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滝澤 十詩子 歌人 こころカンパニー
このコラムは短歌についてと歌人十詩子の日常を感じるままを書いているコラムです。短歌に対するむずかしい印象や高い敷居がなくなっていくと思います。あなたの人生が豊かで実り多いものでありますように。
東京女子ほっこり短歌 趣味・カルチャー 2014-09-08
自分の好きなことって?その2

こんにちは。
前回のコラムで、自分の好きなことは

普段自分が自然としてしまっていることが多い。
当然のようにしてしまっていることのなかに潜んでいることが多いよ。

という話をしました。

まぁでもこれは本当に自分にとっては、
自然すぎて気づかないことが多いので、
人に聞いたりしてみるのがいいかもしれませんね。

人に聞いたりしてみるという意味では、
親に聞けるのであれば聞いてみると、
子どもの頃没頭していたことを親は覚えていてくれるので、
とても大きなヒントになります。

私の場合、親に聞いたら、
「あなたはなんでも一生懸命だったわよ」
って、何の答えにもなりませんでしたが(笑)

「いつも絵を描いていた」
「いつも歌を歌っていた」
「いつも人を笑わせようとしてた」
「なじんでいない子にすぐに気づいて、いつもさりげなくそばにいる子だった」

そんな親の一言から、自分の好きなこと、自然とできてしまうことに気づいて、
本来の自分を取り戻す人はとても多いです。

でもこれは分かりやすい一例の一つだと思います。

中には好きなことが心の奥深くにしまわれてしまって、
分かりづらくなっている人もいます。

今日はそんな例をご紹介します。

好きなことをやると罪悪感を感じる

というものです。

信じられませんよね?好きなことなのに。

というのは、
例えば親が子供に対して
医者になってもらいたい、銀行員になってもらいたい、家業を継いでもらいたいなどの
思いが強いとき、それ以外のことに興味を持っていると、それをやめさせようとします。

これは親が悪いという話ではなくて、
親としては良かれと思って、

サッカーなんてしている暇があったら勉強しなさい!
絵ばっかり描いているからあなたは成績があがらないの!
お笑いなんてくだらないものを見ないで勉強しなさい!

と言います。
繰り返し言われ続けると、子どもの中には、

サッカー好きな自分はダメなんだ
絵を描いている自分は優秀じゃないんだ
お笑いなんてくだらないものを好きなんて自分はくだらないんだ

と思い始め、大人になるころには、

スポーツに打ち込むやつはただの筋肉馬鹿だ
絵ばっかり描いててどうやって食べていくんだ
お笑いなんてくだらない!

と拡大解釈されて、それを当然のように思ってしまっていたりするのです。

たとえ、そういう家庭環境でなかったとしても、

学校や家に流れている
「苦手なことも我慢して勉強して、成績がいい人が評価される」という空気を
敏感に感じ取って、自分の好きなことはダメなんだと思いこんでしまう繊細な人もいます。

どちらにせよ、環境によって、

自分の好きなことをしてはいけないと思いこまされている

ことがあります。

あなたの嫌いなことはなんですか?

好きなことを探すためのコラムなのに、申し訳ないけど、
大っきらいなことがあるとしたら、なんでそんなに嫌いになったのかということは
掘り下げてみる価値はあると思います。

お笑い大好きで、げらげら笑ってテレビ見ていたら、
親にいきなりこの世の終わりくらいに怒られたからかもしれないんです。

本当はお笑い大好きだったかもしれないんです。
それは覚えていないだけで、お笑いを見るたびに、
無意識が怒られないようにパシって見事に反応して、
嫌いだという反応をしてくれているだけかもしれないのです。

でも本当は好きだったとしたら?

お笑いを心から笑ってみることができたらあなたの幸せな時間は増えるのではないでしょうか?

そして、やってしまうと罪悪感を感じることはなんですか?

こんなくだらないことに時間を使ってしまった…
こんなしょうもないものを買ってしまった…

これもまた同じメカニズムであなたから好きなことを遠ざけています。

私は、「信じるか信じないかはあなた次第」というフレーズで有名な芸人さんが好きで、
というか、彼の話している眉唾だろうけど興味深いあの話が好きなのですが、
彼の本を買ったときに

「くだらない本買っちゃったな」

と心がつぶやいたのです。

はっとして、なんでそんなことを思ったんだろう…と振り返ってみたのですが、
知識として社会の役に立たないただの娯楽品。だからくだらない。と思っていました。

わたし、娯楽はダメだと思っていた
直接世の中のためにならないとダメだと思っていたんだなあ・・・と。

同じ理由で、私は歌集や詩集をいまだに買えずにいます。
って、今本棚見て気づいたのだけど(笑)

こんなに歌や詩が好きなのに、
詩集は世の中の役に立たないからダメだって思っている。
だから買えないでいる。

この前なんか、図書館で借りていたことも思い出しました。
大好きな金子みすゞの詩集。スキャンしようと悪戦苦闘とかして(笑)

買えよって話です。

このように、擦り込まれた価値観は無意識に居座って私たちの行動を支配しています。
もちろん素敵な価値観もありますが、
ときにこんなふうに私たちを好きなことから遠ざけてしまっていることもあるのです。

これに気づいたとき、
最初は好きなことをするのが辛いと思うのです。

ダメだと思っていたことをしてみるわけですから、猛烈に体や心が抵抗します。
本当に好きなことなんだろうか?と思ったりもします。
そういう意味では、好きなことやってたらなんでも順調!!
なんて説がいいかげんな説にも思えてくるけど、
実際のその罪悪感が外れれば順調なんだと思うのです。

罪悪感は、このコラムを書く私の中にも
さきほど言った通り存在していて、
好きなことをやることへの罪悪感と戦う日々でもあるのです。

好きなことが見つからないみなさん。
そんな観点からも好きなことを見つけてみてください。

見つかってるけど罪悪感があるみなさん。
一緒に頑張りましょうね。
やりつづけて大丈夫なことを体に知ってもらいましょう。

○先月詠んだ歌○
迎え火とかわからないからスーパーで買ったおはぎが今年のお盆

またコラムと関係ないですが(笑)こうやって歌を詠む無駄と思える時間を過ごせることが、
好きなことを禁止してしまった自分への恩返しだと思っています。
8月迎え火っていのをやってみようと思ったけど、
全く方法を知らなくて、結局スーパーでおはぎを買ったの。
おじいちゃん、おばあちゃんちゃんと来れたかな。

十詩子


 


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