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■ 東京ウーマンレポート


横浜市長 林文子氏にみる新リーダーのあり方

横浜市長、林文子氏にみる新リーダーのあり方
~強さとはしなやかさである~

2013年11月23日パシフィコ横浜で「横浜女性ネットワーク会議(主催:横浜市)」が開催された。東京ウーマン事務局からの取材レポートです。
横浜女性が熱い
当日、約320名もの多くの女性達を集め、林市長からのオープニング・メッセージに続き、ニュースキャスター安藤優子氏からの基調講演、第2部分科会では、昨今女性活用で名高い、松本晃(カルビー株式会社 代表取締役社長兼CEO)氏等、経営者や有識者を招いたパネルディスカッションとプログラムが進行。最後は大きなパーティ会場での交流会まで続き、約半日のプログラムを終えた。

全ては「働く女性」支援を目的に組まれたプログラムであったが、交流会では林市長と名刺交換をする女性達が列をなし、林市長は宴の間中、会場前方の舞台そでから、会場後方まで自らが前へ進み、多くの女性達と名刺交換をし、言葉を交わし、笑顔で応対していた。
左:日本郵便株式会社 中尾茜様 右:株式会社ONE 秋山晴美様
一歩先をゆく横浜
ご存じのように横浜市は、当時ワースト1位であった「待機児童問題」を正面から取り組み、「待機児童ゼロ」を実現している。また女性起業家のための「F-SUS(エフサス:Female Start Up Support)よこはま」をオープンしたり、「女性起業家支援資金」制度を新たに設立したりと、横浜市を「日本一女性が働きやすい、働きがいのある都市」にするため、“女性の活躍による「経済の活性化」と「豊かな市民生活」の両立”を掲げ、女性が働くことを徹底的に支援している。林文子氏が市長になられたからこその企画であり、実現だろう。

今や女性の社会進出では世界で取り残された感のある日本(※1)だが、安倍内閣も国を挙げて女性就業支援に取り組んでいる。世界でも構想や目標を語っている時代なのではなく、今や実践すべき時なのだという認識だ。当時米国務長官だったヒラリー・クリントン氏も、林氏も参列した2010年サンフランシスコで開催された『APEC 女性と経済サミット』で、「女性が男性と平等に働くことで、日本のGDPを16%押し上げる」とスピーチを述べたそうだ。

林氏はご自身のキャリアを振り返り、そこから得た先人の知恵を多くの女性達にシェアし、更なる個人の飛躍と経済活性化の可能性を実現する、強い意思をもって市政にあたっている。

(※1)日本の女性役員比率は45か国中44位
出典:GMI Ratings(GMIレーティングス),
『GMI Ratings’ 2013 Women on Boards Survey』 アメリカの調査・コンサルティング会社「GMIレーティングス(GMI Ratings)」は2013年4月、世界各国の企業における女性役員(取締役・執行役員)比率を調査した報告書(世界45カ国の企業、計5,977社を対象)を発表。それによると日本は先進国平均11.8%、新興国平均7.4%をも大きく下回り、45か国44位、1.1%と世界最低水準だった。女性役員比率が最も高かったのはノルウェーで36.1%、2位スウェーデン(27.0%)、3位フィンランド(26.8%)と、上位は北欧の国が占めている。
横浜市長 林文子氏は何故、リーダーとして成功し続けるのか?
2013年夏の横浜市長選挙で再選を果たした林文子氏は、我が東京ウーマンでもウオッチをし注目してきた人物である。

何故、彼女は、男性だけの業界でありながらパイオニアの女性社長としてトップマネジメントに請われ、実績を積んでくることができたのか。

そして今やビジネス界から政治家へ華麗に転身し、人口370万都市の横浜市長として「待機児童ゼロ」など数々の公約を実現することができたのか。その成功の秘訣は何なのか。

私は同じ女性としてよりは性を超え、仕事のプロフェッショナリズムを知りたい、という興味の方が強かったのが正直な感想だ。なぜなら仕事モードの時の私は、女性を意識するというより、男性と対等にやりあう「自分の中の男性」を発揮して仕事をしてきたからかもしれない。

しかし、今年6月に発刊された林文子氏の最新書「しなやかな仕事術」には、ほぼ一切男性とやりあうシーンは出てこない。もちろん、自らに目標を設定し、ライバルの男性たちをも追い抜き、見事な実績を上げ続けていく姿は圧巻で、その姿は男まさりといえるかもしれない。が、いかに女性らしさを生かし、きめ細やかな気遣いや包容力で仕事をすることが成果につながるのか。そうやってしなやかコミュニケーションがいかに周りの人々と喜びを共有でき、達成感を得やすいのか。またこれからの時代に合い必要なのか、ということが丁寧に優しい言葉で綴られている。

「優しくされることを期待するより、優しくしてあげてみてください~(中略)~まず相手を幸せにしてあげられれば、きっとあなたも幸せになれるはずなのです。」彼女らしい、たおやかな姿勢だ。きっとそうやって部下や周りの多くの人々、あるいは家庭でも柔らかなコミュニケーションを実践し、相手に自信を与え、鼓舞してきたからこそ成し遂げられた様々な成果だったのだろう。
強さとはしなやかさである
そして林氏は会議でも「女性らしさはむしろビジネスにおいて有効」なのだと幾度となく唱えていた。ともすれば右脳的で感情的ととられかねない女性らしさは、むしろ最大の強みであり、共感力、受容力、包容力がこれからのビジネスシーンにおいて武器になると確信している。

囲み取材で投げかけた私の質問にこう答えてくれた。

質問:講演では、有名なアメリカの調査にひもとき、国政に参加する女性政治家が何故少ないのかは、私たち女性自身が「私なんてどうせ…」と考えるからだという事例がありました。私たち女性自身がもしかしたらマインドを変える必要があるのかもしれない。林さんからアドバイスをいただけますか?

林氏:やはり「急がば回れ」なのではないでしょうか。男性と同じように社会で活躍するんだ、という強い意思で押し出すのではなく、目の前のこの人、このお客様、会社の仲間を心から気遣い、幸せになっていただこう、どうしたらお役に立てられるだろうか、と女性の持つ優しさで仕事にあたることが、結果的には成果につながり、自らも仕事で喜びや達成感を味わえる。そんなことなのではないでしょうか。

林市長の強さは、その女性らしさ、柔らかさ、しなやかさにある。女性らしさを活かしたコミュニケーションを武器に、幸せと仕事の成果の両方の果実を得たいものである。
文:東京ウーマン事務局 児玉圭子


 


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