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■ 東京ウーマンインタビュー


パートナーシップの達人が説く、いまどき女性のコミュニケーション術

パートナーシップの達人が説く、
いまどき女性のコミュニケーション術

二松 まゆみさん
恋人・夫婦仲相談所 所長
二松さんは、現在1万3千人以上の会員をもつ「恋人・夫婦仲相談所」の運営や、作家、コメンテーターとしてテレビや雑誌へ出演など、幅広くご活躍されていますが、現在に至るまでの経緯を教えていただけますか?
今に至るまでには長いストーリーがあります。元々は、どこにでもいる子育てに励む専業主婦でした。大学卒業後は何年か学校教師をしていましたが、当時の女性は就職しても寿退職するというのが当たり前と言われた時代。私も結婚を機に辞めて専業主婦になりました。

ただ、当時はインターネットも普及していない時代。しかも旦那さんはお医者さんだったので家にほとんど不在で、すごく寂しい気持ちで家事・育児を全て独りでしていました。毎日とても寂しかったので周りに私と同じように仕事を辞めて専業主婦となった女性がいないかと探してみたら、同じ境遇の女性がたくさんいる事が分かりました。

市の区役所などが主催しているママさん会はたくさんあったのですが、それらはお互いを「○○ちゃんのママ」と呼び合うといった感じの子供が主役の会でした。そうではなくて、ママがお互いを「○○さん」と名前で呼び合って、今までの職歴を活かしてお互いを高め合えるようなママの集まりが存在しなかったのです。

なので、私は当時には全く無かった、過去の職歴とキャリアを生かして、子育てをしながら社会との接点を持ちたい、仕事をしていきたいというママが集まれるサークルを創る事にしました。ですので、発足当時のサークルの宣伝チラシには、「ママさんサークルではありません。職歴・キャリアを生かしたいママのためのサークルです」と書いて配布しました(笑)
元々は専業主婦だったのですか・・・?!二松さんのプロフィールからはとても信じ難いです。ママさんサークルからどのようにして会社設立に至ったのでしょうか?
最初はもちろん少人数のママさんサークルだったのですが、口コミや紹介で、大手の企業や有名企業に勤めていたママ達や、手に職をもつママ達がどんどん入ってきてくれて。ライターやカメラマン、デザイナー、プログラマー、CA、要離縁教員、教師、会計士、教員、看護師、女医、ピアニストなど本当に様々な職歴をもつママさんがいらっしゃいました。

そんな多様なスキルと経験をもつメンバーで、お互いのスキルを活かしてサークルを運営したところ、ママさんサークルの会員はものすごいスピードで広がっていき、気づけば日本最大規模のママさんサークルになっていました。そうすると日々たくさんのメディアから取材を受け、そのうち複数の企業からマーケティング調査とか主婦モニターといったビジネスの依頼が入ってきました。

私のママさんサークルのメンバーには、企業からの依頼を受注できる人材が見事に揃っていたので、これは法人化した方が良いねという話になり、ちょうどその時タイミング良く、募集を募っていた女性起業家コンテストを受けてみたところ、優勝したので賞金1千万円を軍資金に主婦専門のマーケティング企画会社を設立しました。
なんと素晴らしいサクセスストーリーですね!会社の設立時、二松さんは会社を経営するのは初めてですよね?正直、不安はありませんでしたか?
とても有り難いことにママさんサークルの運営活動を経て、信頼できる素晴らしい人材が既に揃っていたので、会社設立にさほど不安はありませんでした。実際、既に様々なメディアに取り上げていただいていて知名度もあり、夫の財布を握る主婦を対象としたマーケティングが注目されていたタイミングという事もあり、4万人の主婦モニターを抱えた会社経営はとても順調でした。

ただ、経営して10年ほど経ち、私は「IT起業家」と呼ばれるようになり、何だかそんな風に呼ばれる事に違和感を感じ始めまして。私が本当にやりたいのは主婦のお悩みを解消する手助けであってIT企業の社長ではないなと、パソコンは苦手ですし(笑)、色々考えた末に会社を友人へ譲渡して新たな道へ進む事を決めました。
その新たな道としてスタートされたのが「恋人・夫婦仲相談所」ですか?
はい。会社経営者のポジションから離れて、改めて主婦のお悩みを解消する活動として始めたのが「恋人・夫婦仲相談所」です。私はママさんサークルや主婦専門マーケティング企画会社をする中で、常にたくさんの主婦達のリアルな悩みに触れ、お互いに励まし合いながら生きてきました。

主婦のお悩みは、お子さんの受験の事、お姑さんの事、住宅ローンの返済の事などほんとうに様々ですが、その根底には「旦那さんとの関係」の問題がありました。つまり、色々な悩みを持つ中で、特に旦那さんとの関係について一番深刻に悩まれている女性が多かったのです。私も1度、離婚を経験していて最初の夫とは不仲だったので、自分も真剣に悩んだ経験がありました。

