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小山 ひとみ コーディネーター、中国語通訳・翻訳 ROOT
日本と中国、台湾間の文化交流の橋渡し役として仕事をしていることから、東京、ニューヨーク、上海、北京で活躍している中国と台湾の女性にフォーカスを当て、彼女たちがどのようなプロセスを経てチャンスを得たのか紹介していきます。
チャンスを掴む!中国、台湾のウーマンに学ぶ キャリアアップ 2016-02-19
テレビディレクター グー・ゴンクンさん

今月からコラムを執筆する小山(おやま)ひとみです。

フリーランスの演劇コーディネーター、中国語通訳・翻訳として、日本、中国・台湾間の文化交流の橋渡しをしています。現在、私は、NYと東京を行き来する生活を送っています。

このコラムでは、NY在住の中国、台湾のウーマンたちへのインタビューを通して、彼女たちがなぜNYで生活を始め、いかにチャンスを掴み、どのようなことを考えて生活を送っているのかをお伝えできたらと思っています。このコラムが皆さんにとって何かのきっかけとなれば嬉しいです。

一回目は、テレビ局shino visionのディレクター、顧功坤(グー・ゴンクン)さんを紹介します。shino visionは、NY在住の中国人へのインタビューや、アメリカで開催される中国関連のイベントや文化、ニュースなどを放送するテレビ局で、グーさんは英語チャンネルを担当しています。

NY?それとも上海?

1983年上海生まれのグーさんは、上海交通大学でジャーナリズムを専攻。卒業後の2005年、映画の勉強のため、ジョージア州のサヴァンナ芸術工科大学大学院で、テレビ・映画制作を3年間学びます。

学位取得後、NYに移り住み、shino visionにインターンとして採用されます。その後、中国語チャンネルの記者になったものの、指示された取材先に出向いて取材をするだけの日々に、自分に向いているのだろうか、なぜNYにいるんだろう、上海に戻った方がいいのでは、と常に悩んでいたそうです。

2年間働き、悩んだ末、帰国を決め、上海のテレビ局のファッション番組の制作チームで働きます。「ファッションにも興味があったのですが、実際はファッション番組というよりも、なんでもありの娯楽番組という感じで…。」

また、久しぶりに上海の幼馴染や大学の同級生たちに会い、「ニューヨーカーたちは、新しい話題をくれるし、色んな意見を言ってくれる。でも、上海の友人たちは、何だか保守的で…。私の居場所はここじゃないのでは?と思ったんです。」環境は価値観に大きな影響を与える、と強く感じたと言います。

そして、再びNY行きを決めます。「私はやっぱりNYが好きで、NYで生活をしている人が好きなんだって実感したんですよね。両親は、またNYに行くの?と初めは反対したんですが、私の熱意をわかってくれました。」ちょうどshino visionが英語チャンネルを立ち上げた時期と重なり、声をかけてもらうという幸運もありました。(下写真:局のスタッフ、出演者と)

NYで仕事をして感じたことは?

現在、グーさんは、アメリカ人7人、中国人3人の部下を抱え、番組の企画から取材相手への連絡、撮影時の演出などで5つの番組に関わっています。「企画を担当するようになった今でも、できるかぎりインタビューには同席します。インタビューで人となりを掘り下げるのは、新しい一面が見えて楽しいです。」

今の仕事には、インターン、記者時代には得られなかった、初めから終わりまで自分が手がけた番組が形になるという喜びがあると言います。最近でいえば、NYフィルムフェスティバルのゲスト、中国の映画監督ジャ・ジャンクーや台湾の映画監督ホウ・シャオシェンに取材ができたことは、映画好きのグーさんにとっては感無量だったと言います。(下写真:ジャ・ジャンクー(右)に取材をした時)

「努力して、NYで生活する意義を証明してきた感じ。」とこれまでのNYでの自分を振り返るグーさん。英語チャンネルの立ち上げ当時は、アメリカ人のスタッフと一緒に仕事をすることに戸惑いもあったそうです。「若くて、経験が浅いスタッフでも、NYでは自分の考え方を大事にする人たちが多いので、指示をするときにはきちんとその理由を説明するように心がけています。」

NYでの生活もトータルで7年以上になり、仕事が順調な彼女にも「このままここで頑張っていくのがいいのか。」と再び迷いが出ているようです。一方、「NYでもっと影響力のある番組を制作したい。」と意欲もみせています。「NYは自由で楽しい街。新しいことを進んで受け入れようとする人が多いのが刺激になります。」

これからNYで仕事をしたいと考えている女性には、どういうアドバイスをする?と尋ねると「明確な目標を持ったほうがいいでしょうね。NYの良さが分かれば、きっとここで長く生活ができますよ。」

今後は、NYと上海を行き来できるような仕事に関われたらと、新たな可能性を探しているグーさんを見て、私自身も前向きになれました。

インタビューを終えて

上海を離れてNYへ。上海に戻り、再びNYへ。その話を聞いた時、「私も同じだったな。」と感じました。私自身、北京での留学後、東京で中国と関係のない仕事を始めたものの「北京で働きたい」という気持ちが抑えきれず、再び、北京を訪れ、5年間仕事をするというチャンスを得ました。グーさんにとってのNYは、私にとっての北京のように、第二の故郷のような存在なのでしょう。

グーさんと食事に行った時、彼女がNYでの人付き合いを大切にしているのだなと気づかされる出来事がありました。レストランに入り席に着くと、隣で食事をしていた人が偶然グーさんの知り合い。「まさかここで会うとはね!」。オーダーを取ろうとした時、お店のオーナーが出てきて「いらっしゃい」。お店を出ようとした時、また別の知り合いと遭遇。笑顔で挨拶を交わしたのです。テレビ局でも、スタッフの悩みを親身に聞いていて、そんな姿をみて、彼女の頼もしい人柄が、いろんな人を惹きつけているのだなと感じました。


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