村井 えり ディレクター兼シナリオライター MURAIERI 世間知らずで勉強もできなかった私にとって、映画は多様な人生の教科書でした。心の奥深くにちょっぴりトゲが刺さるような、女性(と女優)の人生について考えさせられる作品を紹介しますので、是非一緒に考えていただけると嬉しいです。 |
ゼロ・ダーク・サーティ |
『ゼロ・ダーク・サーティ』 Zero Dark Thirty (2012) 監督 キャスリン・ビグロー 3ヶ月で辞めてしまう新入社員がいる、なんて話をよく聞くようになった昨今。ちょうど3ヶ月目にあたる6月なので、お仕事についての映画を取り上げます。といっても、仕事内容も作品内容も、一筋縄ではいかない映画ですが…。 真っ暗な中、声だけが聞こえる。2001年9月11日、米国で起きた同時多発テロで記録された音声だ。管制塔や、世界貿易センタービルにいた人々の声…。 2011年、米国海軍特殊部隊によってパキスタンで殺害されたビン・ラディン。その居所を突き止めたのがCIAの女性職員だったという実話をベースに、乾いたドキュメンタリー・タッチで綴られた、いわゆるミリタリーサスペンスである。女性観客は、普通見ないですよね、こーいう映画。ではなぜこの映画を取り上げたかというと、この手の作品としては非常に珍しく、女性が主人公であることと、女性が監督した映画だからだ。 高卒でリクルートされ、情報分析のエキスパートとなったマヤ。「お前の仕事は殺す相手を見つける仕事だ」となじられる男社会の中で生きていくために、黒のパンツスーツとレイバンのサングラスで身を固め、世界中の危険地域を飛び回り、残酷な拷問から得られる情報をひたすら分析。恋人も友人も持たず、感情はマヒしてしまったかのようだ。 ずいぶん昔、おっかしな映画を観た。銀行強盗で稼いだお金でサーフィンをする犯罪者集団と、潜入捜査官の友情(?!)を描いた『ハートブルー』(1991)。その監督が、キャスリン・ビグロー。180センチ以上の身長で、現在62歳とは思えない美貌を持ち、モデルかアスリートのようである。 話を戻して…。感情をマヒさせ生きてきたマヤは、同僚の死に接した後、ますますビン・ラディン探しにとり憑かれていく。もはや私的戦争だ。「100%あそこにいます!」と上司を怒鳴りつけ、殺害作戦を決行させることになる。もし違っていたらどうするんだろうと、なんだか最近話題のリケジョさんをも彷彿とさせる。 |
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