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■ 東京ウーマンインタビュー


監督、母、社長。キャリアをも演じ分ける女優の気骨 Vol.1

監督、母、社長。キャリアをも演じ分ける女優の気骨
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広田レオナ監督の独特の世界観と色彩美で男だけのファンタジーの世界を表現し、2015年2月から1年の大ロングランを記録した『お江戸のキャンディー』。その続編となる『 お江戸のキャンディー2  ロワゾー・ドゥ・パラディ(天国の鳥)篇 』が7月から下北沢トリウッド他で公開され、話題を呼んでいます。
舞台は現代の下北沢。若者達の恋、仕事、家族、何気ない日常。しかし祭りの日、彼らは突如時空を超え、100年後のEDOに紛れ込みます。EDOは男しかいない世界。そして碗田蘭人(ワンダーランド)と何かしらのハンディキャップはあるが心優しく美しい人々が暮らす闇田蔵人(アンダーグランド)の二手に分かれています。そこで起こる事件、時空を超えても変わらない「運命の恋」。そして彼らに待ち受ける運命は…。
映画の舞台となっている下北沢で、監督の広田レオナさんに、お話を伺いました。
 

ロシア文学と空想の世界が織り成す
「お江戸のキャンディー」の世界観

片岡:広田さんが監督をされた「お江戸のキャンディー1、2」を拝見しました。ストーリー、演出、撮影、編集に至るまで緻密な計算をされているのを感じます。

広田:私自身は子どもの頃からものすごく空想好きでした。身体が弱かったので、本はたくさん読んでいます。特にロシア文学が一番好きでしたので、私の作品はそこから影響を受けていますね。それだけではなく、日常プラス私の夢の中の世界というのが無限に広がっていくわけです。それをなんとか映像にできないかなという事は常に考えています。

片岡:映画を拝見して、広田さんが伝えたいと思っている世界観がはっきりと伝わってきました。画家の方でいうと、個展を観させてもらったような感覚です。
映画では、現実の声という形で桃井かおりさんや小泉今日子さんが出演しています。あのツッコミは、広田さんの世界観、妄想の世界の中にも存在したんでしょうか。

広田:ホントいうと現実の声なんていらないです。ただ分かりにくすぎるって言われるのでわかりやすくするためにつけています。演技だけでは表現しきれない部分をカバーしてくれるんですよね。

片岡:「お江戸のキャンディー2」は、現代と100年後の未来という設定で登場人物も多く、おそらく2度、3度と見ることでまた違った印象を持つ映画のような気がしました。1は1年間のロングランで、リピーター率も30%と高かったそうですね。

広田:そうですね。2は人数が多い分伏線がたくさんあるので、 1の時よりも何回も見に来ないと分からないこととか、パンフレットをよくよく見ないとわかんないということがすごくあります。そういう意味では何度も見に来ていただきたい映画ですね。

あと、これ本当にいやらしい話なのですが、何度も見に来ていただかないと、映画ってお金にならないんですよ。というよりペイできないんです。

片岡:満席になっても単館上映では売上には限界がありますしね。

広田:だから何度も来てもらわないと、毎回赤字と言うのもなんだし。もうだから、いやらしい話ですね(笑)。

片岡:でも逆にそこまでして、どうして映画を撮りたいと思うんですか?

広田:映画が好きだからですね。自分の好きな世界をやっぱり作っていきたいからですよね。撮りたい映画。もう本当にいっぱいありますから。

片岡:若手の俳優さんも多く出演しています。演技指導はご自身が今まで女優として監督に、あるいはその演出の方に言われていたようなスタイルですか。それとも、もう完全に広田さんオリジナルの指導ですか。

広田:人によってですね。今回の「お江戸のキャンディー2」は特に芝居の経験が少ない役者が多かったので、とにかく何回もやらせたり何回も走らせたりしました。感情を出すのに、体を使うのが一番なので。女優さんも、まあ、どれだけ走らせたかわかんないくらい走らせました。

片岡:テイクを重ねて、だんだん良くなりますしね。

広田:そうなんですよ、単純に泣けるんですよ、悔しいから。

 

実は後付け?広田レオナにまつわる都市伝説

片岡:広田レオナさんというと自由奔放なイメージで、作品の中でも他の方にできない役、その独自性、広田さんにしかできないキャラクターが多かったと思います。テレビのバラエティ番組では大勢の中でもしっかりと存在感、いい意味で「浮く」存在です。
特徴的なホクロも描いているという都市伝説的なうわさがありますが本当ですか?

