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関口 暁子 文筆家/エッセイスト doppo
大変なとき、嬉しいとき。ときに支えられ、ときには今以上に輝きを増すことができる。「言葉」というものは不思議な力を秘めています。今、私たちの目の前のステージにいる「あの著名人」も、誰にも知られず努力を重ね、感謝を繰り返し、ここまで生きてきたのです。 彼らがその長い「活躍人生」の中で支えに…
あなたに届け、輝く人の、輝く言葉(新シリーズ) キャリアアップ 2019-07-17
あなたらしく生きるために~バックの言葉⑦

7月も半ばになりました。

時が経つのは早いもので、もう1年の半分が過ぎてしまったことになります。

日本人にとって1月は、年の始まりですが、4月もまた新しいスタートの季節です。

その2か月後にやってくる「一年の半分」という時期は、なんとなく見過ごされがちですね。

蒸し暑い、ときには肌寒い梅雨を終え、熱く長い夏がやってくると、気がつけば秋の声が聞こえてきます。

そうなって初めて、「あ!もう少しで1年が終わってしまう!」と焦り出すのは、毎年の私のお決まりごとです。褒められたことではありませんね(苦笑)。

そうならないようにと、バックの言葉を借りて、身を引き締めたい思いです。

これまでご紹介してきたように、バックの言葉(このシリーズでは『イリュージョン』での言葉)は、とても前向きで、お尻を叩かれるようなものばかりです。

それもそのはず、作中の『救世主入門』の言葉から選んでいるのですから。

救世主になるためには、漫然と生きていてはいけません。

私たちは、スーパーマンや、地球を救ってくれるウルトラマンや、悪の世界から守ってくれる仮面ライダーのような救世主にはなかなかなれるものではありません。

でも、自分自身を救う救世主だったら?

その大役は、自分自身が果たさなければなりません。

世の中には、自分自身の身に何か起きて困り果てたり、あるいは何も起きないことに苛立ちを覚え、誰かが何かをしてくれないかな、と指をくわえている人がいます。

指をくわえているだけならまだしも、その苛立ちや不安を、不満という別の感情に置き換えて、他者のせいにしたり、被害妄想に陥ったり、他者を逆恨みするという思いを抱き、最悪の場合は行動に移してしまう人もいます。

人は誰しも、いつでも100点満点の強い存在ではありません。

誰かのせいにしてみたくなったり、自分に原因があると思いたくなくなったりすることは、誰にでもあることでしょう。

けれども、いつまでもそれでいいわけではありません。

多くの人は、ときにネガティブになることがあっても、何とか自分自身を救おうと自問し、努力をし、行動をし、その結果、他者から救いの手が伸べられることがあったという経験があるはずです。

その救いの手は、誰にでも差し伸べられるのでしょうか?

運が良かったから差し伸べられるのでしょうか?

もちろん、違いますね。

なぜ、救いの手が伸べられたのか、それは努力した人が自分の力で手繰り寄せた手なのです。形に見えないからこそ、昔の人は「おてんとうさまは見ている」と言いました。

良いことも、悪いことも、ちゃんと自分に跳ね返ってくる、というわけです。

さて、同じシチュエーションでも、人によってはまったく考え方や対処の仕方が違うことがあります。それは、その人の選択の自由です。

『救世主入門』では、こう表現しています。

 

いつも君は白い紙を持っている。

それはほとんどの場合、計算のための用紙として使用される。

しかし、もし君が望むなら

そこに現実を書きこむことが可能だ。

意味のないこと。嘘。

何でも書き込むことができる。

そして、もちろん、

破り捨てるのも自由だ。

 

私たちの周りには、いつものように、何気ない顔をして、いつもの機会、いつもの場所、いつもの人が存在しています。

何も考えずに、「いつものように」接し、いつものように活用したり、いつものように活用しなかったりすることができます。

しかし、もともと何も考えずにしていることなので、それが有意義な活用か、それとも機会や時間を無駄にしているのか、そもそもそれが手元に必要かという判断さえ、頭では行っていません。

こうして、あなたの大切な時間が食いつぶされていきます。

こうした「いつもの」「なんとなく」という漫然を、『救世主入門』は嫌います。

本当に誰かを、何かを、あるいは自分自身を救いたいのであれば、

目の前にある「それ」が何のためにあるのか、自分だったら何のために使うのが相応しいのか、そもそも必要なのかを考える習慣を身に付けなければいけない、と諭すのです。

どんな判断でも、自分が必要と思ってした判断であれば、きっと人生の肥やしになるでしょう。

何となく、漫然と過ごしているなと感じているならば、そしてその生活から一歩踏み出したいと感じているならば、

一つひとつの行動や事象を、一度「白い紙」に置き換えてみましょう。

あなたの前の「白い紙」は何でしょうか?

 

無駄な時間? 

寂しいからという理由で惰性でつき合っている恋人? 

とくに考えもせずに「前からやっているから」という前例主義でしてしまう作業や仕事?

みんながやっているから、と特に考えずに自分も追随してしまう何か?

 

必要な無駄だってあるし、必要な失敗もあります。

大切なのは、「本当にそれが必要」と、自分自身が納得できるかどうかです。

納得できないのなら……。

「破り捨てるのも自由だ」。

 

さあ、一年もあと半分を切ってしまいました。

私も今一度、毎日の忙しい生活に「白い紙」が転がっていないかをチェックしてみたいと思います。

充実した実りある人生のために、大切なものを、不要なもののために消費してしまわないように。

あなたの毎日も、素敵な「紙」(神)で満ち溢れますように!

 

Schoenen Tag noch!


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