そこで、全国にいる夫婦仲について独りで悩み苦しむ女性達のために、お悩み解消のきっかけ作りができればとおもい、夫婦仲のお悩み相談を募り、相談内容と相談について私からのアドバイスを配信する無料のメールマガジンを始めました。このメールマガジンに対して大きな反響をいただき、やはり夫婦仲の悩みを抱える女性が多い事を確信したので、恋人・夫婦仲相談所を正式にスタートしました。
そして現在は、作家やコメンテーターとして講演したり、たくさんの新聞や雑誌、テレビに出演されたりと幅広くご活躍されていています。二松さんのそのバイタリティーやフィールドの広さに驚かれる方も多いのではないでしょうか?
確かに、ママさんサークル、マーケティング企画会社、恋人・夫婦仲相談所、夫婦カウンセラー、作家、コメンテーターなど、様々な職種を経験していますので、驚かれることも多いのですが、私は一貫して主婦のお悩みや不安を解消したいという気持ちでずっとその時に私にできる事をしてきているだけなんですよ。
二松さんは「主婦のお悩みを解消したい」という信念をもって、ずっと活動されてきたからこそ、たくさんの方々から厚い信頼を受け、二松さんの活動に協力したいという方々が集まり、今の道につながってきたのですね。 それでは、二松さんが普段取り組んでいらっしゃる夫婦仲問題についてお伺いしたいのですが、ずばり30-40代の働く既婚女性が多くかかえる夫婦の悩みとは何でしょうか?
そうですね。旦那さんの方が自分と比べて家事・育児の分担が少ないという不満を持つ方が多いのと、旦那さんが奥さんも働いているから大丈夫という言い訳で、自分の趣味に多くのお金を使ってしまうといった悩み、あとは疲れていると言われて夜の営みがほとんど無いといった悩みが多いです。
そういった悩み相談に対して、どういったアドバイスをされていますか?
家事・育児については、旦那さんと一緒に暮らし始める際に、一緒に家事をする機会を作らないと、旦那さんは何がどこにあるのかを全く把握していない場合が多く、例えば、鍋がどこ、フライパンがどこに保管されているのか全く頭に入っていないから、料理を作りたくないというケースが良くあり、教えてもすぐに忘れられてしまい、ケンカになる場合も。残念ながら人は覚える気がないと、なかなか覚えられないのです。ですので、家のどこに何があるかを、地図を書くくらいの気持ちで丁寧に分かりやすく教えてあげることがポイントです。

最初のうちはトレーニング期間と腹を括り、料理の作り方もABCクッキングの用に初心者でも分かるようにやさしく教えてあげて、野菜炒めなどができるようになったら、たっぷり褒めて、少しずつ家事の仕方や楽しさを覚えてもらう方法をお勧めしています。元々家事ができない男性には根気よく教えてあげましょう。元々家事ができるのにサボっているだけという男性には、自分は家事を一人でこなすのが、これほど辛いということを出来るだけ具体的に伝えましょう。抽象的に「疲れた」「しんどい」では伝わりません。例えば、「生理前はPMSといって体が重く感じて、この時期は買い物に行くのも辛いんだよ」など。後は、「偏頭痛で定期的に病院に通っているくらい大変なの。」など。

男性はそうやって具体的に説明すると、やっと辛さを理解してくれたりします。また、旦那さんに家事を頼む場合は、ホワイトボードを活用すると良いです。例えば、「毎週 何曜日に燃えるゴミを出してね。」「いついつまでにトイレの電球を取り替えてね。」などボードにアジェンダを書いておくと男性は実行してくれやすいです。食事をしながら口頭でお願いしてしまうと、忘れられてしまう可能性が高いのです。更に、ホワイトボードには具体的に書く事がポイントで「お風呂掃除をしてね」ではなく、「マジックリンをスポンジに垂らしてバスタブを洗い、タイルはブラシで磨いてね」と具体的に書くと良いです。
具体的に伝えるのが大切なのですね。近年の日本は3組に1組が離婚といわれ、夫婦生活を維持することが難しいように感じますが、なぜだとお考えですか?
難しい質問ですね。ただ、昔よりも女性が自分の意見を通しやすい世の中になったと感じます。昔は離婚したいと思っても周りから説得されたり、離婚後に自立した生活が困難になるという理由で踏みとどまる女性が多かったのですが、今は働く女性が増え、自分の生き方を優先できる女性が増えたからだと思います。

