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■ 世界で活躍するウーマンたち


[中国最前線] 湯 佳寧さん(Concierge上海 編集長)

湯 佳寧さん(Concierge上海 編集長)
Concierge上海 編集長
1982年、中国・天津市生まれ、埼玉県育ち。 9歳の時に両親の仕事の都合で日本へ移住。以降、小・中・高・大学と成長期を日本で過ごす。大学在学中に上海・復旦大学に1年間語学留学し、上海のエネルギーに接する。 卒業後、在中国日本人のための日本語フリーマガジン『Concierge』を手がけるGMOチャイナコンシェルジュ株式会社に上海支社編集部スタッフとして入社。2010年より編集長として『Concierge上海』の誌面作り全般のほか、アプリやSNSなどの同社メディアも担当。 多言語環境で育ったことを活かし、上海のテレビ番組「中日之橋」には日本語エキスパートとして参加し、企画に携わるほか不定期で出演もしている。 東京外国語大学卒業(ドイツ語専攻)。
GMOチャイナコンシェルジュ株式会社 URL: www.concierge.com.cn
現在、湯さんは、中国にいる日本人なら誰でも知っている、中国4都市にて月刊配布部14万部を超える日本人向け情報誌「Concierge」の編集長をされていらっしゃいますね。「Concierge」では具体的にどんな情報を取り扱っていらっしゃるのですか。
Conciergeは在住日本人の衣食住、そしてビジネスに関わる全てのトピックスを扱っています。モットーは在住日本人の「コンシェルジュ」になること。中国語を話せなくとも、中国暮らしが初めてでも、この雑誌があれば毎日を楽しく過ごせる誌面作りを心がけています。
編集のお仕事のどんなところにやりがいがありますか?
自分が手がけたものが誰かのアクションに繋がる瞬間、誰かに小さくても影響を与えられたのではないかと思うとうれしいですね。 上海に滞在している日本人は8万人、10万人ともいわれています。街を歩いていて自分が作った雑誌を手に持っている日本人と出会うこともありますし、レストランで使って頂いているシーンを見ることもあります。

また、お客様から「お客さんがとても増えたよ」とコメントをいただいたり、インタビューした方から「見たってすごく声をかけられるよ」などと言っていただくこともあります。
私も中国に通っている時、よく拝見させて頂いておりました。 さて、まず、湯さんのこれまでの生い立ちを教えて頂けませんか。
中国・天津でごく普通の中国人家庭に生まれ、80年代の留学ブームで両親が日本へ留学し、両親の卒業後、就職を機に私も9歳の時に日本へ移り住みました。 いわゆる中華学校などへは通わず、日本人と同じ環境で小中高大学と教育を受けました。大学在学中に1年間、復旦大学へ留学し、日本で大学を卒業後にまた上海に戻ってきました。それからはずっと上海です。
最初に働く場所に「中国」を選んだ理由はあるのですか
日本へ帰化もしましたし、中国へは年に多くて2度の里帰りしか来ていなかったので、自分が中国で働くなんて思ってもみず、大学卒業後は大学院に進学して文化研究をしようと思っていました。中国関連の仕事はすることはあっても、ずっと日本で暮らしていくのだろうと思っていました。

ただ、大学時代に中国語能力を活かしてアルバイトやボランティアをしている時に、中国語能力やバックグラウンドが自分にとってアドバンテージになっていることには気づいていました。中国で生活することを意識したのは、留学中です。中国と日本の両方を知っていて、その橋渡し役になれるフィールドがたくさんあったのが上海でした。

