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鈴木 良子 コラムニスト YOSHIKO SUZUKI
すぐに「私って世界一不幸」と思うネガティブ思考の持ち主であったが、妊娠を機に一転「世界一の幸せ者」に転向。息子と二人、てんやわんやの毎日だが、心は「華麗なる二人家族」を目指そうと日々奮闘している。
華麗なる二人家族~シングルマザーの楽しい毎日~ ライフスタイル 2014-01-09
妊娠報告

突然の妊娠は本当にうれしかったが、
妊娠の発覚の1分後くらいには第1関門にぶち当たった。

「報告」である。さあ、どうするか。

4年近くも虎視眈々と妊娠を目論んでいたのに、
いざ妊娠したら相手にどう報告するか、に関しては、細部まで詰め切れていなかった。

もし妊娠したら…彼には妊娠は報告せず「他に好きな人ができたので」と言って別れ二度と会わないようにしようと思っていた。

妊娠を報告したら「結婚しよう」と言われるかもしれないし、「おろしてくれ」と言われるかもしれない。そうなったときの説得がめんどくさいな~と思ったからである。

でもいざ妊娠して予定通りの別れを告げるその瞬間になってみると、昨日まで仲良かったのに急に「好きな人ができた」といって二度と会わないというのは無理がないか?
きっと何か勘ぐられ、いろいろ問い詰められるに違いない。

彼はすっきり別れられなくなって、それこそ私が最も避けたいめんどうな状況になってしまう…と4年間の計画を突如変更せざるを得なくなった。…なんていう?もめたらどうする?
結論が出ないまま、その日は彼と会う予定が入っていた。

私が彼に妊娠報告したくなかった理由は「おろしてくれ」とだけは言われたくなかったからだ。それを言われたら、赤ちゃんはもちろん私のことも大事にしてないってことだし、そういうことを第一声で言える人が彼氏だったのかと思いたくなかったし。

でも迎えてしまった「妊娠報告の時」。

自分でもびっくりしたんだけど、自分の結論が出ないまま報告していたにも関わらず、話し始めたらよどみなく考えが出てきた。

「妊娠した。私は産む。だから堕ろせとは絶対に言うな。言ったら最後、二度と会わない。
自分で産むと決めた以上、迷惑もかけないし金銭も要求しない。別れたかったらそれでもいい。結婚しようとも言うな。私はそれが目的で妊娠したかったわけではないから。

私は子どもを産んで育ててみたかった。だからとにかく産むと決めた。その私が選んだ道に文句があるなら、別れてほしい」と流ちょうに言っていた。真面目な話をしていたのに話しながら「そう、つまりそういうことなんだよ!」と我ながら納得したくらいである。

1週間後に母親に妊娠報告した時も同じことを言って乗り切った。母には「別れてくれ」という部分を「勘当するならどうぞしてくれ。でも私は自分の道を変える気はない」と変えたが。

母は翌日、ようやく実感がわいてきたようで、泣きながら娘の決断にケチをつけていたが、「そういう話はおなかの赤ちゃんによくないので、電話を切らせていただきます」と遮断した。どんなに話したって、私の生き方が受け入れられるわけがないからだ。

会社でも大騒ぎになった。相手は社内の人間か?と相手探しが始まったくらいだ。
事情を知っていた仲のいい友人が、いろんな人に根掘り葉掘り聞かれ面倒だったようで、「まぁいわゆる、今はやりのフランス婚ってやつですよ」と答えてくれていた。

その友人の回答がのちに「相手はフランス人らしい」という噂に変わり、出産後「ハーフ?」と聞かれた時には大笑いしたが(笑)。

不思議なことに、もっと後ろ指を指されるかと思いきや、私のことをあまり悪く言う声は私の耳には入ってこなかった(陰では何か言われてたかもしれないが…)。
一番うれしかったのは、産休に入る日にもらった独身女性の上司からのメッセージである。

「私には勇気がなくてどうしてもできなかったことだから、良子の勇気すごいと思う。
だから授かった命を大事に育ててね!いろいろあると思うけどがんばれ!」

今でもこの上司のメッセージは、私の原動力になっている。





 


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