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■ 東京ウーマンインタビュー


「仕掛人」が語る、ネットとテレビの過去・現在・未来Vol.2

ハリウッドが手掛けるアメリカのドラマ制作
アメリカのテレビ映画は1960年代から90年代半ばまでフィンシンルール(Fin-Syn Rule)という、3大ネットワークのゴールデンタイムにおける番組制作の一定量を社外で作らせるよう定めた法令がありました。

それでABC、NBC、CBS3大ネットワークのテレビ映画は全部ハリウッドが窓口で作ってたんです。ホワイトハウスに優秀なロビイストを放り込んだ。それでも、1970年前後ハリウッド製のテレビ映画も段々視聴率不調になってくる。

でもハリウッドはVHSやDVDの録画再生メディアの普及もあって、テレビドラマは世界的なビッグビジネスになってくると予測して、その後、徹底的に構造改革して無名新人のスピルバーグに「刑事コロンボ」のレギュラー1発目を撮らせたり、デビッド・リンチみたいなアーティスト監督の「ツインピークス」等が出て、映画の一流の人材をガンガン入れてくるようになり、極めつけは「ER・緊急救命室」のマイクル・クライトンが出てきたリするわけですよ。「ジュラシック・パーク」等を書いたベストセラ一作家です。

最近ではネットフリックスなんか、これもハリウッド人脈の「ドラゴン・タトゥーの女」や「ゴーン・ガール」のデビットフィンチャーで「ハウス・オブ・カード」を撮らせたりとか。特に「ER」は、脚本からスタッフ、俳優、シーズン15近くまであるんですよね。

ギャンブル性の高い映画やるより安定収入のテレビコンテンツで何十倍も儲かるって話じゃないですか。テレビは初期投資も少なくリスクが低い。ダメならシーズン1で止めれば良い。だから安全でヒットすればレンタル・セルも含めて大儲け。だから一流の人も集まる。実に頭がいい。

一方、FCC(連邦通信委員会)が戦略的に作ったケーブルテレビは有料で放送基準にあまり縛られていないんで、結構好きなもの作れるんですよね。例えば、HBOは「セックス・アンド・ザ・シティ 」のようなガールズ・トークみたいな『昨日寝た男がこんな奴だった。』とか赤裸々な話もできたりなんかするわけですよね。日本の「テラス・ハウス」みたいに中途半端じゃない(笑)。

だからコンテンツに多様性がある。麻薬あり、銃撃戦あり、殺人あり、不倫ありみたいな。「デスパレートな妻たち」なんていうのも、あれは地上波だったと思うんですけども、上品にギリギリの線を狙ってタブーや不可触領域に踏み込んだからやっぱりあれで息を吹き返しましたよね。あの時期からのハリウッド製テレビドラマの復活は絶対だれか仕掛け人がいるはずなんですよ。そうしないとああいう風にはならないですからね。

ちょっと最近ではケーブルだけど「ブレイキング・バッド」という番組は、貧困と病気で追い詰められた高校教師が品質抜群の麻薬を作って大金持ちになるという話で、家族を救ってハッピーエンドという、なんだこれはって思うんだけどやっぱり面白い。人間にはこういう公序良俗に反するモノも見たいと言う欲求がある。でもあのドラマ非日常を描きながら不思議なリアリティーがあるんですよね。
バッシングを恐れるな!テレビはもっと面白くなれる
日本のテレビ面白くなくなったと言われますが、よく考えれば、テレビはもっと面白くなると思うんですよね。あまりにもビビりすぎているというのが原因でもあるし、冒険をしないということもあるし、後はある種、テレビ局が少々芸能界の交通整理に追われている。

なんとか事務所がどうのこうの、なんとか興業がどうのこうの、みたいなことで。そうすると「この企画面白いんじゃない、主人公麻薬中毒でさみたいな」そんなのできない。不倫ドラマも今やろうなんて言ったら狂人扱いでしょう。人間の不条理さが描けるのに。

