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■ 東京ウーマンインタビュー


グローバルで活躍する人材とは Vol.1

 

川嶋治子さん


Institute of Women's Leadership 創設者 
ウーマンズ リーダーシップ インスティテュート株式会社 代表取締役社長 
オーセンティック・リーダーシッププログラム ATAIRU JAPAN代表 
市長秘書を経て、現職。 
グローバル企業における女性役員・上級管理職(エグゼクティブ・ポジション)以上の女性達へのリーダーシップトレーニング及びメンタリングを提供する唯一の日本人コーチ・トレーナー。 
「Whole Life(人生すべて)」をテーマに、パーソナルライフとプロフェッショナルライフの充実を生み出すリーダーシップトレーニングを専門とする。 
トレーニング実績は国内上場企業及びグローバル企業40社以上、若手層から経営層までのべ10,000人を超える。

久多良木香里さん


Ecole de crea株式会社 代表取締役社長 
ヒューマン・リレーションコンサルタント 
対話型コミュニケーション・ホスピタリティー・マナーをテーマとした研修・講演活動・サロン主宰 
経営者・医師・弁護士・政治家など、リーダーへの個人コーチングセッション 
(個人コーチング実績記録:クライアント数50名以上・1300時間を超える) 
東洋と西洋文化思想の融合と、それらを根底にした新しいスタイルの人材教育を提案。日本古来の哲学をヒントに 「文化の違う人とのコミュニケーションの難しさ」をひも解き、人間関係の風通しを良くする目的の個人コーチング・研修・セミナー事業を行っている。 
様々な価値観の違う人々がチームとしてパフォーマンスを上げ、世界基準の哲学を持ち 異文化交渉を可能にするグローバルな人材を作ることを目指しています。

■ICF国際コーチ連盟認定コーチ(ACC) 
■米国インスケープ社プログラムHRD(株)認定Disc  Certified  トレーナー 
■ヘルスコーチ・ジャパン認定メンタルコーチ・ヘルスコーチ

小熊弥生さん 


同時通訳者、モチベーションアップセミナー講師。 
短大卒業後に通訳者を目指すも、英語力はTOEIC280点と最低レベル。だが、夢をあきらめずに、独自の42ルール勉強法により3年後に通訳者デビューを果たし、「英語に苦戦する日本人」の模範になる。現在はフリーの同時通訳者として、経済、産業、環境、医学、エンターテイメント、政治など幅広い分野で日本と海外の橋渡しとなっている。世界的ベストセラー作家のアンソニー・ロビンズ氏やノーベル物理学賞受賞者のホースト•ルドヴィグ•ストーマー博士の来日公演など有名企業CEO来日記念取材などで通訳を務める。自身の経験をベースにした英語学習への意欲を引き出す講演、「モチベーションアップセミナー」、「超スピード学習法セミナー」では、参加者の99%が満足したと好評を得ている。処女作ベストセラー『TOEICテスト280点だった私が半年で800点、3年で同時通訳者になれた42のルール』(幻冬舎)は出版後7ヶ月で8万部、二冊目の『英語が面白くてやめられない感動マスターマップ学習法』は2012年4月に発売後一週間で2万3000部を突破。テレビや雑誌などメディアの露出も多数。 

 

◆ グローバルで活躍するための定義

谷本:本日はご自身がグローバルで活躍していたり、グローバルで活躍する人を応援していたり、そういう方を間近で見ているという方たちに「グローバル人材」についてお話をお伺いしていきたいと思います。まず、グローバルで活躍するための、もしくはグローバル人の定義みたいなところを小熊さんからお聞かせ頂けますか?

小熊:私が思うグローバル人材の一番の必須要件は、異文化に対する理解、それに対して心を開いていられるのかどうか、価値観が違う、日本の常識は世界の非常識である可能性があるというところを疑って、確認していくことができるかどうかというところだと思っています。
例えば「納期はこの日です」と日本人が言った時には、そのまま納期は確実に守られるものという風に思いますが、国によっては約束事に対する重みというものが違います。特に南米の場合は、重みというものがかなり薄かったりするんですね。納期、あるいは自分が出社する約束をしていた時に来ないといったことも、オリンピックやワールドカップの主催の時にさえあるということなので、そういう異文化の中にある、日本とは違う要素というのを常に疑って、確認する姿勢というのが一番必要かなと思います。

谷本:川嶋さんはいかがですか?

