日本でのそれらの知識も)なかった私は、良かれと思ってしたことで、社員から訴えられそうになり、一人、事務所で涙を流したことも。

そんなとき、私にある種の「ひらきなおり」を教えてくれたのがこの言葉です。

失敗があったっていいじゃない。周りと時おり衝突したっていいじゃない。悩んだって、迷ったっていいじゃない。だって、それは私が懸命に前に進もうと歩んでいる証なのだから…!

かのゲーテでさえ、迷いながら人生を歩んでいるのだから、ちっぽけな自分が迷うなんて、可愛いものだと、妙に納得し、肩の力が抜けました。

当時、完璧主義に陥っていた私は、「努力している人間が迷うのは当たり前だよ」というゲーテの言葉が、優しい母親がそっと背中から投げかけてくれる言葉のように心に沁み入ったのです。

この言葉を知ってから、悩み、迷いながら前に進もうとしているのは、自分だけでなく、いつも衝突していた社員だって同じなのかもしれないと思うようになり、できるだけ多くの社員の心に寄り添えるように心がけました。

自分だって迷う。あの人だって、あの部下だって、上司だって悩み苦しむ。そんな当たり前のことに気づけた時、人はほんの少しまあるく、ほんの少し母のような優しさを学び、ほんの一回り、大きくなっていく。

もしあなたが迷っているとしたら、それは頑張っている証。前を向いて生きている証。そうやって少しだけ開き直れば、今よりももっと、素直に、あなたらしく生きることができるはずです。

完成するためには、能力のほかに、なによりも機会が必要である。
(「フランスへの出征」より)

人よりもがむしゃらに働いたり、機転の利く仕事をしたり、納得のいく企画書を書けたり。自分では誰よりも頑張っているはずなのに、なぜかあの子ばかり評価される。女性だからって、仕事のできない男性の同僚ばかりにいい仕事が回ってくる。あるいは、仕事以外のことで評価が上がっていると周囲から思われている。女性なら、そんな思いを一度や二度経験したことがあるのではないでしょうか。

私もかつて、そんな思いをした一人です。幸いにも出世が人よりも早かったのはいいのですが、「お気に入りだから」「コネがあるに違いない」。周囲からのそんな心ない一言に傷ついたこともたくさんあります。

けれども、この格言との出会いで、自分は周囲から素直に評価されるステージにあがっていないのだと、素直に思えたのです。自分の中の「何か」がその機会に見合っていない。けれどもその「何か」は、未熟な自分には見えていないのだ、と。

するとどうでしょう。周囲からの言葉にも傷つかず、その言葉を「そうだよね」と素直に受け止められる自分になっていたのです。そして「その機会がくるまで、誰にも文句を言われないような実力を身につけよう」そう思いを新たにしたものです。当時20代。それまで愚痴だった事柄が、爽やかな決意に変わった瞬間でした。

そしてもう一つ、この言葉を別の方向から捉えることもできます。
自分が飛躍をするために、機会が大事だとわかっていても、私もふくめ、多くの人はそれを見分けることができるほど成熟していません。では、どうすればいいのか。

私はこう考えるようにしています。
もし、自分に頼まれごとや、仕事の依頼があったとき。できるかできないか、ではなく、目先の損得だけでもなく、とりあえず「はい」。と引き受けてみる。なぜなら、人から頼りにされているというその時こそが、ゲーテの言う「機会」なのだから。

これまで、○○社初、とか、○○社最年少という仕事を任されることが多かった私ですが、そうやってまずは一歩踏み出すことで、その先にある可能性が拓けたという経験は少なくありません。もちろん、失敗という可能性もあります。

でも「若い時の失敗は買ってでもしろ」と昔の人が言ったように、それもまた、自分の成長を手助けしてくれる貴重な経験の一つになるはずです。たくさんのチャレンジと失敗は、ダイヤの原石を磨くことと同じだと、多くの人は年老いて気づくのです。

目の前にある「機会」。まだ自分にやってこない「機会」。どちらも神様があなたの成長の時機を見計らって届けてくれる贈り物だと思いませんか。

 

 


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