昔、日活がスター至上主義に溺れて映画の内容を軽視しましたね。「観客は映画の中味を観に来るのではなく、スターをみにくる」って偉い人が言って。日活はあれで完全にダメになり、一回倒産しました。僕は企画をしっかり固めて内容に合致した人を放り込めば失敗する確率は低くなると言うのが基本だと思うのですが。

かと言って、放送基準に外れたことだけをやればいいというわけじゃなくて、「冒険ができるかどうか」という問題なんです。地上波が面白くなくなったって言って、みんなシュンとしているような感じがあるとすればそれは間違いで、導く人がいればうまくいくんじゃないかなと思っているんですよね。でもそのためにはなんでもかんでも怖がって放送することを恐れてはいけない。

例えば森三中の大島さんが出産する瞬間の顔を放送したからと言って、ネットで一部話題になっているのを、週刊誌が大島さんのギャラを日本テレビがその回だけ上げたとかデタラメ並べて、メディア研究の大学教授のコメントを載せて「日本テレビ何を考えてるんだー。」って書いたりしましたが、僕はふざけんなと思う。

僕はあの映像はあんまり好きじゃなかったけど、ただそんなことにいちいちいちゃもんをつけてたら、何もできないじゃないかという風に思います。「ビビるな日本テレビ」と思っていました。大島さんのご主人の放送作家・鈴木おさむ君が「批判をいちいち恐れていては、本当に面白いものは出来ない。」と反論してましたが、その通りだと思いました。

片岡:最近週刊誌もネットも、嫌いなものに対するバッシングが、今までなら黙って見なきゃいいって話たったんですけど、必ず攻撃的に出てきますね。

加藤:すべてにおいて寛容さがなくなってる感じがあるんですよね。社会全体なのかもしれないですけど。

吉川:この間NHKの首都圏ネットワークという番組を見てたら、「過剰反応社会日本」という特集で、例えば子供の学習ノートに昆虫の絵が飾ってある、それがもう気持ち悪いからやめてくれって。他にも「夏休みの宿題を出しすぎると塾の勉強がおろそかになる」とか、要するに一事が万事、そんな感じでそれをまた中間の人が良くないんですけど、真摯に受け止める。NHKがそんな特集やってるぐらいだから、ホントはみんな困ってるはずなんですよね。

加藤:まじめすぎるんですよね。

吉川:まじめすぎてクレーム対応を間違ってる。自慢する訳ではないですけど、うちなんかはそういう意味いうとクレーム対応なんかほとんどしてないですからね、よほどのことがない限り。配信画像に番組にネガティブなユーザーコメントも平気で流していますし、「文句があるなら弾幕で流して」と。

もちろん監督官庁も法令も違うしインターネットの企業だということもあるんですが、外線電話にかけてもなかなか担当者につながらなくて。あとは全部個人携帯で仕事していて番号もちろん原則非公開なんで。だから代表に電話かかってきても総務の人が出て、ほとんど「担当者につながらないのですが・・・」みたいな感じなんですよ。

それと、時々わざとクレームが起きそうなことをするんですよ。ギリギリの範囲でね。そうすると、連絡も付かないしクレーマーが諦めて来なくなるんですよね。これはおそらく川上さんが「クレーマーなんかに相手にしてたら、面白いもの作れるはずないじゃん」というポリシーがあるので、意図的にしてるんですよね。もちろん何でもかんでも流しているわけではない。そこら辺はなかなか川上さんの哲学もあるし、思想もあるし、知恵者だなって感じはしますね。

片岡:多分その辺りが「お客さんの声を聞いた方がいいスーパーマーケットとか量販店とか物を売る商売」と、「エンターテインメント、最後はクリエイティブで勝負する会社」との違いなのかなという感じはしますね。どっちもある程度は聞いた方がいいし、どっちとも全部聞いてたらビジネスにならないと思います。ドラマの出演者をいくら世論調査やったって決めらんないのと一緒で。

