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水と人と自然をつなぐ ~富士山の銘水 社長インタビュー~

水と人と自然をつなぐ
~富士山の銘水 社長インタビュー~

粟井 英朗さん
1969年 関西学院大学商学部卒業後、岩谷産業株式会社入社。
岩谷産業株式会社常務取締役営業本部長、岩谷物流株式会社代表取締役社長を歴任。
岩谷物流株式会社在籍時に、日本のウォーターサーバー事業の先駆けとなる「バナジウムの恵み 富士の湧水」を立ち上げる。その後、株式会社ウォーターダイレクト代表取締役社長を経て、現職。HOD(ホームアンドオフィスデリバー)の先駆者として、さらなる効率的な仕組みを作り上げている。

URL:http://fuji-meisui.co.jp/

「水」は世界の人々の命、生活、そして経済を考える上でも最も大切な資源です。世界では、毎年180万人の子供たちが不衛生な水等を原因とする病で命を落としているともいわれています。そんな中、世界が直面する水問題に貢献できるとして、大きな期待を寄せられるのがこの日本です。

美しい自然の国日本、その中でも品質の良さを世界からも証明された「水」を扱う宅配水事業フレシャス等を運営する富士山の銘水株式会社の粟井英朗社長にお話を伺いました。

(インタビュアー:経済キャスター/ジャーナリスト 谷本有香)

8歳で「史記」を読み、起業を着想

谷本:そもそも何故ウォーター事業を始めようと思われたのですか?

粟井:着想したのは幼少の頃なんです。8歳の時に司馬遷の『史記』を読み、その中に、始皇帝が2221年前、中国を制覇した時に、不老長生の物質を東方の国に求めてという記述があったんです。これは佐賀県から入って、富士吉田が終えんの土地だったんですよ。それで、富士吉田に不老長生の水があるんだと。それで、この富士吉田に必ずあるであろうと予見をしたんです。

谷本:8歳というと小学校2年生ですよね?

粟井:その時から、小学校の休み、中学校の休み、ユースホステルを使用して、富士吉田の周りを全部回って、不老長生の伝説など、水に纏わる昔話を全部聞いて回ったんです。そして、20世紀はエネルギーの時代だったでしょう、そして、21世紀は水の時代。だから、まずはエネルギーの岩谷産業に、昭和46年に入って、それで富士山の周りの出張所及び甲府の出張所で13年務め、エネルギーの営業をやりながら、将来の時代のために、会社のためにも水の研究もしたんです。
その後は、静岡の支店長、全国のエネルギーの課長、部長、営業部長、営業本部長、常務取締役とキャリアを形成していきました。日本全国出先訪問が多く、全国の火山にかかわる水の伝説とか、必ず地方に行くときは、水に関することも調べながら、いずれ岩谷で水に係る事業をやろうというつもりでいたんです。


粟井 英朗氏
最高品質の天然水

谷本:いつの日かウォーター事業をされるという心づもりで動いていらっしゃった。それは、御社の採水環境においても生かされているように思います。

粟井:はい。この地図をご覧ください。富士吉田近隣の水工場をマッピングしたものです。
Bは岩谷産業。Cは東証2部に上場しているウォーターダイレクト、いずれも私が創業しました。そして、Aというのが当社、富士山の銘水です。これら、A、B、C、は富士吉田にあります。しかし、地図の右側をご覧下さい。ゴルフ場が乱立しているんです。また、養豚養鶏場もあります。地下水汚染の指標の一つである硝酸態窒素や亜硝酸態窒素は、動物実験で発がん性が報告されている物質を形成する恐れが示唆されています。それらの物質の検出は、科学肥料や家畜の排せつ物が原因とされているのですが、富士吉田市にはゴルフ場や養豚養鶏場はなく、地下水に含まれるそれらの物質の量が他の地域に比べて圧倒的に少ないのです。まさに最高品質の天然水といっても過言ではないでしょう。空気がきれいで、標高1000メートルで寒暖差がある富士吉田では、すばらしい水で、すばらしい野菜、すばらしいお米、果物ができるということなんです。

画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。

谷本:それだけの素晴らしい環境にあるということを、地域の皆さんも知らなかったという事なんですね。

粟井:そうです。行政も、市民も知りませんでした。結果的に私たちがそれをお示しすることになったんです。それを錚々たる会社の皆さんが知ることとなって、例えば今お取引をしている大手食品メーカーさんは、ここには進出しないで合弁したいと言ってきてくださいました。それくらい素晴らしい環境と水質、成分、それが豊富にあるということだと思うんです。

