HOME ■ 東京ウーマンインタビュー コーチングを通じて、働く女性の起業を応援したい 前のページへ戻る

■ 東京ウーマンインタビュー


コーチングを通じて、働く女性の起業を応援したい

コーチングを通じて、働く女性の起業を応援したい

児玉 幸子さん
株式会社サクセスアライアンス
代表取締役
コーチングについて詳しく教えていただけますか?
コーチングとは相手の成長を促すコミュニケーションの一つです。「コーチ」というとスポーツなどでイメージするような「教える、指導する」という強い意味を持ったことのように思えますが、コーチングとは質問をすることによって相手自身の自己実現、問題解決を自ら見つけ、その方の成長をスピードアップさせるために使用する技法です。
起業しようと思ったきっかけは何ですか?
私は元々ステレオタイプの人間だったんです。特に自分の人生について深く考えることもなく、高校卒業後、ただ周りの人が大学に行っているからという理由で大学に進学し、そのまま誰もがご存知の大手企業に就職をして約10年間働きました。そこでは安定した人生を歩んでいくことはできました。その一方で10年間常々「何かしたい!」「何か足りない!」と漠然と感じながら、特に何をするわけでもなく生きてきました。

しかし、10年目「女性起業塾」というセミナーに偶然出会ったのです。それまで、まさか自分が起業するなんて思ってもいませんでした。なぜなら、社長という存在は「雲の上にいる方」「恐れ多い方」というイメージだったので、自分とは関係のない世界だと思っていたからです。しかし、その女性起業塾で出会った社長さん方は、とても身近な存在で、そのイメージが覆されたのです。約3ヶ月というプログラムでしたが、とても充実したものであり、「もしかしたら、私でもやれるのかもしれない!?」と思ったのです。

しかし、まだ一歩を踏み出すほどの決意には至っていませんでした。私が決意できたのは、コーチングを受けていた時に、自分の本当の価値観に気づいたときでした。本当はもっと挑戦する生き方を選びたいんだということが明確になった瞬間、会社を辞める決意ができました。そして、未来に向かって意気揚々と会社に辞表をだしたのです。
実際に独立されてみて「理想」と「現実」のようなギャップはありましたか?
独立してからのギャップはありませんでしたが、独立を決めた直後に、プライベートでは突然離婚を切り出されるという出来事が起きました。私自身予期していなかった突然の出来事であり、会社には辞表を出した後でしたので「この先どうしよう。」と一瞬先が見えなくなりました。

しかしながら離婚協定、別居となり、別居中の約一年自分の時間が持てたことで、仕事と勉強に集中することができました。 その時間があったことで、私自身とても成長することができました。離婚という出来事が私自身の覚悟を決めさせることとなり、成長できた理由だと思います。
現在はコーチングを通して働くママ向けの起業支援を行っていますね。なぜ働くママ向けのコーチングを行うようになったのですか?
はい。元々は経営者向けのエグゼクティブコーチングを行っていました(今も依頼があったときは行っています)が、私自身、離婚、再婚、そして出産という経験を通して物事の見方が変わり、現在の方向性を確立することが出来ました。

離婚の経験は、私自身が成長を遂げることが出来た時期でもあります。それまでの私は、世間が良しとすればそれで良いという考えを持った人間で、自分自身の中に価値判断の基準を持って生きていませんでした。それが、離婚という辛い経験を経て、自分自身の中に一つの軸をもって生きられるようになりました。そのおかげで勉強や仕事にとても集中することができました。

そして、再婚・出産という新たな一歩を踏み出し、母親になったとき改めて「女性はすごい!」と感じたのです。特に私は高齢出産で、陣痛が始まってから子供が生まれるまで3日間という時間がかかり大変な思いをしたのですが、その時に小さな命を守るために頑張っている女性はなんて強いんだろう、なんてすごいんだろうと感じました。

しかし、そういう女性がママをしながら会社で働くとなると厳しいものがあります。まだまだ環境や時間の面で前と同じように働けないという現実がありますし、実際に私自身に置き換えて考えても、子供を保育園に預けられない時期があったのですが、すごく大変でした。

また預けることが出来たとしても、保育園から呼び出しがあったらすぐに迎えに行かなければならなかったり、子供が風邪を引けば会社を休まなければなりません。 そのように同じ職場であっても出産前と出産後では全く同じ働き方は出来ないとも実感しました。そこで、悔しい思いもしていました。