吉川:それか誰か独裁的な権力持った人がえいやって、直感で決めるしかないですよね。

片岡:そういう人がいなくなってるのかなという気はしますけどね。みんな合議制みたいになっちゃって。

吉川:こないだ、テレビ局の後輩の30才ぐらいの若いやつがフラッとDVD持ってやって来て「やっとゴールデンで番組やったんですよ」というんです。大分前、彼の最初の企画書を見せてもらっていた時、まあまあ面白かった。

一応「放送までに何回書き直したんだ?」って聞いたら、「この企画書通すまで3年、20回ぐらい書き直しました」と言ってました。「お前信用されてないの?」って言ったら、「そうじゃないんですよ。うちの会社のシステムがそうなんですよ」って。昔が良かったという話ですべて済ませられないんですけどね。

先にお話しした中国の紅白歌合戦についていえば、「中国紅白。本土で視聴者が7億人いるんですけど、これやります?」みたいな。口頭で伝えて、3秒で「やろう」って結論が出て、「後で資料送ります。」みたいな感じです。

片岡:YES、NOですよね。

吉川:逆に、2か月ぐらい必死で考えた企画を川上さんにペラ1で見せたら、「ニコ動でやる意味あんの?」と一行メールが。いずれにしても結論が早くていいなと思います。傷つきますけどね。すごい傷つくけど。(笑)

片岡:そういうことなんですよね。そこでやらなきゃいけない理由がないものをわざわざやったって他で見られるわけですから。わかりやすいですね。

吉川:そして芸能界もね、ネットメディアでも十分に大切にしなければならないのは理解しているけど、あんまりがっしり付き合っちゃうとその網の中に収まってしまう可能性があります。まず配信主体であるニコ動が何をやりたいから、誰をキャスティングしたいと言うのが原則だと川上さんも意図していると思います。ここらへん、テレビと比べるのもデリケートなんですが。

片岡:巻き込まれちゃうというか・・・。

吉川:でも、これはやるけどこれはやらないよというのを言ったりとかはしてますよ。だから芸能界の方にお願いすることももちろんありますけど、でもよほど意味がないとご存知のとおり企業規模は日本テレビの10分の1ぐらいですから、制作費の桁が違いますし、出す時は出しますが、なかなか頻繁に大物タレントに数百万円も払うわけにいかないわけですよ。だから、こちらに出演して頂く必然があって、向こうがこのギャラで出ても良いと言ったらOKということになるわけです。お互いに条件を納得したうえで出て頂く様にしている。

片岡:でも未だにいるんですね、ちゃんと一定の水準のギャラとかが決まってて、そのギャラじゃないと出ませんという、エスタブリッシュな出演者の方とか。

吉川:います。ギャラで出演NGと言う方も。

片岡:多分ほとんどそうなんですけど、やりたいものは別にない。相応の報酬と相応の場を与えられれば言われた通りやるという方とか。

吉川:放送作家さんでも、テレビ制作会社でも「ネットはお金が安いから」って言う既成概念があり近づいても来ない方も正直います。私もネットでも確かに良い仕事をしたら、それなりの報酬は支払うべきだと強く思いますし、そう主張しています。でも、これから必ず伸びる産業だから、新しいメディアを知るためにお付き合いぐらいは、と思います。ハリウッドだってテレビ出現初期は安くやっていたと聞いています。

片岡:でもネットだと自分で冠番組を持てたりできるわけですよね。

吉川:とりあえず、面倒な事言わないで、面白そうだからやってみようと言う感じはありますよ。
テレビとネットの将来像。それぞれの課題。
片岡:今後はどのように変化していくと思われますか。

吉川:これ以上、どのくらい大きくなるかはわかりませんが、今は地上波に比べると規模は小さい。ただ、10年後位にはテクノロジーが発達して、インターネットの回線がテレビの画像と同じ精細度になり、デカいテレビに直結してその映像が流せて、音声もすごいサラウンドもできるみたいなことになるかもしれません。その時、何かが変わるんじゃないかなって気がするんですよね。

テレビ界も局も番組も巨大化してどこを見回しても社内外の色んな交通整理に追われているままでいいのか、見ている方の事を考えなくて良いのか、この10年の間にコンテンツを良いモノに変えていけるのか。