谷本:生産体制においても安全性は実際証明されていますね。

粟井:「安全性の証明」として注目を集める食品マネジメントシステム国際規格「FSSC22000」の認証を取得しました。山梨県内に本社所在企業の取得は3社目で、宅配水専業メーカーでは業界初となります。


食品マネジメントシステム国際規格「FSSC22000」の認証を取得

インタビュアー 谷本有香氏
「事業の成長」と「地域の発展」で好循環を、そして創生企業として上場を目指す。

谷本:地方創生の「地方」とは社長にとって山梨なんですね。

粟井:はい。私は、昭和46年から山梨県に13年間いました。で、そのときに結婚して、子ども3人が、山梨県生まれなんです。ですので、いずれ水の事業をするときに、山梨県に恩返しをしたいということで、私は65歳ですべてをストップして、本籍も現住所も全部山梨でゼロから会社を作ったんです。オーナーとしてです。サラリーマン社長では、地方創生はできません。

谷本:今、御社は創業から4年目を迎えている。たった4年でここまで多くの方々からの支援を受けられているのは、そういう社長の強い想いがあるからなのですね。

粟井:やはり、世界一きれいで、おいしくて、この水ならば、必ず事業になるであろうという地方創生の可能性を、皆が希望と期待をもって認知してくれたんだと思います。結果として初年度、ゼロから20億円、40億円、50億円、去年が60億円、今期は90億円。来期は創生企業として目的が達成できるように上場します。

谷本:社長がおっしゃるように、水は多くの可能性を秘めていると思います。ただ、その分、競合他社も多い中で、どのように優位性を保たれているのですか

粟井:平和と顧客満足という当たり前の言葉なんですが、それを実行するのは大変なんですよね。それを初年度から実行していました。ですので、社員の給料は、ほか様よりも、多分、何割も少ないんですよ、今は。ただし、上場するにあたって、ストックオプションを社長以外、全員に渡しているんです。恐らく、私だけじゃないかな。200人の社員、私以外全員、ストックオプションを渡しているのは。

谷本:そんな従業員の方たちへはどんな思いで教育されているんですか

粟井:社員には、この企業がもっているビジョン、理念に共感してもらい、それと、地元を愛す、地元貢献をする。それから、なるべく地元に住民票をおかないと役員はさせないんです。それくらい地域密着を徹底しています。だから、本社工場は全部地元なんです。
水と言うものは自然であり、本当に恵みですよね。ですから、地元でゼロから育てる。優秀な人であろうが、学歴が高かろうが関係ないんですよね。要は、知行合一で、そのために、地域のために、自分が何ができるか、即行動する人、これが好きなんですよ。そういう教育です。

世界一の品質を富士吉田から

谷本:世界には既に、エビアン、ボルビックであるとか競合他社が沢山あります。それら、海外のブランドと、富士山の銘水、一番の大きな違いは何ですか。

粟井:富士山には世界で唯一、7層の玄武岩層が形成されており、富士山に降った雨水が数10年の時間をかけてゆっくりと濾過されます。だから、安心・安全・きれいな水なんです。
また、富士山の玄武岩層がもたらす豊富なバナジウムや、その他天然ミネラルが絶妙なバランスで含まれています。医学界やTV、新聞などでも注目のバナジウム量が高い数値を示しており、美容や健康に関心の高い方にもぜひおすすめしたいお水なんです。

「雄飛躍進」

谷本:今インタビューしているお部屋には、「知行合一」はじめ、社長の理念というのでしょうか、座右の銘が毎年分飾られています。私、沢山の方にこれまでインタビューさせて頂きましたが、毎年の「誓い」を出されている方は初めて拝見しました。これらへの思いを聞かせて下さい。

粟井:私は暮れの、クリスマスから正月にかけてこれを書いて、新年の4日の仕事始めに発表するんですよ。例えばこの「改善・革新・革命」という言葉を使っていますよね。これは、我々みたいに小さな会社は一気に革命だと。小さな改善をやっていてビジョンが達成できるかと。初志を貫徹できるわけないじゃないですか。だから、革命を皆、起こせと。だから、改善じゃないよと、革新やと、いや、革新じゃない革命だということなんです。
そして、今年、平成27年は「雄飛躍進」と書かせて頂きました。


平成27年の誓いは「雄飛躍進」
まだアドバイスを出来る立場ではない

谷本:起業家になるために、少なくとも、その会社が継続できるぐらいになれるために、何が必要なのか、秘訣であったり、アドバイスはありますか?