川嶋:私は「自分を持っている」ということが一番だと思っています。国や文化、普段の習慣を超えて人と繋がれるか、自分の考えをきちんと表現できるか、ひとりの人として自分を持って、違いを受け入れたり、人と関係性を築きながら、プロとして成果を出せるか、というところが大事だと思っています。

谷本:久多良木さんいかがでしょう?

久多良木:私の場合は、自分が海外で活躍している訳ではありませんので、あくまでも日本国内で研修する立場、あるいは外資系の企業に行って研修する際に感じた視点からお話をさせて戴きます。例えば語学が堪能な方が多い外資系の企業におきましても議論を交わして互いの力を合わせなくてはいけない場面になると、「対話が対立になってしまう」と感じる事が多くあります。意外に、自分と違う意見の人の多様性を受け入れられないような・・・。このため、もっと「世界基準の正しさとは」ということを勉強していくことで、ディベート力を高め、交渉に強い対話力のある人材を育てていく事が、真のグローバル人に大切だと感じます。

谷本:実際にグローバル人材になるために何を身につけたら良いでしょうか?

 


小熊弥生さん
小熊:「物事に対する様々な視点を持つ」ことがすごく大切だなと思います。もちろん、英語力はあるに越したことはないと思います。英語で書かれている様々な文献や文字化されている情報を読むことによって、必要としている複眼的な視点や異文化の情報がたくさん入ってきますから。けれども、通訳を使う、翻訳者を使うということは決して悪い選択肢ではないと思います。語学的にハンデがあっても、いろいろな国の文化を知ろうと思って、文献を見る、映画を見る、そういう国の人たちが集まっているところに足を運んでみることはできます。 
私の主人はスペイン語を勉強しているのですが、スペイン人の踊りの文化、例えばフラメンコ等を通して透けて見える彼らの歴史や価値観というものが分かってくると、なぜそういう風にスペイン人が発想をするのか、犯罪率は低くないけれども実はすごく人間味溢れるところは、過去の社会的な戦いの歴史から来ているものだとか、そういったところも理解することができますし、そのことが仕事の時に役立つということはあると思います。知ろうとする好奇心ですね。 
もちろん自分自身が法律の案件で仕事をするのであれば当然スペインの法制度を勉強しなければなりませんが、その背後に隠れる思想、食文化でもよし、あるいは芸術的な文化でもよし、自分自身が興味を持てるところから少しずつ文化を理解することができれば、相手も「スペインの文化を勉強してきてくれたんだね。ありがとう」と思って、心が開きやすくなり、よりよい関係を構築した後で商談をすることができると思います。あるアメリカの大学の調査だと、35%成約率が上がるという数値も出ています。なので、「知ろうとする好奇心」これは大切だと思います。

 

谷本:川嶋さんは色々海外にも多く行かれて、実際に異文化コミュニケーションの中に身を置かれているわけですが、その時にこんなことがあったとか、こんなことに気をつけていたらうまくいったなどの事例はありますか?

川嶋:先日プラハへ行ってきたのですが、GoogleやIBM等グローバル企業の役員女性達にリーダーシップトレーニングを提供している国際機関の日本代表に就任することになり、その契約やヨーロッパのクライアント企業の方達とお会いしたり、実際のトレーニングに参画するのが主な目的です。通訳をつけるかどうかを考えていたら、「治子の英語はパーフェクト。十分どこに出しても恥ずかしくないよ」とプラハのパートナーに言われて、通訳なしで行ってきました。 
今思えば、フォーブスなど経済誌にも最も影響力のある女性として多く取り上げられている彼女達との対談に、よく通訳なしで行ったなと思うのですが、結果、それが人間関係を築く上で大きくプラスに作用しました。自分の専門分野になるとどこまでも話せるし、相手が言っていることを「言葉を超えて解る」ところがあって、自分のパッションがあるところは、物おじせずコミュニケーションができるんですよね。実際、彼女達からも、なぜ治子とはこんなに深く、考えていることや世界観が共有できるのか、と感動されました。 
今回一番思ったのは、ビジネスにおいては、通訳の方を入れたほうがいい場合もあると思うのですが、「自分の言葉で話す」「自分の言葉で相手と繋がる」ということが、人との関係性を作って、その先ビジネスとして発展していく、というところを考えると、生身の一人の人間として行ってよかったな、という実感があります。現地でも、パートナー達とはもちろん、クライアント企業のトップの方達とも、治子の夢は何?とか、ビジョンは何?、大事にしていることは何?と、お互いの人生観やパーソナリティに触れるような会話ばかりしていて、「人としての私を理解したい」し、「人としてのあなたを私も理解したい」というところからスタートしたというのが、上手くいった一番の要因だったのではないかなと思います。