ただ状況として日本のテレビ局が圧倒的に良いのは日本では局がコンテンツをしっかり作っている。他の国では、アメリカなんか放送局は制作機能も放送後の2次使用権も含めてほとんど外部に渡しちゃってるわけじゃないですか。ドイツのテレビ局なんか何も作ってなくて、全部アメリカとかイギリスとかフランスのドラマやドキュメンタリーや番組フォーマットを買ってきてます。

片岡:装置産業ですよね。

吉川:装置産業、土管、インフラですよね。でも日本の場合は一生懸命作っているわけだから、その能力を高めていけばそれをアマゾンだとかアップルだとか国内外とかいろんなところに売っていけばいいんですよね。

加藤:テレビを見ている人が少なくなっているって言われてますけど、未だに影響力って大きいなってテレビを離れて改めて思うんですよね。

吉川:いや、テレビの影響力はすごいですよ。週刊誌やネットのネタもほとんどテレビ発だし。一方、うちで「N高等学校」というインターネットをフルに活用した高校というのをやってるんですけど、ある地域の地方局でテレビCM打ったらたくさんの資料請求が来たそうです。それで担当者は「テレビはすごい」ってビックリしてましたよ。

だからそれだけのパワーのあるインフラを持って、コンテンツを自分たちで作っているんであれば、それを今後もどういう風に面白く活かしていけるかということを意識してやっていけば、あとは当然インターネットでテレビをみる時代もやって来ているのですから、僕はそこをどうにかしたいなというのはあります。

片岡:逆にインターネットでできないものってあるはずですからね。中国で同時に8億人が視聴しているとかですか・・・。

吉川:同時体験をしてるという、みんなと一緒に見てるんだという、スポーツも同じですよね。あとはストリーミングサービス。これは生放送ですけど、紅白歌合戦とかあるいはスポーツとか、ワールドカップとか、ニュースとか、ああいうものはテレビに残っていくんだろうけど、いつでも見れるある種のパッケージコンテンツみたいなものはネットのほうに移って行く可能性はありますね。

あと、日本人は結構和食、つまり日本製のコンテンツが好きなんですよね。Huluなんかはガキ使(「ガキの使いやあらへんで!!」)が一番人気ですよね。それを活かせばいいじゃんと思うんです。もっともっと面白くできると思うし。Huluも総務省関係ないでしょう。そしたら多少逸脱したもの作ってもいいじゃないですか。ガキ使内閣とか「ガキ使特別篇」でもなんでもありと思うんですけどね。

片岡:作るのも簡単じゃないというか、だから目利きがいるのかどうかという問題と、実際にディレクションなりプロデュースできるかどうかって、これはまた別の話ですからね。面白そうとか、当たりそうと思ったり口では言ったりしても、「じゃあ。あなた作れますか?」と言われるとまた話が違ってきます。

吉川:さっきのハリウッドのテレビ映画の場合は、彼らは作れる人をテレビに呼んできたんですね。作家のマイクル・クライトンとか、「24」だとワーナーブラザーズでずっとアクション映画作っている連中を連れてきたりとか、一流を連れてきちゃうんですよ。

それでできるビジネスモデルを作っちゃってるんで、日本のテレビ局も優秀と思われれば、どの業界からでも連れてきちゃうというのもありじゃないかなと思うんですよね。その人を社員にするか社員にしないということではなくてね、そこらへんかな。

片岡:ドラマだと放送作家さんが普通に入るじゃないですか。バラエティもそうですけど。あんまりビジネス部門や特に編成内部に入って来ないですね。

吉川:日本の場合は社員じゃないとプロデューサーにもなれないでしょ。ある種の純血主義みたいなものがありますね。アメリカの場合は独立プロダクションから呼んで来て一騎当千というか、そこで当てないともう二度と使ってもらえないから必死だし、すごいプロだし、おバカとかできないやつはやらせてもらえないですからね。