広田:描いています。他にも、皆さんが思っている広田レオナの個性というのは後付けなんです。言動だったり不思議ちゃんみたいな、ああいうのもみんな自分をプロテクトするために作ってきたものですね。

演技に関して言えば、ベルギーにバレエで行っている間、マリリン・モンローやアル・パチーノのような有名スターが卒業したアクターズスタジオっていう学校の先生に3年間教えてもらっているので、基礎ができているんです。だから演技することはわかっていたしできていたのですが、それだけではダメですね。
ある時、女優の田中美佐子さんとご一緒した時に言われたんです。
「レオナってさ、すごいお芝居上手いけど目立たないよね。目立たなかったらさ、みんな見ないよ」って。言われて初めて「ああ、そうなんだ」と気づきました。

それで、目立つ方法って何かなあといろいろ考えて、それがホクロだったり話し方だったり、個性につながっていったんです。だから皆さんが思っている私の個性っていうのは、これはもう作ったものなのですよ、完璧に。自然なものじゃないんです。ナチュラルなものはひとつもございません(笑)。
だからまあ、皆さんお会いするとおわかりになります。「あれ、広田レオナって普通なんだ」って(笑)。

片岡:ちゃんとした会話が成り立つぞ(笑)。

広田:「なんだ、あそっか、だから社長やっているんだ」っていう…。娘も息子も、受験もちゃんとやりましたし、ほんとに普通よりもよっぽど普通なのだと思います。

片岡:社長のお話が出たところで、事務所についてもお伺いします。株式会社ジュ・デテストゥ・レ・コンコンブル(ジュデコン)の代表取締役をされていて、ホームページを見ると、普通のプロダクションと違っていて、所属されているアーティストの方が色々主体になって活動されているようですね。

広田:最初はそういう形でやっていたんですけど、色々と自分が思い描いていた理想の芸能プロダクションの在り方と変わってきましたね。ものすごくお金かかるんです。一人の人間を育てるのに。本当に自分の目指すものっていうのは難しいですね。なかなか簡単にできるものじゃないです。今はやはり吹越とあたしをマネジメントするだけで物凄い仕事量なので、それと並行して少しずつ若い人を育てている状況です。

「後悔していない」「気にするわけがない」

片岡:女優さんとしての立場と、監督として演出をされる立場は、近いようで180度違いますが、そのあたりの違和感はありませんでしたか。

広田:私自身は元々表方じゃなかったんですよ。もちろん、バレリーナだった頃って、プリマだったので表方ですし、その後も女優なので表方ではあったんですが。
17年前、はじめて監督として「DRUG GARDEN」という、エロスをテーマに何人かの監督が競作したシリーズを撮ったのですが、その時初めて、「私こっち側だ」って。ずっと思っていた女優に対しての違和感がすごくはっきり分かりました。

片岡:広田さんの場合、バレリーナとして活躍しようと思っていた10代から、怪我されて目指していたところを諦めて、そこから今度は女優さんとしていろいろテレビに出たり、活躍される様になって、今は映画監督をされたり事務所を立ち上げました。傍から見ると波乱万丈な人生ですが、ご自身の変わらないところはどういうところだと思われますか。

広田:「後悔していない」ってことですかね。どんなことがあっても。

片岡:素敵ですね。広田さんみたいになりたいっていう人多いのです。僕の同世代或いはちょっと上の女性で、嫌いっていう人いないですね。

広田:「個性的」って言われているところは変であったりとかもするのですが、好いてくれている人もいれば、不快感を持つ人もいます。それを良く思ってくださる方もたくさんいます。ただ、私自身は、私のことが嫌いっていう人がたくさんいても、私の映画を嫌いだって言う人がいても何とも思わないのです。

片岡:それは、気にしないことにしているのですか?

広田:「気にしないことにしている」のではなくて。「気にするわけがない」のです。

片岡:なぜですか?

広田:だって私の世界観ですから、絶対的な自信があるわけで。人はみんな個性的で、いろんな好みを持っているじゃないですか。そして、みんな自分の好みを尊重します。人それぞれです。


 

 


 


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