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賀陽 輝代 ライフスタイルコーディネーター ワールド・チルドレンズ・ファンド・ジャパン 人生は泣いても笑っても一度きり。 たった一度だからこそ、自由に、楽しく、かつエレガントに、自分の人生をクリエイトされてはどうでしょうか。 |
会話はメインディッシュ |
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年に二回 海外で逢瀬を楽しむボーイフレンドがいる。年一回 織姫と彦星が逢瀬を楽しむのが七夕ならば、七夕プラス一回という事で私はその彼を「八夕の君」と呼んでいる。 ヨーロッパから仕事で年に二回香港へ訪れる彼と心地良い会話を楽しむ為にわざわざ旅費をかけて香港まで足を運ぶという訳である。(最も私の仕事の基盤が香港にあり、かの地に足を運ぶついでに仕事もして来ると言う合理的なパターンではあるのだが。。。。。) 「何もわざわざ香港まで足を延ばさなくても、近場の日本でボーイフレンドの一人や二人調達できないの」と言う人がいるのは御尤も、本人の私だってそう思う事しばしばなのであります。 私が時間と旅費をかけ、かの地を訪れるのは“大人の会話”と言う洒落たグルメのメインディッシュを楽しむ為。悲しいかな、日本というお子様ランチ社会で生活していると、この種の楽しみがなかなか見つからない。 そもそも私の定義の中で「大人の会話」とは何なのか? 人生の山あり谷ありをたっぷり経験し、この世の現実と理不尽を知り尽くし、それでも自分なりの「美学」を見失わず、かろうじてその両手に握り締めてきた人達だけが楽しめる空間と場にのみ、そのささやかな楽しみの世界は存在する。 洒落た会話の世界で遊ぶのにもう一つ大切なのは言葉の選択である。 五感だけに頼らず、心の中にある感性をフルに活用して直接的な表現を避ける事により、詩的でエレガントな会話が生まれる。そういう意味で日本は非常に奥の深い薀蓄のある言葉だと思う。「最近の若者は」という言い回しが大嫌いな私ではあるが、そんな私も電車の中で聞く最近の若者達の言葉遣いには思わず耳を覆いたくなる昨今である。 人は嫌が応でも年を重ね、その顔に皺の数を増やし、生を受けた瞬間から誰もが避ける事の出来ない「死」という現実へ向かって生きて行く。しかし、どのように年を重ねて行くかという選択は個の自由である。自由というのは両刃の刃のようなもので、制約があるから自由のありがたみを実感できるのであり、制約のない自由はいつまでも目的地に辿り着かない、さすらいの人のようなものである。 地球の寿命があと何十億年であろうと、“私”という個がこの地球上に存在する輝きのような瞬間ですら、ただの一度きりなのである。私達は一人一人が地球という舞台で芝居を演じる主役であり、脚本家であり、演出家である。 “Try anything, but once.” 若さはいつまでも自分の手中にあるものではない。人生の折り返し地点に差し掛かった時、過去を振り返り、「ああすれば良かった、こうすれば良かった」とかなわぬ想いに身をやつし、自分の亡霊を追うような生き方を私は良しとはしたくない。 振り掛かる波から逃げる事なく全力で戦い、しかしながら時として波に逆らわず、自然の流れに身を任す、その寛容で順応性ある対応の積み重ねが人を大きくし、包容力という魅力を身につけた大人に成長させてくれるのではないかと思う。 そんなちょっと孤独で淋しい、ロマンチックな心を失わずに年を重ねた人達が秘かに楽しむ事のできる会話は極上の大人の味である。
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玉虫色が織りなす心模様 |
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アグネス・チョウ(周庭)の香港便り〜いまの気持ち 2020〜 | |
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周 庭 学生 香港在住 |
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夢の謎を解いてみよう | |
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吉田 美智子 ユング派心理臨床家・… はこにわサロン東京 |
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人生の折り返し地点 まだ?もう? | |
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吉田 美智子 ユング派心理臨床家・… はこにわサロン東京 |