でも日本の場合は、ただのおバカでも「そろそろ30になるんだからお前1本やれよ」みたいな、そういう甘さが。上司のご機嫌取りがうまい人が、お前やれよ、いいじゃんなんか言って。時にはダメな奴でも居座っちゃて、「俺がこの枠とこのタレントを仕切ってる」とか言ってつまらん利権を誇示してエバってる。「君がエラいんじゃなくて、テレビ局が公共の放送免許を貰ってそこの枠を運用してるから君が一見偉く見えるだけでしょ。」とか言いたくなる。そこらへんの感違い・甘さがありますね。

加藤:そこら辺、厳しさが足りないですかね。

片岡:加藤さんはテレビから6年離れて今どう見えますか。

加藤:先ほどおっしゃったとおり日本ってすごいという番組がわーっとこう一並びで出てきたりとか、これってこの番組に似てるよね、みたいなものが多かったり、これは何なんだろうと思いながら見てますね。

吉川:芸能人の不幸話をすると数字がとれるというと、みんなそれによってたかって群がるわけですよ。それで、Aという演歌歌手が借金何十億抱えてるけど明るいって言うので出してみたら視聴率取れた。するともうみんなその演歌歌手Aばかりになるわけですよ。会議に行くと、作家が「あの人数字持ってますよ」とか「ふなっしーまだ数字もってますよ。」とか。もっと思想や哲学を持ってほしいですね。

片岡:レギュラーで回していってるとそうなっちゃうんですかね。

吉川:あとやっぱりテレビからテレビを作ってる感じするんですよね。テレビ番組で数字のいい番組を真似ていくんです。それはコピペですよね。基本的には。

片岡:劣化コピーになっちゃう、良くなっていけばまだいいですけど。

吉川:「ザ!鉄腕!DASH!!」よりもスタッフの腕が良ければ真似てもいいんですけど、ダメなテレビ屋が作るとそれ以下のクオリティーだからもっとひどいものができちゃうんですよね。

加藤:もっと足で稼ぐというか、もうちょっと外に出ていっていろんなネタを探すというか、そういうのが必要なのかな。

吉川:そういった意味で言うと、週刊誌なんかもそうだと思うんですけど、全部「ネットで検索」でしょ、最近は。それとテレビもそうでしょ?例えば、今度じゃあ和菓子のおいしい饅頭の店やろうよって言って、「饅頭 ランキング」って入れて、Google先生でさ、あと電話してじゃあ行くかなんて言って。

片岡:失敗がないし、無駄がないでしょうからね。追加取材するだけですから。

加藤:やっぱり人によってとか、独自なエクスクルーシブ(独占的)なネタみたいなのをね。自分の目で見て、これ!って捕まえてきて、というのがいいんですけどね。

片岡:でも…昔も少なからず雑誌から週刊誌から見て・・・。

吉川:要するに二次情報なんですよ。地方にロケに行く時に観光協会に電話して、なんか面白いことないですか、雑誌で見たんですけどこんな面白い名物老人がいるみたいでとか、あとはそこの地の観光の要みたいなところを撮って帰ってくるという。

そうじゃなくて、ちょと自慢話になっちゃうけど、例えば僕「ダーツの旅」というのやってたんですけど日本地図にダーツを刺して、何にもないところに10日間いて、ちょっと村人の話を聞いてこいという方が、一次情報なんですよね。

片岡:長く回して短く縮めるという。そうすると面白くなると。

吉川:そうすると誰も見たことがないものが見られるわけじゃないですか。しかもインターネットの時代が来ちゃったら、やっぱり二次情報あるいは三次情報の時代になってるので、自分の目で見てというのがあまりにもないですよね。ネットの企業も全部検索でやってますから、非常に知的レベルが高い人が多いですよ。知的なコンテンツをやると言うのは僕も大賛成です。

例えばこの評論家を呼んだらこういうふうになるとか、西部邁が最近こういう発言してるから蓮實重彦と対談やらしたら面白いだろうみたいなことはありますが、全部検索して調べるのと、あとアマゾンで買った本を参考にしてるでしょ?