◆日本流哲学は存在する

谷本:相手のことを良く知りたい、詳しく知りたいという思いは日本のビジネスの中ではなかなかないですよね。特に相手のことを知らなくても肩書きを見れば済んでしまう話だったりします。文化的にないことをこれから我々がしなければ、グローバル人材になれない状況にあるというように聞こえてきたのですが、久多良木さん、実際、グローバル人材を育てる現場で、感じられることはありますか?

 


久多良木香里さん
久多良木:おっしゃるように「相手を知る」という点におきましては、日本人の弱さを感じますね。先ほども少し触れましたが、肩書や表面的なイメージで相手の発言や思想を決めつけてしまい、それ以上深い所を「知りたい」と思うことなく会話が進んでしまう。加えて「察しの文化思想」が双方の思い違いや誤解を生みだして、コミュニケーションエラーが加速しているように感じています。日本に居ながらにして、なぜ私がそう感じたかというのは、育った環境が影響しています。私は子供のころにピアニストを目指していましたので、海外に出る準備をするための教育を受ける環境にありました。実は、純日本人っぽい教育を受けていなかったんです。その後ピアニストへの道をあきらめて、いきなり普通教育に入りましたので日本に居ながらにして海外と日本を行き来したみたいな感覚を体験し、コミュニケーション面で苦労しました。その時に父から渡されたのが哲学の本です。ニーチェ等哲学の思想を、辞書を片手に苦しみながら学んだことが頭の中が外人みたいなところで混乱している私を、救ってくれました。 
グローバルな人材も、各国のアイデンティティの正しい理解と、その特徴を正確に捉えたうえで「違う文化を知り、尊重して対話していく」事が、自信をもって世界に通用する日本人を作るのではないかと感じます。そのためサロン教育ですとか、人材教育の中に哲学を入れています。世界に通用する日本の人材を育成するためにも、ただ海外の真似をするのではなく、古来から宗教を持たない日本人の精神や倫理感・哲学が、何により生み出されているのか?を洗い出していく事に、答えがある気がしています。 
日本の文化を徹底的に研究した結果、本来弱いと感じる日本人のディベート力は、年中行事などを通して、人様を大切に思いやりながらも狭い世界で生きていく「おもてなしの精神」の中に、すでに備わっていると感じます。違う価値観を持つ人を受け入れるという、神道の中の「八百万の神」的な精神がそれに当たります。神道とは、生きる道しるべであり「~道」、茶道、華道、武士道とか、皆道と書くのですが、これですよという答えがない教え方、「自分たちがそれを体験しながら学んでいきなさい」というあいまいな教えの為に、年中行事が簡略化された現代においては、解釈が難しいと思います。このために、日本哲学が浸透しにくい原因となり世界に伝わりにくい概念になってしまっている。もしかしたら日本人が自信を持てない、もしくは、日本哲学というものがあまり重要に感じられないという原点は、ここにあるのではないでしょうか。 
対して、西洋の人たちは西洋哲学が幼いころから教育に織り込まれており、その哲学を学びながら仕事に生かしていたり、人を大切にしたりすることのベースが倫理観として身についておりお互いの違う文化哲学に関して、違いを超えて理解しようという姿勢を生み出しています。つまり、自国の文化哲学の理解は、真の多様性をもたらし、対話力を生み出すわけです。それが日本には欠けていると思うので、日本がもっとやらなければいけないことは哲学的な教育、もしくは日本の哲学に興味を持ち身近なところから紐解いていくことが大事なのだと感じています。 
 

インタビュアー 谷本有香
谷本:小熊さんはまさにその海外と日本の接点にいつもいらっしゃいますね。日本人は情報収集やこの国を知ろうという気持ちは元々強い国民性のような気がするのですが、反対に発信をすることに関しては、やっぱり凄く遅れているような気がします。現場ではどのように見られますか。