粟井:私はまだそういうことを言えない立場です。可能ならば3年後です。

谷本:では、何か、壁に当たったときにどう切り抜けていらっしゃるのかを教えて頂けませんか。

粟井:壁にあたっても、壁とは思わない。ぶち当たったって当たり前だから。そして、少なくとも社長が、つらいような、まいったような顔は絶対しない。

谷本:しかし、経営はストレスが大変たまるとも言われていますが、ストレスの発散法みたいなものはあるんですか。

粟井:ストレスは、私は生まれたときからたまらないんです。次の日に、全部なくなる。

毎晩五合、夜中の12時が起床時間

谷本:流すこともあえてしないんですね。

粟井:自然に流れる。何ともない。これは、生まれつきですね。次の日に、絶対、持ち越さないです。絶対に。それで私は、若いころから毎晩1日5合。

谷本:五合ですか!

粟井:だから、ご飯あまり食べない。夜は食べないでしょ。それで、今は、平均8時から9時に寝て、12時前後に起きるんですよ。

谷本:夜の12時に起きられるんですか。

粟井:そう、12時前後ね。早いとき11時。1日2回あるんですよ。11時に起きれば、まだその日ですもんね。それで、趣味と実益をやるわけ、そのあとの時間に。趣味いっぱいあります。例えば、自然が好き。今、日本庭園を作ってるんです。皆、地域の人にも協力してもらって。これは、富士山を借景にして、人工物ゼロ。


富士山を背景に造られた日本庭園

谷本:きれい!

粟井:これ、秋でしょ。雪が降るとどうなるかというと、見せてあげよう。雪見酒と月見酒。で、毎日五合。

谷本:毎日五合(笑)。

粟井:8時に寝るでしょう、11時に起きる。そして、夏は4時から庭。冬は6時から。鹿や雉がいるんです。鳥も。猫が家の中に3匹いますし、全部面倒見る。あと、クラシック。囲碁も。あと、人間。

谷本:人間というのは?

粟井:人間というのは、大体、夕方5時から7時までは、必ず誰かと、仕事を中心な会食です。

谷本:随分早くからされるんですね?

粟井:サラリーマンのときは6時からだったけれども、今は5時から。それで、仕事は夜中の1時から。海外に行っている人から電話がかかってきますからね。

谷本:健康はどのようにお気をつけなさっているんですか。

粟井:健康は気をつけてないけれども、健康です。

谷本:バイタリティーがあふれていらっしゃるから、病気も寄せつけないのでしょうかね。

粟井:そう。医者に昨日も言われましたよ(笑)。

谷本:65歳の起業前も今と同じような生活をされていたんですか。

粟井:45歳まで、滅茶苦茶な人生だったんですよ。それでそこから多少、まともになろうと。で、2次会は行かない。だから私は、8時、9時に寝る。

谷本:そうですか。でも、睡眠時間、すごく短くていらっしゃるけれども、十分なんですか。

粟井:はい。私は365日、20年間ぐらい、単身赴任でしょう。それで今でも、目覚まし時計なし。365日、日曜祭日、正月だからといって変わらない。だってもう、することいっぱい。楽しくてしゃあない。

谷本:そして、五合も楽しみ、と(笑)。
益々のご活躍楽しみに拝見させて頂きます!


衣装協力(谷本有香氏):Otto, オットージャパン  撮影協力:竹内佑
-レポート作成-
img谷本 有香 Yuka Tanimoto
経済キャスター/ジャーナリスト 
山一證券、Bloomberg TVで経済アンカーを務めたのち、米国MBA留学。その後は、 日経CNBCで経済キャスターとして従事。CNBCでは女性初の経済コメンテーターに。

英ブレア元首相、マイケル・サンデル教授の独占インタビューを含め、ハワード・ シュルツスターバックス会長兼CEO、ノーベル経済学者ポール・クルーグマン教授、 マイケル・ポーターハーバード大学教授、ジム・ロジャーズ氏など、世界の大物著名 人たちへのインタビューは1000人を超える。

自身が企画・構成・出演を担当した「ザ・経済闘論×日経ヴェリタス~漂流する円・ 戦略なきニッポンの行方~」は日経映像2010年度年間優秀賞を受賞、また、同じ く企画・構成・出演を担当した「緊急スペシャル リーマン経営破たん」は日経CNBC 社長賞を受賞。 W.I.N.日本イベントでは非公式を含め初回より3回ともファシリテー ターを務める。

2014年5月 北京大学外資企業EMBA 修了
現在、テレビ朝日「サンデースクランブル」ゲストコメンテーターとして出演中
http://www.yukatanimoto.com/

 



 


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