だから僕なんか「君たちはね、ジョセフ・コンラッドの小説『闇の奥』みたいに1年ぐらいアフリカのコンゴのジャングルの中で面白いもの撮ってくれば絶対鍛えられるよ」って言ってるんですけど、みんな必ず私を野蛮人を見る様な目付きで見て「私行きたくないです」って言われます。やっぱり私もテレビ屋がぬけないんでしょうか。(笑)

加藤:私なら喜んで行きますけど!世界には見たことのないものがいっぱいあるので。

吉川:インターネットで「知ってるつもり」の人が多くなっちゃったんですね。スマホでも調べられるし。ただウィキペディアも偏ってたり間違っている事がありますからね。もっと色んな人に会ったり、色んな所に行ったり、色んなメディアに触れればいんだよね。だって先日僕がいったフランスで聞いたんだけど、テロのあったパリの今の状況も現地と日本では全く認識が違うんだから。

だからテレビってまだまだ面白くなる余地があるんだよね。テレビ屋にもっと元気を出してほしい。瀕死のハリウッド製テレビも復活して世界を制覇しているのだから。でもやっぱり戦略を立てそれを導く人が果たして現れるのかどうかということですね。我々インターネットメディアは、テクノロジーはあるので、棲み分けを考えつつそれを駆使して対抗して大きくなっていくしかないんじゃないかなという気はします。

片岡・加藤:ありがとうございました。
吉川 圭三さん
ドワンゴ会長室・エグゼクティブ・プロデューサー
東京都生まれ。小学校の頃からミステリー小説・SF小説・ハリウッド映画に深く耽溺する。早稲田大学理工学部を経て、1982年に日本テレビ入社。ドラマ部門に配属される事を強く切望していたが、初めて配属されたのは公開・演芸班の『日本民謡大賞』。以降バラエティ番組・音楽番組・クイズ番組・ドキュメンタリー番組など様々なレギュラー・スペシャル番組を担当。『世界まる見え!テレビ特捜部』『特命リサーチ200X』『1億人の大質問!?笑ってコラえて』『恋のから騒ぎ』などでディレクター・プロデューサー・チーフプロデューサーを務める。明石家さんまや所ジョージなどからの信頼が厚い。2007年より、編成局コンテンツプロモーションセンター長・宣伝部長。編成局総務・編成戦略センター長、制作局ゼネラルプロデューサーを経て、2014年6月より現職。
加藤 玲奈
元日本テレビ記者・キャスター
国際NGO AAR Japan【難民を助ける会】広報・支援者担当
1970年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、日本テレビ入社。報道局で記者として、社会部で警視庁を、政治部では首相官邸や外務省を担当。ニュース番組のディレクターとして2001年の同時多発テロ発生直後、米国やパキスタンで取材。英国ダラム大学大学院で国際関係学修士号を取得後、外報部デスクとして勤務する傍ら、朝の情報番組でニュースコーナー担当キャスターを務める。日本テレビを退職後、パリとロンドンに合計約4年間滞在し、2014年帰国。 かつて取材で訪れた難民キャンプの光景が忘れられず、また英国でボランティアをした経験から国際協力に関わる仕事がしたいと思い立ち、現在は日本生まれの国際NGO、AAR Japan【難民を助ける会】で広報・支援者担当。
片岡 英彦
株式会社東京片岡英彦事務所代表
東北芸術工科大学企画構想学科/東京ウーマン編集長
京都大学卒業後、日本テレビで、報道記者、宣伝プロデューサーを務めた後、アップルのコミュニケーションマネージャー、MTV広報部長、日本マクドナルド・マーケティングPR部長、ミクシィのエグゼクティブ・プロデューサーを経て、片岡英彦事務所(現:株式会社東京片岡英彦事務所)設立。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。フランス・パリに本部を持つ国際NGO「世界の医療団」の広報責任者就任。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立。戦略PR、アドボカシーマーケティング、新規事業企画が専門。東北芸術工科大学 広報部長/企画構想学科 准教授。
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