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■ 人生の先輩からあなたへ


第9回 デボラ・マーシャさん(「ムームーヘブン」オーナー)

しなやかに凛と日々を過ごすために
「人生の先輩からあなたへ」
会社員でも派遣社員でも公務員でも、医師でも看護師でも、クリエイターでもエンジニアでも、ミュージシャンでも、会社の社長でも主婦でも、どんな職業についても、結婚していてもいなくても、子どもがいてもいなくても、みんな公平に歳をとります。それなら、人生が終わるその日まで、いきいきとしなやかに毎日を過ごしたいもの。私たちの前を歩くすてきな先輩たちのお話にそのヒントを学びます。
デボラ・マーシャさん
「ムームーヘブン」オーナー
オーストラリア出身のデボラさんが、どうしてハワイに暮らすようになったのでしょう?
1995年に夫であるエリックに出会ったことをきっかけに、ハワイに住み始めました。最初はアラワイ運河に浮かぶヨットの中に住んでいたのよ。それは楽しく貴重な経験だったわ。エリックはニュージャージー、私はオーストラリア出身だったので、出会った頃は、お互いを行き来していたの。最終的に、そのちょうど真ん中に位置するパラダイス、ハワイに住むことを決めたの。
「ムームーヘブン」を開いた理由を教えてください。
すべては偶然から始まりました。自分で作ったスカートをはいて町を歩いていると、いつも「そのスカート、どこで買ったの?」と聞かれていたの。だから最初は、自宅で「スカートパーティ」を開いて、友人たちに手作りのスカートを売っていたわ。そんなあるとき、カハラホテルで偶然、ハリウッド女優のエヴァ・メンデスに会ったの。そしたら、彼女が私のはいていたスカートを気に入って、「売って!」って言うじゃない!? びっくりしたけれど、その場でスカートを脱いで売っちゃった(笑)。

その直後からローカル雑誌の取材依頼で、毎日電話が鳴り止まなくなったわ。それからお店を構えるまでは、さほど時間はかかりませんでした。でも場所を探し始めたものの、最初はなかなか気に入った場所が見つからなかったけれど、カイルアの入り口にある歴史のある建物に空き物件、そう、この場所が見つかったわ。最初はボロボロでコンディションも悪かったけれど、「ここにムームーヘブンという私の夢を実現させるんだ!」とワクワクしながら、天国のような空間に生まれ変わらせることができたの。
ムームーヘブンのオーナーであり、妻であり、お母さんであるデボラさん。何役もこなす秘訣は?
昔は、男性が外で働いて、女性は家で掃除や料理をする。役割がはっきりしていたわ。でも今は、結婚しても女性は働くでしょ。生活コストが高いからね。エリックと結婚した当初はまだ子どももいなかったので、二人で一生懸命働いて、お金を貯めて、家を買って、ムームーヘブンを始めて、そして息子のザックが生まれて……。

何しろとても忙しい毎日。スピードに追われているわ。我が家は、夫のエリックも私も働いているから、いつも「どちらが掃除するの?」「料理するの?」って、役割がクリアじゃないの。8歳になる息子のザックは、エネルギーがあり余っているしね。
それをどうやって解決しているのかしら?
最初からきちんと計画するのは二人ともあまり好きじゃないので、「朝食は僕が作るね」「今日は疲れているだろうから夕飯は私が作るわ」って、その場の状況に応じて臨機応変にすることにしているわ。結婚して最初の2、3年は、仕事はもちろん、女性だからという理由で、家事も私が全部やっていたのよ。でもエリックは私より料理が上手だし、日曜大工は私の方が得意なの。どうやって家事を分担するかはそのカップルによって違うことがわかってきたのね。

ときには納得できない場合もあるけれど、自分を大切に扱っていけば、家族も愛することができると思うの。自分のことを愛せなければ家族も愛せないだろうし、自分自身をケアできなければ家族のケアもできないわ。人はすべてを完璧にはこなせないもの。今日はネイルをしないでここに来ちゃったけれど、時間があるときは、いつもきれいでいたいから自分のケアをするようにしているわ。忙しくても自分のことを大切にしなくちゃね。

そして何か問題が起きたときは、私はまだまだ未熟なんだと考えるようにしているの。最も大切なことは愛する家族がいて、健康でおいしいご飯が食べられ、素晴らしい服があり、友達がいること。あとは少しの運動と出かけたあちこちで冷たいビールが飲めること(笑)。サーファーであるエリックはサーフィンをしていればハッピーだから、なんかあったら「サーフィンに行ってらっしゃい」って送り出すことにしているわ(笑)。
「ムームーヘブン」で働くスタッフは、エンジェルって呼ばれているんですね。
だって、ここは「ヘブン」だもの。だからエンジェル。ヤングもいればオールドも(笑)、国籍もさまざま。いろいろなエンジェルがいるわ。ときどきコミュニケーションが難しいこともあるけれど、そんなときは「ディナーに行こう」「飲みに行こう」って誘います。