 


小熊:哲学の話に関連して、ガー・レイノルズさんという、「プレゼンテーションzen」の著者の方、世界的なベストセラーの方の通訳をしていた時のことを思い出しました。彼は、日本に20数年在住で、アップルにも勤務されたことがあるアメリカ人の方ですが、「日本人に、禅って何って聞いても答えられない。だけど、禅っていうのは毎日の中にあふれているんだ」とおっしゃられたんですね。私は、それが今の「日本人に哲学があるけれども定義がなされていないので発信できない」という現状だと思います。それは先ほど久多良木さんがおっしゃっていた、自分がないという言い方、これは国自身に自分がない、顔がないというところとすごく共通項があって、自己認識不足、自己分析不足だと思います。敵を知り、己を知れば、百戦危うからずなので、己を知ることによってもう少し自分を持つことができて、発信力というのも上がってくるのかなと思います。でも、そのためには外へ出たり、あるいは外の文献に触れて、何が自分と違うんだろうかと分析して、自分自身の考えはこうなんだっていうことを文字化して認識していくことが発信力に繋がると思います。 

谷本:これまでは発信しなくても、経済もうまく回っていたし、発信する必要が無かったのかもしれないということでしょうか。 

小熊:20世紀、高度成長期は「個」というのが重視されない仕組みでやって来たじゃないですか。会社がある意味主体となって、戦時中はお国であったのが、高度成長期は企業になって。けれども、インターネットの登場によって、グローバルはフラット化されました。後に出てくるのは個の時代です。なので、今こそ発信力を、それぞれの個が高めていかなければいけない時代になってきたという背景だと私は思います。 

谷本:スティーブ・ジョブズが禅をやっていたというところから逆輸入的に入ってきたり、アニメもそうかもしれませんが、自分たちがこれって言わなくても、勝手に海外にいる方が気付いて、日本の良さを見直してくれるところもあるような気がします。 
川嶋さんご自身がいろいろな海外の人と触れられていていた中で、日本の良さや、日本人のアイデンティティーに関して気付きはありましたか。 

川嶋:アニメは、どこの国に行ってもそこが切り口になって先方から話題が出たり、ご自宅に伺うと家に禅の本や、仏像のような置物が置いてあったりして、それらが日本について話すきっかけになりやすいというのは、感じるところがあります。禅のマインドや所作、おもてなしの心等、本当にちょっとしたところ、日本人は当たり前にしていることを、海外の色々な国の人と接するとすごく喜んでくださる。小熊さんがおっしゃるように、違う文化に触れることによって、日本人の私が持っている、もしくは日本人自体が持っている文化や習慣は、こんなにも感動を与えるんだなというのを感じます。 

谷本:すごくわかります。小熊さんは言語を扱う方として、言語化できないと伝えられないこと、おもてなしにしろ、気遣いにしろ、そういったところに歯がゆさを感じたことはないですか? 

小熊:ちょうど昨日も、「異次元の緩和」をどうやって訳すかが通訳間で話題になりました。unprecedentedという英語に訳す人が大多数の中、実際には、「先例のない」という意味なので若干違うよねということで、エコノミストでは、different dimensionっていう本当に異次元ってそのままで訳していたんですよ(笑)。 
日本語の言葉って残念ながらほとんどが同質の文化のじゃないですか。もちろん、アイヌや在日韓国人の方とか、色々な国の方が混ざっているのは事実なのですけれども、大多数を言えば日本人であるっていうところで、一つのふわっとした言葉、例えば「サクラサク」って言った瞬間に、桜がパーっと咲くといったイメージプラス、合格した時の喜びまで感じられちゃうという、それぞれのバックグラウンドが一緒に近いというところが言葉に入っているのですよね。 
それに対して、アメリカあるいは英語文化で言うと、イギリスについても、アメリカについても、ものすごい異質文化なので、じゃあ、conjunctionっていって、交通渋滞を思い浮かべる人もいれば、通信がなかなか繋がらない状態を思い浮かべる人もいるし、もう千差万別です。だからそこで、もう少し具体的に、traffic conjunction(交通渋滞)なのか、network conjunction(輻輳)なのか、それともnasal conjunction(鼻づまり)っていう話なのかっていうことを、言葉で補って明確化しようとする。そもそも、皆語感が一致してないですよね、日本の場合は前提的な理解があるところからスタートしている言葉の文化なので、そういう意味で、同質文化の、ある意味贅沢な悩みという感じがします。だからこそ、異と交わるように自分自身を外に連れていく、川嶋さんのようにいろいろな所に行くというのは、すごくいいと思います。と同時に、先ほどおっしゃられていたような、日本の文化を知ろうとする、この2つを組み合わせていくと、もう本当にグローバル人材として、鬼に金棒だと思いますね。問われた時に、日本の文化を説明できる、かつ自分もある。これがやはり理想的だなと私は思います。

