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■ 東京ウーマンインタビュー


ナチュラルに、クリエイティブに。気負わずキャリアを積み重ねる生き方

ナチュラルに、クリエイティブに。
気負わずキャリアを積み重ねる生き方
守山 菜穂子さん
ミント・クリエイティブ主宰
プロデューサー/ブランド・マネージャー
1975年、千葉県生まれ。多摩美術大学 美術学部 グラフィックデザイン学科卒業。 読売広告社の営業職を経て、2000年、小学館に入社。広告局に10年間在籍し、「CanCam」「Oggi」「Domani」「美的」「DIME」など、主要雑誌の広告担当を歴任。10年間で国内外 約1,000社の企業と、ブランディング・ビジュアル構築のプロジェクトを行う。 2014年1月に小学館を円満退社し、ミント・クリエイティブを設立。社会に貢献できるブランドをづくりを実践している。
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 認定トレーナー 
◆障がいのある女性のためのファッション・フリーペーパー「Co-Co Life☆女子部」プロボノ編集者
特定非営利活動法人 こども哲学 おとな哲学 アーダコーダ 理事 

URL:http://www.brand-mgr.org/trainer/index.html#n_moriyama
Twitter:https://twitter.com/nao_moriyama
Facebook:https://www.facebook.com/naoko.moriyama.april

肩書きを拝見すると、プロデューサーであり、ブランド・マネージャーでいらっしゃいます。現在のお仕事を教えてください。
2014年、38歳で独立起業しました。 主には企業やメディアのブランディングやマーケティングのコンサルタントとして、また各プロジェクトのプロデューサーとして、お仕事をしています。

最近、誰でも簡単に楽しくセルフ・ブランディングを考えることができるプログラムを完成させましたので、セルフブランディング講座も開催しています。講座の内容は、ブランディングの基本はもちろんのこと、女性ファッション誌に長年関わった経験から、服装やプロフィール写真の考え方、SNSの効果的な使い方、メディアへの情報発信の仕方などについてもお話をさせていただいていております。

受講される方はクリエイターの方が多いですね。また現在は会社員で、転職をお考えなのだけれど、まだ自分らしさを見つけきれていない方や、起業家で何でもお仕事をこなされるけれども主軸を定めかねているような方なども多数ご受講いただいています。

その他、一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会のトレーナーとして、ブランディングの基礎からマーケティングまでを教える講座の講師を務めています。こちらは企業の経営者やマーケティング担当者などにご受講いただいています。 他には、障がいや難病のある女性のためのファッション・フリーペーパー「Co-Co Life☆女子部」に、プロボノ編集者として参加しています。

セミナー講師として
以前は女性誌をずっと担当なさっていた?
そうですね。大学は美大のグラフィックデザイン科で広告のデザインを専攻しておりましたので、卒業後は広告代理店で働き、その後転職して小学館に勤めました。広告局で10年間、「CanCam」や「Oggi」、「美的」など、皆さんがよくご存じの女性誌や、情報誌「DIME」などで、企業のタイアップ広告を作る仕事をしていました。

クライアントは世界的なファッションブランドや、日本を代表する有名企業が多く、10年間で、約1,000社の企業とお取引をしました。貴重な経験をさせていただいたと感じています。出版社の広告担当として、常に媒体を背負い、クライアント様の商品をいかに魅力的にわかりやすく読者に伝えていくかを考える。クライアントのブランディングと、雑誌自体のブランディングを常に同時に考えるといった仕事経験が長いですね。  その後、デジタル事業局に異動し、「電子書籍ブーム」の一翼も担いました。これも大変エキサイティングな経験でした。
起業なさったきっかけは?
美大にいて、広告代理店に就職して、その後、出版社へと転職をしキャリアを重ねてきましたが、そもそも「本を作りたい」というよりは「ムーブメントを起こしたい」と思って転職したんですね。

10年ほど前に「CanCam」を担当していた頃、「エビちゃんブーム」と呼ばれる超ド級のムーブメントが起きました。蛯原友里さん、押切もえさん、山田優さんと3人の人気モデルが表紙を飾り、掲載した商品は端から飛ぶように売れていく。雑誌史上最高額と言われる広告が入り、みんな寝ずに仕事をしました(笑)。これは決して一過性のものではなく、スタッフやモデル、印刷会社や書店など、本誌に関わった数百人の方の努力の結晶だと思いますし、機運も良かったのだと思います。ただ正直、あれ以上のブームを今後、出版社で仕掛けることができるのか? と考え抜いた末に、私は退職を決意しました。

例えば有名自動車メーカーさんや化粧品メーカーさんと広告戦略を考えるのですが、すでにあらゆる手を尽くし、マーケティングも洗練されていますので、もう何を考えても喜んでもらえない(笑)。モノが売れないし、広告費は減っているし、という閉塞感もあったかもしれません。多分それはメーカーさんや出版社というよりは、当時、日本経済の景気そのものの閉塞感だったかもしれません。

ただそれよりは、事業の規模はすごく小さいけれども、ちょっと考え方を変える、見せ方を変えるだけで中小企業さんがブレイクする。その伸びしろの大きさにとても惹かれました。実際に仮に個人の方であっても、自分のメディア力をあげたい、という方と仕事をさせていただくと実際に伸びるし、その伸びしろの分、やりがいや達成感もあります。これまで培ってきた経験が活かせて、企業さんやどなたかのお役にも立てて喜んでもらえる。そんなことが嬉しくて、活動の領域をシフトし、独立しました。