いろいろな国を旅行しているけれど、たとえ言葉が通じなくても誰とでも心は通じる、友達になれると信じています。例えば、ニューヨークで地下鉄に乗っているとするでしょ。私が笑いかければ、前に座った人も笑顔になるのよ。荷物をたくさん持って歩いている人がいれば、「お手伝いしましょうか?」と声をかける。誰かが転んだら起こしてあげる。細かいコミュニケーションはいらないわ。親切な気持ちとスマイルがあれば、他は何もいらないのよ。
デボラさんの愛するハワイでこれから何を? すてきな夢を教えてください。
来月、このカイルアに2店舗目のショップをオープンする予定(取材は2014年5月)なの。「ハナ ホウ ヴィンテージ」という名前よ。ここ「ムームーヘブン」では古いムームーやヴィンテージをリメイクしているけれど、古くてもはさみを入れたり、リメイクしてしまったりするには、もったいなくて心が痛むようなドレスに出合うことがあるの。「ハナ ホウ ヴィンテージ」は、そういうすてきなヴィンテージドレスを集めたお店。ハワイ語でハナ ホウは「もう一度」という意味。すてきなヴィンテージドレスをもう一度生き返らせてあげたいわ。

そしてもう一つの夢は、ハンディキャップのある子どもたちに技術を教えるトレーニングスクールを作りたいの。スクールで学んだことが、彼らの仕事、就職、そして収入に繋がるようになるといいなと思っているの。
東京ウーマンをご覧になっている方にメッセージをいただけますか。
今の私はとても幸せです。自分の思い描いたことをすべてやっているから。そして一生懸命働いています。毎日がとても忙しいし、決して楽なことばかりではないわ。そのために一生懸命がんばってもいる。ときどき涙が出てくるような大変こともあるわ。そんなときは、朝起きたときに、何が私を幸せにしてくれるのか? 得意なことは何か? をもう一度思い返すことにしているの。

私の夢は何? 私を幸せにするものは? 私を笑顔にできるのは? 鏡の前に立って、自分自身に問いかけて。そしてどうぞその夢に向かって歩いて行ってくださいね。夢に向かって生きること、それが何よりも大切なの。夢を実現するには、リスクはつきもの。でも決して不可能ではないわ。ぜひあなただけのすてきなストーリーを描いてね。 そして、ハワイにいらっしゃったら、ムームーヘブンに来てくださいね。
デボラ・マーシャさん
オーストラリア出身。ハワイ・オアフ島カイルアのムームーやアロハをリメイクしたドレスやローカルアーティストの小物、作品を扱う「ムームーヘブン「(Mu'umu'u Heaven)」オーナー。白で統一された広い店内には色とりどりのドレスがあふれる。2014年6月には、ヴィンテージドレスを専門とする「ハナ ホウ ヴィンテージ」もオープン。環境やハンディキャップをもつ子どもたちへの支援も積極的に行っている。
ムームーヘブン「(Mu'umu'u Heaven)
HP: http://www.muumuuheaven.com/home/index.php
デボラ・マーシャさんとお目にかかって
先月に続いて、今月の「人生の先輩からあなたへ」のゲストもハワイから。 オアフ島のワイキキから車で約40分。最近、日本人観光客の人気を集めているカイルアタウン。行列必至のパンケーキ屋さんやセレクトショップ、自然派スーパーマーケットなどのおしゃれなお店が並びます。その一角にある「ムームーヘブン(Mu'umu'u Heaven)」。古いムームーやヴィンテージをリメイクしたドレスのセンスあふれるお店です。そのオーナーが今回お話を伺ったデボラ・マーシャさん。彼女のことを、周りの人は親しみを込めて、デブと呼びます。

インタビューの朝。「ALOHA!」の声と共に、満面の笑顔のデブが登場。「I’m Deb.」 と言うなり、お腹をポンと叩いた彼女にそれまでの緊張がいっぺんに溶けました。髪や目の色が違うとか、話す言葉が違うとか、彼女には垣根がありません。コミュニケーションに必要なのはスマイルだけ。

パートナーであるエリックと出会い、故郷であるオーストラリアを遠く離れたハワイに渡り、自分のお店を開いたデブ。洋服を愛するのと同じように、地球を、自然を、心から愛しています。新しい物ではなく、ムームーのリメイク、リユースにこだわるのは、環境を大切に考えているから。

デブがエリックと初めて潜ったころのワイキキの海。それは美しかったといいます。しかし今、自然体系は乱れ、珊瑚は死にかけています。心を痛めるデブは、お店の総売上の1%を海の環境を守るために寄付しているそうです。 エリックとザック、大切な家族がいること。大好きな洋服とスタッフ(天使)に囲まれて仕事ができること。たくさんの友達に恵まれていること。デブはいつも感謝の気持ちを忘れません。その感謝から生まれた余裕は、破壊されかけたハワイの自然とハンディキャップのある子どもたちへの支援に生まれ変わります。

デブの周りは今日も笑顔がいっぱいです。笑顔には笑顔を返すことを、デブが何よりも大切にしているからです。

取材から3ヵ月。デブの笑顔を思い出すと、私も笑顔になって幸せな気持ちがあふれてきます。

今回は、英語ができない私にはとてもハードルの高い取材でした。それを助けてくれたのは、ムームーヘブンの日本人天使の皆さん。Emiさん、Makiさん、Akemiさん。皆さんのサポートのおかげで、すばらしい取材が実現しました。本当にありがとうございました。
たなかみえ
コンテンツプランナー・ライター
子どものPTAで広報委員を経験したことにより、書くことに目覚める。主婦業、子育てをしながら、40代半ばにしてIT関連、そして教育関連の会社に就職。このときに出会ったたくさんの方たちに支えられ、2013年10月よりフリーランスのライター、コンテンツプランナーとして活動中。人やモノ、場所に寄り添って、丁寧にコンテンツを作ることを心がけています。たくさんの方に支えられて、ご縁をいただいて、今日の私があります。これからも人との出会いを大切に毎日を丁寧に過ごしていこうと思います。
HP: office makanaloha


 


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