◆多様性の受け入れと察し

谷本:今アベノミクスでも女性活用をすごく推進していますが、女性活用って、ひいては多様性の受け入れのことですよね。この点について、久多良木さんは今どのような活動をされていますか。

久多良木:はい。私は女性特有の心理を組織にいかに生かすか?について、セミナーや研修という形で伝える活動をしております。女性活用の妨げにもなる「多様性が苦手な日本人の現状」についても、お話させて頂いてもよろしいですか?まず、日本特有の「察しの文化」が「自分基準の正しさで相手と会話を交わす」ことにつながり、多様性の理解の妨げを生み出すと感じています。でも本当は、例えばヨーロッパの文化はギリシャ神話の元になっているように、日本の文化は、神道が元になっているんですね。日本の神道というところで考えると、元々八百万の神は、いろいろなことを受け入れましょうという考え方ですので、実はキリスト教や色々な他の文化も含め多様性を受け入れる思想はすでに日本人のアイデンティティの中に組み込まれています。にもかかわらず、それらを相手に「伝える」という場面において「言挙げせず」の精神=言わなくても相手に伝わるように曖昧に伝える。という、暗黙のうちに交わされるコミュニケーションスタイルの習慣が、数多くのエラーや誤解を生じています。つまり、「察しの文化思想」が多様性を受け入れるチャンスを失う原因になっているというわけです。「相手を察して言わない」とか、「相手を察して気遣って、知らない間に心を配る」などの習慣は、昔の年中行事や暮らしのスタイルのなかでのみ成立するコミュニケーションというわけです。日本の場合は多神教の文化を受け入れる適応力は大変高いと思います。しかしながら、伝える時に「察し」になってしまうので、多様性を持っているように海外の人たちには見えないでしょうね。彼らには、日本人はすごく頭が固くて自分の国だけ、自己の主張だけをしているように映っている事でしょう。さらに、日本の文化をあまり把握していない日本人が海外に出ているので、日本の説明ができずにいろいろな問題や誤解が生じてしまうということがあります。日本人自身が、日本人のアイデンティティーを全然理解していないという、そこに問題点があると感じますね。

谷本:川嶋さんはコーチングでたくさんの方にお会いすると思いますが、日本人は自分の個性がなんなのかということさえも、多分問われないで大人になる国民じゃないですか。そんな中で、どうやって個性に向き合ったらいいのか、もしくは自分の個性が他と違っても、受け入れていいんだっていうことを意識するために、どうやってアプローチされているのですか?


川嶋治子さん
川嶋:そうですね。私がよく話すのは、私たちは同じ日本人で、同じ肌の色で、同じ言葉を話しているけど、もともと個体としては一人ひとり違うんだよというのを、当たり前のことかもしれないですけど、何度も伝えます。「違う」という前提で考えると、では、あなたの個性って何とか、強みって何とか、周りの人から「こういうところがありがたい」って言われたところが長所だったり、才能が隠れているところだったりという発見があります。「同じ」という前提の中で自分の個性を探そうとすると見つけにくいけれど、「もともと違うよね」という前提で見れば、個性がみつかりやすくなるし、違うからこそお互いが活かし合えたり、相乗効果が生まれて、チームとか組織っていいんだよねっていう話をします。個性というと、その人の持ち味とか、才能とか強みなどが代表的ですが、もう一つ私がすごく大事にしているのは、パッションとか、「理屈じゃなくこれをやりたい」という想いや、人生において大事にしいてるもの、自分の中の「熱があるところは何か」という点も、すごくアプローチしたりしますね。それらも、その人の個性とか人生を作っていたり、人に与えるインパクトを作っていたりします。どんなインパクトが周囲に届くかも個性だと私は思っているので、アプローチするのはそのあたりですね。

 


 

 


 


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