アーダコーダイベント風景
例えば、先ほどご紹介した「Co-Co Life☆女子部(以下、ココライフ)」という雑誌は約1万部発行と、大手メディア業界から見ると豆粒みたいな数字なのですが、ものすごく読者の方々の心をつかんでいるんですね。障がいのある女の子たちから、同じく障がいのある女の子たちへメッセージを伝える、というコンセプトで、出演者も全て障がいや難病を抱える女の子たち。でも「他の雑誌にはそんな風に思わないけど、ココライフだったら出てみたい」「ココライフで友達ができた」「初めての場所に行けた」と、お便りやメッセージも多いですし、本当に喜んでもらえている実感があります。

先ほど、大きなブームの限界と申し上げましたが、ネットやSNSの隆盛で、ますますターゲットは細分化されてきていると感じます。一つの雑誌で100万部売るというのは難しいかもしれないけど、1万部の雑誌を100個作ることは可能なんじゃないかな。まだまだ紙媒体という雑誌一つとっても、できることや可能性はあるなと実感しています。ですから私も「ココライフ」は「CanCam」を作るのと全く同じ気持ちで関わらせていただいています。読者から教わることが多く、勉強もさせていただき、関わらせていただいてありがとう、と言いながらお仕事させていただいています。
話は変わって、ご専門であるメディアコミュニケーションについて教えてください。
メディアコミュニケーションとは、テレビや雑誌、WEB、交通広告、ラジオなど各種メディアをミックスした、ターゲットとのコミュニケーションのことを言います。重要な点は、メディアによってベストな表現の仕方が異なるということ。またこれはメディアコミュニケーションの基本でもあるのですが、メディアの特性によって情報の流れ方が異なりますので、一次情報から二次、三次と、どう情報が流れるか、川下への流れ方を計算することが必要になります。例えばSNSでも、ツイッターとfacebookとブログでは、それを見た人=一次情報から次への流れ方が異なりますよね。メディアごとの特性にあった表現方法と情報の流れをどう組み合わせるかが重要なんですね。

またメディアコミュニケーションで大切なこととしては、ターゲットのペルソナに合致したメディアを選ぶということです。どのメディアをどういう人が見ているのか?例えば雑誌メディアでも、選ぶ媒体で読者の思考と行動パターンが違います。ファッション誌の業界でもよく話をしていたのですが、A誌とB誌の読者は友たちだけど、C誌とD誌の読者は友達ではないよね、など細かく読者プロフィールを見ていました。「30代女性」なんていうざっくりした的(まと)では、矢が当たりません。ターゲットの生き方やライフスタイルをよく知り、それに合わせてメディアは何が最適なのか?を考え、選ぶ必要があります。

ただ、メディアコミュニケーションも一番重要なことは何かと言うと、メッセージは何か、ということでしょうか。メディアという拡声器を使っていくら大きな声で伝えても、伝わる言葉や方向が間違っていると何も伝わりません。響く内容、言葉、メッセージと、適切な方向を考え抜き、仕掛けることが重要でしょうね。

Co-Co Life撮影風景
現在は個人事業主として仕事されています。株式会社にせず、現在のスタイルで独立なさった背景を教えてください。
あえていうと、独立した2014年は「会社員をやめる」というのがテーマでした。 14年も会社員として守られた立場で働いてきたわけですから、その会社員のポジションから「自分でビジネスをする」ポジションへの移行には、痛みも伴う劇的な変化が起こるだろうと考えていました。更にその上、会社組織として立ち上げるとなると、企業体ですから、事業ドメイン設計など数年の準備期間が必要とも考えていました。役員として周囲の方のお名前を借りたり、会社の所在地も確かなものに決めなくてはなりません。

ですので、私は、「まずは一歩踏み出してみる」ということから始めました。個人事業主としてまずは3年やってみる。今自分にできることで、どうやったらお客様に喜んでいただけるかまずはトライしてみる。3年このスタイルで仕事をし、事業の方向性や核が定まり、その上で会社組織の方が適切ならば、株式会社化も充分ありえます。

コンサルタントとしても多くの個人の方とお話をさせていただくのですが、例えば、「○○の資格を取得しないと、□□の方向へキャリアチェンジできない」、「こういう自分になってからでないと、行きたい方向へ進めない」などと、できないことをスタート地点で考え、ガチガチに固まっている人も多いようです。もちろん、学び続けることは重要ですが、まずは「小さくトライしてみる」、「一歩踏み出してみる」ということも必要だと考えています。

Co-Co Life取材風景
今後のお仕事の展望について教えてください。
「自己肯定感」に注目しています。右肩上がりの経済でなくなった今、過去の成功体験に凝り固まったり、これからの姿が見つけられず思考停止してしまっている企業がすごく多い。高度経済成長期やバブル経済を知っているマネージメント世代は、特に昔の成功体験から抜け出せていないことが多いと感じます。 個人でも、「昔の自分は良かった」とか「今の自分が嫌い」「この先、どう生きて行くべきか不安ばかりがある」という人がとても多くて、心を痛めています。

私達が提案しているブランディングというのは、「何かを盛って飾る演出」ではなく、「中身を整理して、今、ベストな形に棚卸しすること」なんですね。過去の成功体験は大切にバックヤードにしまって、ときどき取り出して眺めるのはOK(笑)。今のショウウィンドウには、これからなりたい自分を飾りましょうと言っています。先が見えない時代に、企業にも、個人にも使える効果的なテクニックだと感じています。 今の自分を肯定して、企業や個人が「心穏やかに未来に向かう」ことのお手伝いができたら最高だなと思っています。
ありがとうございました

取材:東京ウーマン事務局 児玉圭子
写真:鈴木智哉、撮影協力:ナレッジソサエティ、「Co-Co Life☆女子部」編集部

 



 


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