当時は、中国と日本の両方を知っているとはいっても、日本と比べれば、中国の知識も中国語の能力も足りないと思ったので、現地に飛び込んで伸ばそうと思いました。 というとなんだかしっかりして聞こえますが、当時つきあっていた彼氏が上海の大学にいたからという単純さです(笑)。そのあとうまくいかなくて別れたのですが、7年も上海にいるということは、きっと、きっかけは何でもよかったんでしょうね。
あ、本音も出ちゃいましたね(笑)。しかし、湯さんは確かに多くのアドバンテージを持っていらっしゃることは確かです。そんな湯さんでもご苦労されたことはありましたか?これまで、ビジネスで一番つらかったことは何でしょう。
わりと自分を過信しているのですが(笑)自分の能力の限界を感じてしまった時ですかね……。これはもう、どうがんばっても無理!っていうシチュエーションがちょくちょくあって、そういうときは逃げたくなります。なんだかんだいって最後には合わせて、終わればひとつ成長できた、みたいな感じになってるので結果オーライですが。
例えば、どんな時に「もうこれは頑張っても無理!」と思うんですか?
体力的につらい時、時間的にどうしても限界がある時はつらいですね。気力だけでなんとかのりきれた時代は終わったなと思っています(笑)。そのために体力をつけたり、より効率をあげたりしていますが、その分仕事も増えているので、常に限界への挑戦です。
仕事でストレスがたまることも多々ありますよね。そんな時、湯さんはどう解消されるんですか
仕事でたまったストレスは仕事でしか解消できないと思っているので、そのストレスの原因をさぐり、なくす努力を最大限します。「仕事」というもの自体がストレスになるときは汗をかくこと、ジムのウェイトトレーニングなどで気分転換します。
しかし、私も中国に行ってみて、一度は働いてみたいと思う大変エキサイティングな場所だと思っています。働く場としての 中国をどう見ていますか?
日本で働いたことがないので比較はできませんし、中国とひとことでいっても地域差がありますが、上海で7年間働いてみて感じたことは、とにかく様々な可能性がある街だと思っています。 働く場というか、生活の話になりますが、上海という場所でいえば、振れ幅の大きな街で、チープに楽しく過ごすこともできるし、とんでもない贅沢をすることもできます。その振れ幅も魅力です。
「いかにも中国だよなあ」「これ日本だったらありえないね」と思うようなエピソードはありますか?
格差でいうと、日本ではサラリーマンならこのくらいの年齢の人はこのくらいの収入、と大体予測が付くと思うのですが、こちらはまったくわからない。10倍くらいの収入差はザラにあります。向かい合うマンションの家賃が5倍くらい違う、並んでいるレストランで客単価が20倍、などはよくあります。ちなみに私の住んでいるオールドハウスは、隣の人(何十年も住んでいる地元の人)との家賃差は300倍はあるようです。
その中国でのキャリアを積んでみて、仕事という意味において、中国と日本での違いを感じますか?
これもまた、日本で働いたことがないのでわからないのですが、よく言われることは、中国ではキャリアアップのための転職がごく当たり前で、成長に対してみんな貪欲な気がします。 また、女性管理職が多いですね。家族の結びつきが強く、子育ては家族全員でサポートするのが当たり前だからという背景があると思います。
日本が学ぶべき、中国のビジネス習慣や文化も沢山ありますよね。
私が中国から学びたいのは「スピード」と「効率」。 よく中国人は残業をしないという声を聞きますが、必要な時に残業はします。ただ、無意味な残業は全くない。優秀な人はすべてが効率的で、私から見て本当に学ぶところが多いのです。
本当にそうですよね、取り入れるべき点は学んでいくことが必要ですね。 また、多くの日本人が中国でビジネスをしていく上でも、生活をしていく上でもご苦労されている話をよく聞きますが、日本人として中国で生きていくTips、資質、考え方などはあるのでしょうか?
流されない芯の強さというより、流されても倒れないしなやかさを持つ人はぴったりはまる国かもしれません。あと確実に言えることは、小さな事にイライラしたり、すぐ文句を言いやすい人は向いてないと思います。ある種の「テキトーさ」で受け止めることでストレスは減りました。
「テキトーさ」、必要ですね(笑)。 ところで、湯さんは、中国で仕事以外の時はなにをされているんですか。
本当はインドア派なのですが、最近はイベントごとで人と会うことが多いです。 いろんなイベントですぐに週末が埋まるのが悩みでもあります……。 長いお休みは上海を離れて旅行に出かけます。
また、湯さんはICSの日本語番組『中日之橋』でアシスタントキャスターとしても不定期で出演されていらっしゃいますよね。どんなお仕事ですか
『中日之橋』は、上海テレビの外国語チャンネルで放送されている日本語情報番組です。 週に1回、日曜のゴールデンタイムに放送されています。

毎週トピックを設け、それについてスタジオにゲストを迎え、トークを繰り広げるという内容なのですが、私は昨年、番組が半年の休止を経て再開された時から、日本語顧問という立場で番組の構成や台本チェックのお手伝い、(9月から)アシスタントキャスターをしております。

番組には上海で絶大な知名度を誇る呉四海アナウンサーが出演し、アシスタントキャスターは日本人の立場からその週の話題について語ったり、ゲストに質問したり、といった内容です。
幅広くアドバンテージを活かし、ご活躍されていらっしゃいますね。 今後、働く場所を中国以外(日本も含め)に求めていくことも考えていますか?
もちろんです。 中国語を活かす仕事が現実的なところですが、基本的に世界中どこででもなんとか生きて行ける気がしています。
今後の夢や展望はありますか?
日々進化するメディア、その形が変わっても、自分ならではの視線で皆様の役に立つ情報を発信し続けていきたいと思います。そしてそれによって、中国と日本の距離、国と国の距離が縮まればと思っています。
最後にこれからグローバルに働きたいという女性へのメッセージをお願いします。
中国で働き出して学んだことは「とりあえずやってみる、ぶつかってみる」ということです。距離をおいて観察するのも時には必要かもしれませんが、ぶつかりながらでも観察はできますし、やらなかったときの後悔はやって失敗した時の後悔より後に引きますので、とりあえずアクション、がいいと思います。
ありがとうございました。

 

-企画・取材-
img谷本 有香 Yuka Tanimoto
経済キャスター/ジャーナリスト 
山一證券、Bloomberg TVで経済アンカーを務めたのち、米国MBA留学。その後は、 日経CNBCで経済キャスターとして従事。CNBCでは女性初の経済コメンテーターに。

英ブレア元首相、マイケル・サンデル教授の独占インタビューを含め、ハワード・ シュルツスターバックス会長兼CEO、ノーベル経済学者ポール・クルーグマン教授、 マイケル・ポーターハーバード大学教授、ジム・ロジャーズ氏など、世界の大物著名 人たちへのインタビューは1000人を超える。

自身が企画・構成・出演を担当した「ザ・経済闘論×日経ヴェリタス~漂流する円・ 戦略なきニッポンの行方~」は日経映像2010年度年間優秀賞を受賞、また、同じ く企画・構成・出演を担当した「緊急スペシャル リーマン経営破たん」は日経CNBC 社長賞を受賞。 W.I.N.日本イベントでは非公式を含め初回より3回ともファシリテー ターを務める。

2014年5月 北京大学外資企業EMBA 修了
現在、テレビ朝日「サンデースクランブル」ゲストコメンテーターとして出演中
http://www.yukatanimoto.com/

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 


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