私、実はこうみえても昔はウジウジしていたタイプだったんですね。でも、独立してビジネスをやっていくことですごく変わりました。失敗も糧に出来るようになり、苦労も苦労に感じなくなります。「子供を持ったお母さんが働く選択肢として、起業という生き方もある」ということ。そして、「起業というと難しく考える方がとても多いですが、実際にはどれだけ簡単に行えるか」ということを伝えていきたいと思っています。
そんな児玉さんが女性としてそして母親として大切にしていること、また世の中の女性に伝えたいことはありますか?
子供を産むということをためらわないでください。いつかは子供がほしい、という女性は沢山いると思いますが、いずれいずれと先延ばしにしているうちに逃してしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。あるいは、生活が安定してから産もうとか、仕事が軌道に乗っているからまだまだ出産、育児の時間はないから、と思いあぐねている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私もそういった意味では、計画して出産したわけではないのですが、産めない環境なんてありません。どんな環境でも必ずサポートしてくれる人がいるはずです。また、その「できる!」という思いがあれば、実際に可能なのだと思います。

また、今いる組織の中で、それが難しいようだったら、私のように自分でビジネスしていくことも選択肢の一つです。「コーチング」は女性が起業するのに、とっても最適です。リスクが少なく、そして自分で仕事量も収入さえもコントロールできるからです。もっと女性の働く可能性を広げるために、私は「人生プロデュース塾」を通じて、支援していきたいと思っています。
人生の転機をきっかけに自分は○○という人間なんだ!そしてこうありたい!とセルフコーチングを通してご自身に問いかけてこられたからこそ、こうしてご活躍なさっているのですね。
そうですね。人生は思い描くことが出来ればそれは実現できます。その「できるよ!」ということをこれからも沢山の方々に伝えていきたいですし、きっかけを作ってさしあげたいと思っています。人は必ず変化できます。そしてそれは、「できるかも?」と思った瞬間です。

例えるなら、飛行機が離陸する瞬間と一緒です。その瞬間をイメージできるかどうかなのですね。それが出来た瞬間、飛行機は空をめがけて飛び立ちます。後は、一直線に雲の上です。しかし、それを一歩踏み出す際にストッパーが出てくる可能性もあります。本当に飛び立てるかどうかという不安です。ただそのストッパーは正しく認識化し、メンテナンスをしっかりしていけば、外す事は簡単に行えます。

一つ一つをきちんとメンテナンスすることで、不安が自信に変わり、一直線に気流に乗り雲の上に向かうことが出来ます。人は変わります。全ては自分次第なのです。今の自分と向き合い、一緒に自分自身を成長させていきましょう。
児玉 幸子さん
1973年生まれ。横須賀出身。大学卒業後、10年間大成建設株式会社に勤務。女性であるがゆえの壁を感じ新たな道を模索。コーチングに出会い、在職中からコーチ活動を開始。1年の経験後、2007年独立。1年目で会社員時代の給与を稼げるようになり、 2年目では倍増。2009年に会社設立し、エグゼクティブコーチとして活動。研修は3,000人、クライアント総数552名、経営者のクライアント人数は100名以上。 自分の強みを活かした起業を支援する「人生プロデュース塾」主催。人生プロデュース塾主宰。夫はドイツ人。1才の娘と3人暮らし。日本とドイツを行き来する日々を過ごしている。
株式会社サクセスアライアンス
HP: http://www.success-al.jp/
BLOG:http://ameblo.jp/smile-coaching/
働くママの起業を応援する児玉さん。未婚の私もとっても勇気づけられました。また、これから結婚、そして出産する女性の方にも、働き続けるという選択肢をとられる方は多いのではないでしょうか。女性の生き方、働き方も多様化していますが、起業という一つの選択肢もとても身近に感じることが出来ました。そして、考え方一つで一歩が踏み出せるということ。人生に壁というものはないんだということを教えていただいたような気がします。私も児玉さんのようなキラキラした女性であり母親になりたいと思います!
小林 美穂
起業家を支援するためのシェアオフィスで日々、きらきら輝く女性経営者の方のお仕事風景を拝見し、憧れのまなざしで仕事しています。そういった女性の方への憧れを素直に読者の方にお伝えできればと考えています。 私自身、輝く女性の仲間入りをめざすべく奮闘中です!
企画:ナレッジソサエティ