ただ、注意していただきたいのは、3組に1組が離婚していますが、残りの3組に2組は幸せな夫婦生活を送れているか?といったら決してそうではありません。私は離婚しなくても不幸せな夫婦はたくさんいると思います。
そういった現状から、女性が男性とのパートナーシップについて心得ておくべきことは何でしょうか?
女性の方が、コミュニケーション能力が高いですし、柔軟に対応できる能力を備えていますので、パフォーマンスでも良いので男性を立てて、一歩下がってあげるだけでパートナーシップが上手く行くケースが非常に多いです。男女平等よ!と平等を振りかざしてしまうと、男性は女性との付き合いに疲れてしまう傾向があります。

特に今の男性は、あまり平等とか上から目線で来られるとつらいと感じてしまいがち。ゴミ出しを分担している場合でも、自分もしているのだから、相手もして当たり前とおもわず、「今日もゴミ出ししてくれてありがとう!本当に助かる!」といった言葉を可愛くかけてあげる。こんな些細な言葉をかけてあげるだけで普段の関係がグンと良くなります。

やはり今まで色々な相談を受けてきて、上手く行っていない夫婦は女性が男性に対してキツいケースが多かったです。 象徴的な私の経験をひとつお話ししますと、主人がデザートにフランベという、食べる直前にリンゴを燃やすデザートのサプライズを用意してくれた時のことです。若い女性であればキャーと喜ぶであろうこのデモンストレーションを、私は既に何度も経験していたのでクールなリアクションだったんですね。そんな私を見て夫はとってもガッカリした様子。その時に、しまった。と反省しまして、これからは、夫がちょっとした事をしてくれた時には出来る限り大袈裟に喜ぼうと思いました。
色々な本を執筆されていますが、最新刊は『40歳からの女性ホルモンを操る53の習慣』と、「女性ホルモン」がテーマの全く新しい分野のご著書ですね。
自分自身がそれ相応の熟年になってきて、体の全てが衰えてきたのを実感してきたのと、美魔女の女友達もたくさんいるのですが、美魔女とはいえ彼女達も年齢には勝てず体の衰えを感じるとの声をいただき、いくら頑張っている女性でも、熟年になればそれなりに体の悩みを感じているということが分かりました。女性は40代後半になると、女性ホルモンが急激に下がるのでそのギャップで、更年期障害の症状にあるような体の不調を感じやすいのです。

そこで、複数の婦人科医に女性ホルモンを上手に操る方法は無いものかと伺ったところ、メンタルをポジティブに持っていっておくと、女性ホルモンも自分が若いと勘違いして保つことができるとのこと。増やすことは不可能ですが、急下をゆるやかな降下に促すことができると知り、女性ホルモンを操る方法を調べてまとめました。これは自分のための自己啓発本として、頑張って執筆しました(笑)
これからを生きる、東京ウーマンの読者へメッセージをお願いします。
やはり自分の好きな事はとことん追求していくと良いとおもいます。語学でも海外旅行でも何でも良いとおもいます。とことん突き進めてそれ1本でブログを運営できるくらいに。やはり、自分の居場所を職場だけでなく、ここにも居場所があるという自分の居場所をつくっておくと、仕事で落ち込んだり、上司との人間関係が上手く行っていない時などに、別の居場所があるということで、心の安らぎを感じることができます。

ただ、その別の居場所を恋愛にしてしまうと、恋愛に依存してしまいトラブルとなるケースもありますので、そこは注意してくださいね。つまり、恋愛、仕事以外にも自分の好きなものを極めておくと良いと思います。
二松 まゆみさん
恋人・夫婦仲相談所 所長/作家 バブル期直後にhanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワーク構築。会長を務める。託児付きイベントや育児本出版等子育て中のママ達の活動の場を広 げる。その後主婦マーケティング会社経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む 未婚既婚女性会員1万3000名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅 広く考察。恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演、テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。日本メンタルヘルス協会基 礎コース終了。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とSEX観の研究も始める。 携帯公式サイト「恋人・夫婦仲相談所」が大好評。
恋人・夫婦仲相談所
HP: http://suzune.net
すずね所長ドキドキブログ:http://suzune.net/blog/
和田 江美子
女性視点で、愛が広がるライフスタイルをトータルサポートする女性応援団体「ガールズ ラヴィング プラネット (GLP) 」の代表理事。東京を拠点に、様々な女性応援活動を行っている専門家を講師に招き、女性限定セミナーや交流会の開催など、女性が語り合い、生涯の質を高めあえる学び場と、女性の悩みの解決、癒し場を提供し、女性の健康、メンタルヘルス、自己愛、恋愛、結婚、離婚、夫婦愛、家族愛、子育て、性生活、性教育など、心身ともに健康で愛が広がる( LOVExLIVING = ラヴィング )ライフスタイルをテーマに活動しています。
女性応援団体 ガールズ ラヴィング プラネット (GLP)
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